病院に行く? 行かない?
うがい手洗いに目を光らせていたものの、ついに先日、子どもたちが風邪を引きました。ほっぺを赤くしながら、丸くなって寝ています。
「病院に行ってくるね」と私が言うと、「もう少し様子を見てもいいんじゃない?」とスウェーデン人の夫。 家族の誰かが風邪を引くと、病院に行く・行かないで、夫との間でいつも意見がわかれます。というのも、スウェーデンでは風邪で病院に行くという発想が、そもそもないようなのです。
病院に行くだけで大変
これにはスウェーデンの医療事情が関係しています。風邪で病院にかかりたくても、その日のうちに診察してもらえることは、ほとんどありません。たとえ高熱が出ていても、「ゆっくり休んで、まずは様子を見ましょう。三日以上経っても熱が下がらなかったら連絡してください」と言われるのがお決まりのパターン。たとえインフルエンザやコロナであっても、緊急度が高いと判断されない限り、なかなか診てもらえません。
その理由として、国民が支払う医療費の上限が年間おおよそ2万円までと低いことが理由のひとつにあるようです。

風邪のときに食べる定番は?
風邪のときの違いといえば、食べ物もそのひとつ。スウェーデンで、風邪を引いたときに食べる、定番の食べ物は何だと思いますか?
それは、お粥でも、うどんでもなく、アイスクリーム。熱が出ていても、食欲がないときでも、喉が痛くても、だれでも食べられるというのが理由のようです。家族の誰かが風邪を引いたら、「これがなくちゃね!」と、夫はいつも大量のアイスクリームを買ってきてくれます。

そのほかにも、ビタミンCが豊富なので甘酸っぱいブルーベリースープやローズヒップジュースを飲んだり、野菜のスープを食べたりするという人も。あとは、ハーブティにはちみつをたっぷり入れてよく飲みます。
ちなみにスウェーデン人の夫は、アイスクリームのほかに、いつもパンを食べたがります。ゲホゲホしながらも、パンを頬張る夫を見るたびに、さすが小麦の国の人だなぁと思うのでした。

風邪を引いたら、アイスクリームを食べて寝る
風邪を引いたら、薬局で買った薬を飲んで、アイスクリームを食べて寝る。治るまで無理せず、しっかり休む。これがスウェーデン流、風邪の対処方法のようです。
ちなみに、スウェーデンでは誰かがくしゃみをすると、「Prosit!(プーシィット)」と声をかける習慣があります。お大事に! という気持ちを込めて、相手にかける言葉なんです。夫がよく言うので、子どもたちもすっかり覚えました。
今、風邪を引いている方や、なかなか治らないという方も多いでしょうか。どうかみなさまお大事に! プーシィット!

前回の話はこちら
連載バックナンバーはこちら
プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか

