【調査概要:調査期間/2025年5月3日~5月25日 調査対象/0歳~12歳のお子さんがいる455人】
目次
年賀状とSNS、新年のあいさつ事情を探る
年賀状は今も根強い定番
まず、はがきの定番である「年賀状」について、電子メールやSNSではなく郵便のはがきを送っているかどうかをアンケートでたずねてみました。
結果は「毎年送っている」と答えた人が208人にのぼり、もっとも多い回答を集めました。

一方で、「以前は送っていたがやめた」という回答も159人おり、年賀状文化が過渡期にあることもわかります。デジタル化が進む中で、郵便によるあいさつを見直す風潮も感じられます。
年賀状に代わる選択肢、ひろがる“デジタルあいさつ文化”
そこで、郵便ではなくSNSやメールなど、デジタルな手段で新年のあいさつをしている人はどのくらいいるのか聞いてみると、「電子メールやSNSで個別にあいさつしている」と答えた人が234人と最多となり、「たまに送る(不定期)」という人も89人いました。

SNSやメールの利点は、手軽さとスピード感。いそがしい毎日のなかで「すぐに伝えたい」という気持ちをかなえるツールとして、多くの人が活用しているようです。
手紙やはがき、みんなどう使ってる?
デジタル全盛でも…郵便で“気持ち”を届ける人は6割
では、年賀状以外で過去1年間に手紙やはがきを送ったことがある人はどのくらいいるのでしょうか。
回答結果をみると、「郵便で手紙やはがきを送ったことがある」と答えた人は60%にのぼり、手紙文化はまだまだ残っていることがわかります。

気持ちを届けるだけではない、手紙が担う意外な役割とは?
では、郵便で手紙やはがきを送っている人たちは、どのような目的で活用をしているのでしょうか。
アンケートの結果、もっとも多かったのは「あいさつやお祝い」、次いで「お礼や感謝の手紙」という回答でした。特別なタイミングでのメッセージや、人と人との関係をつなぐ手段として、今もなお大切にされている様子がうかがえます。

また、「趣味や個人的な楽しみ」と答えた人も102人と多く、手紙が好きだからこそ続けている人が一定数いることもうかがえます。その他の自由回答では、「行政手続き」や「懸賞応募」など実用的な用途も挙がっており、暮らしに根づいた手段としても活用され続けているようです。
手紙を送る頻度は「年に数回」が多数
手紙やはがきを郵便で送る頻度については、「年に数回」と答えた人がもっとも多く、半数以上を占めました。次いで多かったのは「月に1回以上」の約28%で、定期的に手紙を書く人も一定数いることがうかがえます。

思い出に残る“気持ちのこもった手紙”
では、これまでに受け取った手紙やはがきの中で、特に思い出深いものはどのような内容だったのでしょうか。
アンケートでは、印象に残っているエピソードについても聞いてみました。多くの方が、大切な想いや場面を思い出しながら、あたたかな思い出を寄せてくれています。
家族の愛情がつまった手紙
・子どもがひらがなを練習し、初めて手紙を母の日にもらったとき。「ままだいすき」の文字にうれしくて涙が出た。(東京都/女性)
・母から、結婚式のときにもらった手紙。愛情がこもっていました。(埼玉県/女性)
・祖父母からの手紙。健康を気づかってくれ、送る品の内容が書いてあるようなよくある手紙ですが、2人ともいなくなった今、そのやりとりがとても懐かしく温かく感じます。(東京都/女性)
友人や恩師からの励ましや、お祝いの手紙
・私が落ち込んでいたときに、友達からもらった10枚をこえる励ましの手紙。(愛知県/女性)
・恩師からのお祝いのメッセージカード。今でも大切にしています。(愛知県/女性)
・だいぶ会っていない友達が、引っ越しした住所と一緒にクリスマスカードを贈ってくれたこと。(福島県/女性)
気遣いや工夫あふれる手紙
・私が好きそうな柄の絵はがきを見つけたから、と送ってくれて、とても感動しました。(福岡県/女性)
・自筆の絵はがき。(奈良県/男性)
・職場の退職者からの自作の挿絵と詩が書かれたはがき。(鳥取県/男性)
どのエピソードからも、手書きの言葉だからこそ伝わる温もりや、それぞれの想いが感じられます。大切に贈られた手紙は、今も誰かの胸にそっと刻まれているのかもしれません。
やっぱり魅力的! 郵便のやりとりを続けたい人が大多数
実際に郵便を利用している人に、今後も手紙やはがきのやりとりを続けたいかたずねてみたところ、約85%が「続けたい」と回答しました。使い続けている人だからこそ感じる、郵便ならではの魅力があることがうかがえます。

デジタル時代に手紙はどうなる? みんなの声は…
「紙の手紙はなくならない」「直筆には温かみがある」と考える人が多数
では今後、デジタル化が進む中で、はがきや手紙などの紙の郵便手段はどうなっていくのでしょうか。
アンケートでみんなの予想を聞いてみたところ、「頻度は減ってもなくならないと思う」と答えた人が約68%にのぼりました。

また、直筆の手紙や、はがきに対する印象に対しても質問してみると、「温かみを感じる」など好印象を持つ人も多く、紙の郵便をポジティブに考えている人も多いことがわかります。

メールやSNSが普及するなかでも、直筆の手紙が持つ温かさや特別な魅力は、これからも大切に受け継がれていくのかもしれません。
直筆による“温かみ”の理由は? 手書きだからこそ伝わるもの
多くの人が温かみを感じている「手紙」という手段。では、メールやSNSなどほかの連絡手段と比べて、どのような違いがあるのでしょうか?
「はがきや手紙といった郵便は、メール、SNSで連絡を取る場合と比べて何が違うと思いますか」という問いに対して、さまざまな視点からの意見が寄せられました。
・気持ちがより伝わると思います。(福岡県/女性)
・礼儀正しいイメージがある。(新潟県/男性)
・温かみがあり、気持ちが伝わりやすい。形として残る。 (静岡県/女性)
・届くまでに数日かかることで、やりとりに「間」が生まれ、落ち着いた気持ちで読み書きできる点がSNSとは異なります。(神奈川県/男性)
・アナログな温かみと、時間をかけ、心を込めたメッセージを伝えることができる点。(兵庫県/女性)
・手書きで「この人はこういう字を書くんだな~」とわかると楽しかったりします。(岩手県/女性)
手紙やはがきには“手書き”ならではの温度感や丁寧さがあることがわかります。また手元に残るのもうれしいポイントです。スピードや手軽さだけでは届かない、大切な気持ちをそっと運んでくれる手段なのかもしれませんね。
“届けたい想い”にぴったりのメッセージを
SNSやメール、手紙や音声メッセージ――気持ちを伝える手段はどんどん増えています。
便利さを重視することもあれば、思いをじっくり込められる方法を選ぶこともあります。すぐに届く言葉にも、時間をかけて綴る(つづる)言葉にも、それぞれに大切な良さがあるのでしょう。
伝え方の選択肢が増えた今だからこそ、そのときの気持ちにぴったり合った一通を選べるのかもしれませんね。
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構成・文/牧野 未衣菜

