子どもが笑顔で入園式に臨むための声かけ法
親はつい、“入園式だからしっかりした対応ができないと”と心配になり、子どもにこんな声掛けをしてしまいがちです。
「先生にお名前を呼ばれたらしっかり“はい”って大きな声でお返事するのよ。」
「お友達と同じようにきちんと立っているのよ。」
と“しっかり”“きちんと”とすることばかり。しかし、園が求めているのはきっちりするために緊張して強張った顔ではなく、園の雰囲気を楽しみ、先生やお友達と仲よく過ごすことを思い描いて笑顔になった顔なのです。
園やママ・パパの思いを子どもに伝えよう
では、ママやパパたちは子どもが笑顔で入園式に臨むために、何に気を付ければ良いでしょう。それは園やママ・パパの想いを子どもたちに伝えてあげることではないでしょうか。
例えば、園に向かう前には
と伝えて園までの道をわくわくさせてあげたり、実際に園に着いたときには
と歓迎の気持ちがたくさん目に入るように声掛けをしてあげてください。
加えて「ママとパパも、〇〇ちゃんがこの園に入園できてとても嬉しいよ。」と皆が嬉しい気持ちでいると言葉と笑顔で伝えてあげましょう。
ドキドキのお返事シーンの伝え方
入園式ではきっと名前を呼ばれて、返事をすることがあると思います。子どもにとっては緊張する場面ですし、親もドキドキの場面。ここでも「お名前よばれたらしっかり「はい」とお返事しなさい。」と伝えるより
と伝えてみるのはいかがですか?
ただ「ちゃんとしなさい」よりも、気持ちよいお返事をすることにどのような意味があるのか。それをすることで“誰がどんな気持ちになるか”を伝えてあげることが子どもの頑張る源になります。
親は園の注意事項を守りながら楽しもう
入園式を行う目的でお伝えしたように、各園は子どもたちだけでなく保護者の皆様にも楽しく思い出に残る入園式になってもらいたいと思っています。そのために園からは事前に注意事項や、持ち物、当日の撮影に関するお願いが伝えられるでしょう。入園式に参加する全ての保護者の方が楽しめるように、と考えられて作られた連絡や注意事項ばかりです。
・子どもの準備を念入りにしていたら登園時間に遅れてしまった。
→入園式が始められず、時間通りにきた子ども・保護者・園の皆様を待たせてしまう。
・カメラやビデオにその姿を押さえたいと思うあまり“少しくらい”といと思い、禁止されている場所での撮影や時間を過ぎての撮影を行ってしまった。
→自分の子どもはバッチリ撮影できたかもしれないが、式の進行に支障をきたし、次年度から撮影についてさらに厳しい注意事項が設定されることもある。他の保護者の撮影の時間が無くなってしまうことも考えられる。
ルールを守らないことで自分は満足な結果を得られたけど、他の誰かは不便や不満な思いを抱いてしまった、ということは良くないことですよね。
子どもに“自分のことだけを考えるのではなく、周りの人のことも考えられる人になって欲しい”と思うのならまずは親が入園式の連絡や注意事項がなぜあるのかを理解し、守りましょう。自分たちが率先して守り、自律した行動を行う姿は、子どもたちの良い見本にもなります。
式が終わったあとの声かけ
入園式は長くても30分前後です。すごく短い時間ではありますが、きっと入園式の前と後では子どもたちの目の輝きが違うと思います。とても大きなことをやり遂げた、充足感でいっぱいの気持ちを、是非翌日以降も持続してもらいたいですね。頑張った子どもに、声をかけるなら、ポイントは2つあります。
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①YOU(あなた)メッセージだけを贈るのではなくI(わたし)メッセージをプラスして贈る
「頑張ったね」「良かったよ」でもママ・パパの気持ちは伝わるでしょう。でも、子どもはママ・パパの感想も聞きたいのではないでしょうか。私は、子どもに「良かったよ!頑張ったね」と子どもに対する感想だけを伝えた時「ママはどう思った?」「パパも良かった?」と聞かれることがあります。子どもも自分の行動でママやパパが喜んでくれたことが分かると嬉しいのですね。
と伝えたら、翌日から自信を持ってお返事できると思いませんか?
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②具体的に伝える
式の最中は子どもも夢中で参加しています。終わった後、ママやパパから良かったところを詳しく伝えてもらえると“ちゃんと見ていてくれたんだ”“こんなところが自分はいいところなんだ”と分かりますよね。
と、細かいけど子どもが頑張っていたところ、ママやパパだけが褒めてあげられること、ぜひ沢山伝えてあげてください。
入園式だけでなく、翌日からの園生活も楽しい毎日となりますように。
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文・構成/赤名麻由子
赤名 麻由子