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新生児の平均体重は?
新生児とは、産まれてから生後28日(4週)未満の赤ちゃんのこと。新生児の体重の変化を見ることは、赤ちゃんが元気に成長しているかどうか確認するひとつの目安として有効です。産まれてすぐの赤ちゃんの平均体重や、生後28日が過ぎ1ヶ月健診に行く頃の赤ちゃんの体重はどのくらいなのでしょうか?
ここでは、厚生労働省の「乳幼児身体発育調査結果」で発表された内容をご紹介します。しかし、赤ちゃんの体重の変化は個人差がとても大きいため、平均体重と大きな差があるからといって、あまり気にしすぎる必要はありません。
産まれてすぐの新生児の平均体重
産まれたばかりの赤ちゃんの平均体重は、男の子で3.0kg、女の子で2.94kgです。
1ヶ月検診に行く頃(生後28日)の平均体重
産まれてから28日が過ぎ、新生児の期間が終わった頃に、多くの病院で「1ヶ月検診」が行われます。このときの赤ちゃんの体重は、男の子が4.13kg、女の子が3.89kg前後です。
新生児の体重増加の推移は? 1ヶ月でどれくらい増加する?
では赤ちゃんが産まれてから1ヶ月の間に、どのくらい体重が増加するのでしょうか?
新生児は1ヶ月で1kg、1日30gを目安に体重が増える
出産直後と生後1ヶ月の平均体重を見ると、男の子は1ヶ月に1.13kg、女の子は0.95kg増えている計算になり、だいたい一日あたり30gずつ体重が増えていることがわかります。
新生児以降の体重増加の推移
出産直後から生後1ヶ月の間に体重が大きく増えますが、その後の体重の増加量は少しなだらかになります。
生後0~3ヶ月は、25~30g/日、3~6ヶ月は15~20g/日、6~12ヶ月は10~15g/日くらいです。
参照元:乳幼児身体発育評価マニュアル(平成23年度 厚生労働科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
新生児の哺乳量を体重から導く計算法
新生児の赤ちゃんに母乳やミルクを与えるとき、吐き戻してしまったり口からぽたぽたとこぼしてしまったりするため、どのくらいが適量なのか判断が難しいことも多いでしょう。そんなときは、赤ちゃんの体重と哺乳量の計算法を把握しておくと、母乳やミルクをどのくらいあげればよいかの目安がわかってきます。
ミルクの量は体格によっても異なりますが、だいたい体重1kgあたり150mlほど。つまり「1日に最適なミルクの量(ml)=赤ちゃんの体重(kg)×150」の計算式で算出できます。体重が4.2kgの赤ちゃんなら「4.2kg×150=630ml」となります。あくまで目安と考えてくださいね。
体重の増加や減少が正常値と違うときは?
新生児の赤ちゃんの体重が順調に増えていけば、元気に成長していると安心できますが、平均的な身体発育曲線と比べて大きく体重が増加したり、減少したりする場合があるかもしれません。
新生児の体重増加
体重の増加幅が大きいと感じても、赤ちゃんの成長には個人差が大きく関係するもの。あまり気にしすぎる必要はありません。
新生児の体重減少
新生児の体重が減少すると「病気なのでは…?」と不安を感じるかもしれませんが、出生直後の赤ちゃんにむくみがあったときなどは、出生時の体重より減少することもあります。これを「生理的体重減少」と呼びます。生理的体重減少は、出生時の体重の10%以内での減少なら正常と考えてもいいでしょう。
新生児の体重が増えすぎた場合
新生児の体重が、平均的な身体発育曲線から外れるほど大きく増えてしまった場合は、どう対応していくべきでしょうか?
原因
新生児の赤ちゃんの体重が大きく増加するときは、母乳やミルクをたくさん飲んでいることが原因であることがほとんど。特に新生児の頃は運動ができないことも原因のひとつとされています。成長してハイハイしたり座ったりできるようになってくれば、活動量が増えて体重増加もなだらかになっていくことでしょう。
対処法
赤ちゃんの体重が増加しているからといって、自己判断で母乳やミルクの量を減らしてしまうのは危険。赤ちゃんにとって必要な栄養を摂れなくなる可能性があります。一般的に母乳は赤ちゃんが欲しがるだけあげていいと言われており、ミルクについては医師に相談して、量を控える指導があればその指示に従いましょう。
疑われる病気・障害
新生児のときに体重が重いからといって、将来も肥満になるとは言えません。ただ小学生になっても肥満状態が続けば、糖尿病などの生活習慣病になるリスクもあると考えられています。
新生児の体重が増えない場合
では新生児の体重がなかなか増えない場合はどうでしょうか?
