お子さんに好き嫌いが多いと日々メニューを考えるのが大変ですよね。どうにか食べてもらいたくてせっかく作っても一切口をつけてくれなかったり、月齢の低い子どもだと食べたくなくて、お皿の中身を床にぶちまけてしまったり…。後片付けをしながら悲しくてやりきれない気持ちになる、そんな経験をしたことのある人もいるはず。
子どもが嫌いなものとして真っ先に挙げられるのが『野菜』ですが、世のママ&パパたちは子どもに嫌いな野菜を口にしてほしい一心でさまざまな工夫をしているよう。そこで子どもの苦手な野菜事情や、普段どんな工夫をして苦手な野菜を取り入れているかを、先輩ママ&パパ達に詳しく聞いてみました。
子どもの苦手な野菜1位は?
HugKumでおこなったアンケートによると、子どもが苦手な野菜の第1位はゴーヤという結果に。一般的に普段から頻繁に口にする食材ではないですが、ゴーヤ特有の「苦み」に拒否反応を示す子どもが多いよう。また、苦いというイメージが強いため、その先入観から年齢が上がっても食べず嫌いを起こしている可能性も。次に多く挙がったのは独特の食感と風味が特徴のセロリ。大人でも苦手な人が多い印象ですね。
その他にもピーマン、なす、トマトがベスト5にランイクイン。その3つは比較的普段から料理に使われることが多い野菜のため、苦手を克服してくれるとメニューの幅がグンと広がります。
子どもの苦手な野菜のために工夫している人の割合は?
お子さまが苦手な野菜を食べられるよう工夫していることがあるかを聞いてみたところ、その他を除くと約半数の人が「ある」と答えました。
工夫していることに効果があるかについては、その他を除くとなんと90%近くの人が「はい」と回答。
ママ&パパ達の努力がきちんと実っているということがわかります。
どんな工夫をしてる?
・細かくしたり、よく炒めて甘みを出しています。
・細かく刻んでハンバーグに混ぜたり、味付けを変えたりいろいろ試しているところです。
・細かくして混ぜる。
・カレーなどで煮込む。
・スープにすると食べられる。
苦手な野菜はとにかく『細かく刻む』がママ&パパ達の定番。細かくしてその野菜の存在感を消してしまえば、気付かず口に運んでくれるお子さんは多そうです。
先輩ママに聞いた!我が家の苦手克服~成功実例~
ここからは実際にママたちがどんな工夫をして苦手な野菜を取り入れているのか、その具体例を紹介していきます。
苦手な野菜にはブレンダーが大活躍
石井麻由さん(2歳10か月男の子のママ)
「我が家では息子が苦手な野菜はすべてブレンダーで粉砕!特にカレーに混ぜると気付かずたくさん食べてくれます」。
「一気に7食分ほど作り、1食分ずつに分けて冷凍保存しています。使う野菜はにんじん1本、ピーマン2つ、玉ねぎ1玉、ほうれん草3分の1袋、りんご1個弱など。冷凍するのでじゃがいもは入れず、他にはトマトやナス、きのこを入れることも。ここぞとばかりに大量に野菜を入れてしまいがちですが、ほうれん草は入れすぎるとカレーがかなり緑になりばれてしまうので注意が必要(笑)。粉砕野菜を使うとカレーがドロドロになるため、息子がこぼしづらいというメリットも」。
収穫作業体験で苦手を克服!
菅原友美さん(7歳男の子、3歳女の子のママ)
「子ども達はきのこ類が苦手なんですが、先日しいたけ狩りに行って収穫を体験。その時に採ったしいたけを使って自宅で一緒に料理をしたら一気に克服できました」。
「餃子の皮を使用したピザ作りに挑戦。子どもの好きな具材をたくさん用意して一緒に切ったり、皮に乗せたり。具材の選択肢の中に細かく切ったしいたけもあったんですが、進んでピザに乗せていました」。
「そしてなんと娘が好きなチーズを乗せたら丸ごとのしいたけにもかぶりついていてびっくり!
