息子は不登校を選んでからも教科学習を続けています。不登校を選んだ際、子どもが心にダメージを受けているケースでは教科学習といつからどんなふうに向き合っていくか判断が難しいこともあるかと思うのですが、息子の場合は当初から学習を続けたいという本人の強い希望があったので続けることに決めました。
ですが、親子という関係性での教科学習は、正直かなり難しいと感じています。更に息子は発達が凸凹しているので、得意と不得意の差が大きくどう進めていくかや感情コントロールの難しさに対してどう関わっていくか本当に悩みました。2~3か月おきに教材や学習内容、かかわり方などを見直し、色んな方法を試しつつ教科学習を続けること2年。今回は色々試した中から息子に合っていた教材をシェアしてみようと思います。
算数の悩みごと
息子は算数は苦手ではないものの、単元によって得意と不得意の差が非常に大きいようでした。また、書字な苦手な息子はひっ算などで数字を枠の中に揃えて書くことや繰り上がりの小さな数字を書くことが難しく、機能的な面から一般の方法で取り組むことが難しいケースも見られました。それらをカバーする方法を考え、時に教材を自作するなどの試行錯誤をしていた折に出会った教材がRISU算数です。
RISU算数は算数に特化したタブレットの通信教材です。小学1年生から中学3年生までの無学年方式を採用してあり、個人の理解度に合わせて学習を進めることができます。またデータ分析を行い、ひとりひとりに合った学習ができるようなアドバイスを受けられるようになっていました。
RISU算数ってどんな教材?
RISU算数の存在は知っていたものの、低学年の頃はタブレット教材を息子が使いこなせるか不安だったことから敬遠していました。息子が小学3年生になりそろそろ行けそうだと感じたことからとりくんでみたところ、この教材は息子にとても合っていたのです。
まず、RISU算数の画面は単元ごとにチャート式で進んでいく形になっているのですが、どの単元がどの単元に繋がるのか、この先どれくらい学習があるのかの全体像を一目で理解することができるのです。現在小3の息子の場合、小学6年生分までの学習量を確認することができます。これが息子に非常に合っていました。
というのも、息子は小さいころからよくわからないことへの不安が強く、特に見通しのたちにくい、新しいことを嫌う傾向がありました。算数は教科書ベースで進めていると、単元が変わると割り算のひっ算が図形になる、のようにこれまでの学習と異なる内容になることがあります。これが息子にとっては新単元に入ることに苦痛や不安を感じる原因になっていました。
ところがRISU算数のおかげで学習進捗の全体イメージができたことで、先の単元に進むことが楽しみへと変化したのです。内容ではなく、画面の工夫が息子に響いたことは私も想定外でした。今の内容が先々の学習につながっていく様子や、過去の学習が現在にどうつながっているかをいつでも確認できることが息子の安心感につながりました。更に今日の内容を自分の判断で選ぶことができるので、単元が受動的に変わってしまう不快感からの癇癪は全くなくなりました。
RISU算数での学習スタイル
RISU算数では学習は基本的に一人で進めていくスタイルで、教わるよりも自分の力でやりたい気持ちが強い息子には合っていました。一方で学習に躓くと私にメールが届き知らせてもらえます。そのおかげで何か困っていることある?と言う声掛けのタイミングが掴みやすく、学習サポートもやりやすく感じました。また、スムーズに進んでいる時もその旨を伝えてもらえることから、頑張ってるねという声掛けも頻繁に行うことができます。
また、一画面に表示される問題数が少ないことも息子には合っていました。息子は視覚情報を受け取りすぎるので、パッと目に入る範囲にたくさん問題があると、何をしたらいいのかわからなくなる傾向があります。だけどRISU算数では一画面の情報量が少ないことが多いので、息子もこれくらいなら頑張れる!と思えるようでした。
更に苦手な問題を忘れたころに復習として突然配信されるシステムがあり、復習も行うことができます。
「どうしてオレのいやなとこだしてくるんだよ!」と文句を言いながらも、自分の苦手を把握して頑張って解いているようです。相変わらず苦手な単元ではぷりぷり怒っていることもありますが、それでも毎日欠かさず自分で決めた分量を続けている姿には驚かされています。継続できている事自体が息子の自信につながっているようにも感じています。
家庭だけでの教科学習だからこそ
私は息子と家庭学習をするようになり、親が子の学習をサポートする難しさを何度も痛感しました。息子は外部の人に学習をみてもらう事に対して、今は不安が強いので親が頑張るしかないのですが、息子の学習の責任を一人で担っているという重圧に押しつぶされそうになることもありました。だけど今は、息子に合う教材が見つかったことでこの重圧が軽くなり、家庭学習の難しさも随分と減りました。正直、教材一つでこんなにも気持ちが楽になるなんて思ってもみませんでした。
私は教えることはド素人です。学習に関してはもっと息子にとって良い選択肢があるだろうと思っています。一方で、息子のことは長い付き合いなので誰よりもよく知っています。だからこそ、教えることに執着するのではなく「息子の理解しやすい方法を見極めて、それに合う環境や教材を探しだす」という私の得意に力を注ぐことが大切だと思うようになりました。
環境を工夫し整えることで息子は自力で歩きやすくなります。その進む道中で彼なりの学びを深めていくことになるでしょう。息子がもっと学びたいと外へ飛び出していく日まで、我が家なりの家庭学習サポートを続けていけたらと思っています。
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文・イラスト・構成/ウチノコ
構成/HugKum編集部
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