ことばが聞き取れず、子どもが何を言いたいかわかりません。お互いにイライラしてしまい…
子どもが一生懸命何かを伝えようとするのですが、ことばが不明瞭すぎて伝わらず、お互いにイライラしてしまうことがあります。 何かを言いたいのはわかるけれど何が言いたいかわからない時、親はどんな対応をするのがいいでしょうか?(3歳児のムスメのママ)
なるべく子どもには聞き返さないで。聞き取れたことばを復唱するように
親子間のやりとりに正解はありませんし、伝えたい気持ちが強いのか?根気強いのか?すぐに興味や話題が移ってしまうのか?など、親と子、お互いの性格にもよると思います。それを踏まえた上でお伝えすることは、「えっ?何て言ったの?」などのお子さんへの聞き返しをなるべく最小限にすることです。
練習のために正しく言わせようとしたり、わざと分からないふりをしたり、は必要ありません
この世でいちばんお子さんの話を推測できるであろう近しい親御さんであってもわからないということは、おそらくお子さんのお話は、外の世界ではもっと伝わっていないのではないでしょうか。そうであれば、お子さんは「言っても伝わらない」という経験を既にたくさん積んでいるので、親御さんがあえてさらに多く積ませる必要はありません。
練習のために正しく言わせようとしたり、わざと分からないふりをしたり…はしなくて大丈夫です。
少しでも聞き取れたら返事や復唱を。成功体験を増やしてあげて
難しいかもしれませんが、聞き取れたことばの中から推測し、少しでもわかった部分があれば返事を返し、やりとりをなるべく成功させてあげてほしいと思います。
例えば、お子さんが話したことばの中でひとつでも聞き取れたことばがあったら、「○○なんだね」などと、そのまま復唱してみてください。そうして、100%の中の10%や20%ずつでも、わかった部分を突き止めていきます。伝わる割合を少しずつ増やしていくことで、お子さんの自信につながっていくのではないかと思います。
難聴などの問題が隠れている可能性も?…気になる場合は医療機関に相談を
それから、お子さんのおしゃべりが不明瞭で気になるという場合に、難聴などの「きこえ(*)」の問題が隠れている場合があります。日常生活場面で聞こえていると感じられる場合にも、特定の音域だけ聴力が低いといったケースもあります。「ABR(聴性脳幹反応)」や「OAE(耳音響放射)」などをはじめとする聴力検査の設備を有しており、行動観察などを含めたお子さんの「きこえ」の評価に対応している耳鼻科の受診をお勧めします。
*「きこえ」は、「聞こえ」と「聴こえ」2つの漢字を当てることができ、それぞれ少しずつ意味合いが異なります。本記事では、聴力のことを「きこえ」とひらがなで表記しています。
こちらの記事では寺田先生に「子どものことばの育み方」を伺っています
教えてくれたのは
取材・構成・イラスト/べっこうあめアマミ(https://twitter.com/ariorihaberi_im)