自分で収穫したことで愛着がわいたのか苦手意識がなくなり、それ以来普通に食べてくれるようになりました」。
皮むき、型抜き…お手伝いで野菜と慣れ親しむ
安本琴美さん(8歳・2歳男の子、6歳女の子のママ)
「我が家では子ども達が野菜に触れる時間を意識して作るようにしています。1番多いのはお手伝い。野菜を洗うのと型抜きは包丁を使わなくてもできる安全なお手伝いなので小さいうちからお願いしています。苦手なにんじんも型を使って可愛くすれば普通に切って調理するより食べてくれるんです」。
「女の子だからかきょうだいの中でも率先してお手伝いをしてくれることが多い長女。一緒に作業をすることで親子の時間を持つことができ、会話が増えるのも嬉しいです」。
「我が家はキャンプが好きでよく行くんですが、そういう特別なシチュエーションで食べるのも◎。野菜を洗うのは子ども達がやってくれたり、意識しなくとも自然と家族全員が調理に携わっています。家とは違う開放的な場所で食の時間を楽しむことで苦手なものに手を伸ばしていることも多く、特に友達家族と一緒だと苦手なものでも友達が食べていると張り合って口に入れて、結果食わず嫌いを克服したこともありました」。
友だちとわいわい大好きなメニューを自作♪
高橋まりなさん(10歳・6歳女の子、7歳男の子のママ)
「次女は生野菜や葉物野菜が苦手でほとんど口をつけないんですが、先日近所の友人家族とハンバーガーを作った時には喜んで食べてくれました。バンズを焼いて、チーズやレタス、メンチカツを自分の好きなように重ねればオリジナルのハンバーガーが完成!お友だちとわいわい楽しく盛り上がりながら、あっという間に完食しました。自分で作ったという喜びと、周りの子がみんな食べているというその雰囲気の力も大きかったと思います」。
「その他に、苦手な野菜が入っているにもかかわらず子ども達から人気だったメニューはキンパ。次女が苦手な緑の野菜だけでなく息子が苦手な玉子も入っているんですが、子ども達が大好きなお肉で野菜の味が紛れたのか、気にすることなく平らげてくれました」。
「我が家の子ども達は全員お肉が大好きなので、苦手な野菜はお肉と一緒に調理することで食べてくれることが多いです。濃いめの甘辛い味付けだとさらに食べやすそう」。
大好きなおやつに混ぜこみ大作戦!
むらたさきさん(8歳・5歳・1歳男の子のママ)
「苦手な野菜はすり潰してマフィンに入れるなど、おやつで取り入れるのがおすすめ!まさかおやつに野菜が入っているとは思わないのかパクパク食べてくれます」。
「三男はにんじんや小松菜が苦手で、特ににんじんはカレーに入れた輪切りのものも出してしまうくらい嫌い。マフィンに入れる時は角切りだと気付いてしまいそうなので、1本丸ごとすりおろして汁ごとたねに混ぜます。そうすると原形がないので全く気づかないんです」。
「あとは型に流し込んでオーブンで焼くだけ。小松菜などの葉物野菜を入れる時は牛乳や豆乳、アーモンドミルクなどを入れてブレンダーで砕くとすりおろし状になり生地になじみやすくなります。マフィンは茹でたかぼちゃやさつまいもを混ぜて焼くのも甘みが出ておすすめ。多めにたねを仕込んでおき、ジップロックなどに入れて冷凍保存しておくと便利です。せっかく作るなら…と大人用のチョコマフィンを一緒に作ることも」。
苦手な野菜に含まれる栄養素は他の食材で補うことも可能ですが、できれば小さなうちから色んな食材を口にしてほしいと思うのが親心。「なぜ食べてくれないの…」とあまり思いつめすぎず、ママ&パパ自身も楽しめる方法&気楽な気持ちでお子さんの好き嫌いと付き合っていきましょう。
文・構成/鈴木美奈子