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「勉強嫌い」な子どもが変わる! 88の学習ワザとは
自身の時間の使い方や効率的な勉強法を体系化し、東京・京都・大阪で「勉強のやり方」を教える塾プラスティーを起業した清水先生。その教え子の多くが、難関校に合格しています。

書籍『10歳からの“勉強”こうりゃく!』には、そんな清水先生による、子どもが自ら学ぶ力を身につけるための88の具体的なワザが詰まっています。特に注目すべきは、ゲーム感覚で楽しく学べる工夫が満載であること。勉強が「つまらない義務」から「わくわくする活動」へと変わる可能性を秘めています。
やり方がわかれば、勉強は楽しい! メンタルや四教科の具体的な攻略法も
本書は3つのパートに分かれており、それぞれ子どもにとって大事なテーマを扱っています。
1.やり方、集中力、暗記…“勉強のやり方”をこうりゃく!
2.やる気、緊張、イライラ… “メンタル”をこうりゃく!
3. 算数、国語、理科、社会…“四教科”をこうりゃく!

特に「メンタル」の部分は親として見逃せません。子どものやる気が出ないとき、集中できないときの対処法が具体的に紹介されているのです。例えば「まず水を一口飲むようにすると集中力UP」など、親自身も「参考になる!」と思えます。
簡単にできる勉強のウォーミングアップ法
本書ではシンプルながら効果的なワザが多数紹介されています。例えば「1分間でお題に合う言葉を書きまくる」というワザ。これは実際に先生の塾で自習を始めてもらう前にやっているゲームだそう。
うちの塾では、集団で自習を始めてもらう前に必ずやるゲームがあります。それは、一分間で、お題にあった言葉を紙にひたすら書き出していくゲーム。例えば、スポーツであれば、野球・サッカー・バスケットボール…のように。その後「いくつ書けたか」を数えてみんなで比べます。簡単ですが、盛り上がりますよ。うちの塾ではみんな一分間夢中になって取り組みます。そして、このゲームで盛り上がった後の自習は、みんな集中して、びっくりするくらい教室が静かになります。
脳は簡単なことをしているときほど、やる気が出やすいと言われています。いきなり勉強を始めると、新しいことを考えたり覚えたりしないといけないのでやる気が出にくいのです。ぜひ、友だちや家族と勉強の前にやってみてください。
( P.76-77 やる気 ワザ34「1分間でお題に合う言葉を書きまくる!」より)
これは自宅学習を始める前にも使えそうなテクニック。親子やきょうだい間でやってみたら盛り上がりそうですね。

「できない」から「できる」へ変わる瞬間を作るワザ
また、勉強が苦手な子どもが最も必要としているのは「できた!」という成功体験です。本書では、テスト前のちょっとした工夫も紹介しています。
例えば、テスト前には、簡単な問題と少し難しい問題、どちらを解いておいた方がいいと思いますか?
ある研究で、文章の理解度をテストして、一対一で点数を勝負したところ、一回目の勝負に勝った人は、二回目の勝負でも勝つ確率がかなり高かったのだそう。実験ではランダムに勝負相手を選んだので、格上相手に勝つこともあったはず。
この効果は、心理学では「勝者効果」と呼ばれています。このように、テスト前は、解けるかどうかわからないような難しい問題に取り組むのではなく、あえて少し簡単で必ず解けるであろう問題に取り組み、テストで勝てるイメージを持って臨んでみてはどうでしょうか。
(P.28-27 やり方 ワザ11「テスト前には簡単な問題を」より)
ちょっとしたことで、子どもは勉強を楽しく、もしかしたら得意かも? と思えるようになるもの。この本にはそんなきっかけとなるワザがたくさん載っています。
さらに親子で一緒に取り組めるワザが多い点も特徴。前述の「1分間でお題に合う言葉を書きまくる!」のほかにも、「レシートを使ってクイズ大会」「4コママンガで物語・作文の練習」といった楽しいアイデアは、親子のコミュニケーションにもつながります。

勉強は「やらされるもの」から「自分から取り組むもの」へと変わることが理想です。この本に書かれた88のワザを試すことで、子どもの学習に対する姿勢が変わるかもしれません。少しでも「楽しい」「得意!」と思えるようになるといいですね。
書籍について詳しくはこちら

勉強を「好き」または「得意」にする88個のワザを、《勉強こうりゃく》《メンタルこうりゃく》《算国理社をこうりゃく》の3つにわけて紹介!
例:先生の「つもり」で勉強すると効果アップ/雨の日は記おく力が3倍あがる!?/音楽をきくなら勉強する「前」/心があれたらセルフ実きょう中けい/図形センスがあがる部屋の「間取り図」/4コママンガで物語文&作文の練習 など
文・構成/HugKum編集部