原因
一般的に母乳で赤ちゃんを育てている場合、ミルクをあげているケースと比べて、体重増加がゆるやかになる傾向があるとされています。そのため、母乳育児の赤ちゃんが身体発育曲線と見比べると平均よりも体重が少なくなった場合は、心配するママやパパが多いかもしれません。
また、うんちやおしっこをした直後に体重を測れば、一時的に体重が減ることもあります。
対処法
母乳をあげていて、赤ちゃんがなかなかおっぱいを離したがらなかったり、授乳してから1時間ほどですぐにまたおっぱいを欲しがったたりする場合は、母乳が足りていない可能性があります。完全母乳にこだわらず、適宜ミルクを使うことも考えてみましょう。
疑われる病気
体重が少ない赤ちゃんによくみられる症状に「黄疸」があります。黄疸とは、血液中のヘモグロビンが代謝したときにできるビリルビンという物質が増えることで起こります。通常は肝臓で代謝されて排出されるのですが、新生児は肝臓がまだ未熟なため、白目部分や肌が黄色っぽく見えるようになります。大部分の赤ちゃんにみられる症状ですが、生後1週間ほどで自然と消えていくケースが多いといわれています。
新生児の体重の測り方
自宅で赤ちゃんの体重を測るときは、どのように行えばいいでしょうか?
新生児用の体重計は必要?
赤ちゃんが産まれてから退院するまでの間は、病院で毎日赤ちゃんの体重測定が行われます。しかし、退院して自宅に戻ってきたら、赤ちゃんの体重測定は簡単にはできないでしょう。新生児用の体重計があれば、赤ちゃんの体重を測って成長を確認できるので、ママやパパは安心ですね。また、新生児用の体重計を購入しなくても、必要な期間だけレンタルするサービスもあります。
測るタイミングや頻度
新生児の体重測定に適したタイミングは、おしっこやうんちが済んだあと。おむつを脱がせた裸の状態で測るといいでしょう。新生児用の体重計は、タオルや洋服の重さを差し引きできる風袋(ふうたい)機能が付いているものが多いので、衣類やおむつを付けたままでの測定でもOKです。
自宅での体重測定は、毎日行うと体重の増減に一喜一憂しすぎてしまうため、1週間に1回程度のペースで行うといいでしょう。
測り方
新生児用体重計を平らな場所に置いたら、電源を入れます。最初にタオルだけを置いて、タオルの重さが表示されたら風袋ボタンを押し、表示が0になったことを確認したら赤ちゃんをやさしく乗せて目盛りを確認しましょう。
記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
編集部おすすめ!新生児用の体重計
自宅で赤ちゃんの成長を確認できるように、赤ちゃん向けの体重計を用意してもいいでしょう。こちらでは編集部おすすめの新生児用の体重計をご紹介します。
「デジタルベビースケール」(ベビーザらス)
赤ちゃんが大きくなったらトレイをはずして使えます。タオルや衣類などの重量を引いて測れる風袋機能付き。前回の体重から増減を確認できるメモリー機能もあり、赤ちゃんの成長を確認できます。新生児から20kgまで測定OK。
「ベビースケール nometa」(タニタ)
体重は5g単位で測定し、日々の変化をしっかりはかれます。母乳の授乳量を知りたいときは1g単位で測定できるので、母乳をどれくらい飲んでいるか分からないという不安の解消にもおすすめです。赤ちゃんが成長してからも8kgまでは5g単位、それ以降は最大20kgまで10g単位で測定できます。
ママパパの口コミ
新生児の体重には個人差があるもの
ママとパパは、どうしても赤ちゃんの体重が気になるもの。「他の子より小さくて体重がなかなか増えない…」「おっぱいをたくさん欲しがって肥満になるのでは…」などと、心配の種はつきないかもしれません。しかし、赤ちゃんの体重には個人差があります。どの子もそれぞれのペースで成長していくので、親があまり気にしすぎないことも大切なのかもしれませんね。
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文・構成/HugKum編集部