自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子におすすめ。コミュニケーション力を育てる新しい習い事に注目!

今、「コミュニケーション力」を育てる学びに関心が集まり始めています。AIが当たり前になっていくこれからの社会では、知識を増やすだけでなく、自分の考えを伝えたり、相手の話を受け止めながら関係を築いたりする力がより大切になると言われています。この記事では、コミュニケーション力を育てる習い事について、2つの教室の代表にお話をお聞きしました。

日本の学校では、自分の意見を発表する機会が少ない?

「うちの子、思っていることを言葉にするのが苦手で…」「人前だと急に話せなくなってしまう」そんな悩みを持つ方もいるかもしれません。

日本の子どもたちは、読み書きや計算などの基礎学力は高い一方で、「どう思う?」と意見を求められたときに、とっさに言葉が出てこなかったり、正解を探そうとして黙ってしまったりする姿も見られます。

一方で、海外では幼いころから発表やディスカッションの機会が日常的にあり、家庭でも出来事について感想を伝え合う文化が根づいています。特別な才能というよりも、日々の対話の積み重ねのなかで育まれていく力と言えるでしょう。

そういったなか、日本でも対話や発表を取り入れた習い事が、子どもたちの新しい学びの選択肢として注目されています。

コミュニケーション力を育てる習い事とは?

「コミュニケーション力を育てる習い事」とは、話す・聞く・考える・表現するといった力を育てるもので、知識を一方的に教わるのではなく、子ども同士の対話や発表を通して学びを深めていくのが特徴です。

たとえば、興味のあるテーマについて発表するプレゼンテーション講座、テーマに沿って意見交換を行うディスカッションやディベート、アナウンスや話し方教室、役になりきって感情表現を体験する演劇活動など、その内容はさまざまです。

これらに共通しているのは、「正解を出すこと」よりも、「どう考えたか」「どう伝えるか」のプロセスを大切にしている点。自分の思いを言葉にする力はもちろん、相手の話を最後まで聞く姿勢や、多様な意見を受け止める柔軟さも育まれていきます。

人前で話すことへの自信や、語彙力、思考力、共感力などが少しずつ積み重なっていくのも特徴のひとつ。安心して発言できる環境のなかで経験を重ねることで、日常生活や学校生活にもつながるコミュニケーションの土台が育っていきます。

コミュニケーション力を育てる教室・サービスを2つご紹介

自分の気持ちを出す練習をする「ことばキャンプ教室」

関東を中心に、近畿や九州などのほか、オンラインで教室を展開する「ことばキャンプ教室」は、幼児期から高校生までを対象に子どもの知性・感情・意志を育てる教室です。自分の気持ちや考えを言葉にして表現することと、相手の意見を尊重しながら受け止めることの両方を大切にしているそう。

子どもの中にある気持ちや考えを引き出す働きかけにより、対話のなかで考えを深めたり、言葉のキャッチボールの練習をしたりすることで、コミュニケーションに自信がつき、学習意欲や集団活動への意欲も向上するのだそう。

自分の気持ちを引き出す練習をする「ことばキャンプ教室」

米国の学校や家庭で行われていたオーラルコミュニケーション教育と異文化コミュニケーションを分析して考案された、7つのチカラ(度胸力・論理力・理解力・応答力・語彙力・説得力・プレゼン力)のトレーニングが行われています。

「ことばキャンプ」の運営会社代表の菅澤さんにお話をお聞きしました。

集団で学習する小学生になると、意見があっても挙手しない、みんなの前で発表をためらう、などのお子さんの様子からお問い合わせいただくケースが多いです。

今のお子さんの特徴として「間違えたくない」「正解を言いたい」という気持ちから自分の意見を表出することをやめてしまうことが多く見られます。
また、恥ずかしがり屋さん、マイペースなど性格的な特質と思われることも多いのが現状であり、上手にコミュニケーションが取れずに集団になじめないお子さんは多いと感じています。

こういったコミュニケーション力の強化は家庭ではできない練習であり、保護者の方にそのアプローチがわからないことから習い事として注目が集まっているのかもしれません。また、「察する」という日本文化の特徴もあり、自分の意見を表す力が身につかない現状があるのではないでしょうか。

コミュニケーション力はお友達関係や学習意欲などに変化をもたらします。子どもが自分の力で個性をもっと発揮できる教育環境をつくる必要を痛感しています。

「ことばキャンプ教室」のWEBサイトはこちら≫

絵本を使って対話力を深める「YOMY!」

3歳から小学生を対象にしたオンラインスクール「YOMY!」は、自分で考え、自分の言葉で伝える力を育むことをコンセプトに、ハーバード大学などでも研究されている「ダイアロジック・リーディング(絵本対話)」を取り入れたプログラムを行っています。

絵本を「読む・聴く」にとどまらず、「もし自分が主人公だったらどうする?」「どうしてそう感じたの?」といった問いかけや対話を通して、子ども自身が考え、それを言葉や絵で表現する機会をつくっています。

プライベートレッスンのほか、複数名で行うグループレッスンでは同年代の子と絵本について意見交換ができる

日本の幼児教育は、知識や情報をインプットする力が非常に高い一方で、「自分はどう思うか」「なぜそう考えるのか」を外に出すアウトプットの機会が、海外と比べると非常に少ない傾向があります。

「YOMY!」では、幼児期から日常の中に“対話の場”をつくることで、子どもが安心して自分の意見を言える環境を大切にしているとのことです。

絵本を使った対話を通して、子ども自身が考える習慣をつくる

「YOMY!」代表の安田さんにお話をお聞きしました。

今後は、幼児期から「自分で考え、対話し、アウトプットする力」を育てる教育の重要性が、さらに高まっていくと感じています。
グローバル化やAIの進展によって知識そのものはテクノロジーが補える時代になりつつある中で、「自分はどう考えるか」「他者とどう対話するか」といった力の価値は、より大きくなっていくと考えています。

私が高校1年生でオーストラリアに留学したとき、授業中に生徒たちが次々と手を挙げ、自分の意見を堂々と述べ、互いに議論を重ねていく姿に、大きな衝撃を受けました。
「どうしてこんなに自然に意見を言い合えるのだろう」と疑問に思い、調べていく中で、幼児期からの教育環境の違いに気づきました。

実際にアメリカの保育園や幼稚園、図書館を訪れると、絵本の読み聞かせの段階から子どもに問いかけを行い意見を引き出す関わりが日常的に行われていました。

高校生になって突然ディスカッションができるようになるのではなく、その土台は幼児期から積み重なっているのだと実感しました。だからこそ、今後は幼児教育の役割がより大きくなっていくと思います。

「YOMY!」のWEBサイトはこちら≫

コミュニケーション力は育てることができる!

これからの時代に必要不可欠なコミュニケーション力。「コミュニケーション力」と聞くと、もともとの性格や得意不得意で決まるものと思われがちですが、経験を重ねるなかで少しずつ育っていく力でもあります。

対話型読書やプレゼンテーション、ディスカッション、表現活動など、学びの形はさまざま。子どもたちが自分の言葉で人と関わる力を育む場として、コミュニケーション系習い事への関心はこれからも広がっていきそうです。

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取材・文/酒井千佳

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