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苦手な社会は1時間でプリント1枚終わらせるのも大変。母は「どう社会を勉強させよう」と考えていた
公立小学校から私立麻布中学校に合格した松丸亮吾さん。中学受験のときのお母様の接し方が「すごくよかった」とおっしゃっています。「保護者の接し方」をテーマに、中学受験を語っていただきました！
以下、HugKumムック「中学受験 親のフォローの正解ってなに？」からの冒頭抜粋です。
勉強に飽きてきたら「ちょっと休憩入れる？」
――松丸さんの小学校時代の勉強の仕方を教えてください。
松丸さん：好きなことには全力投球するけれど、嫌いなことはまったくできない、やろうともしない子どもでした。教科で言えば算数は大好きで、だれにも言われなくてもやるタイプ。理科も好きでした。でも国語はいまひとつ自信がなかったし、社会は大嫌いで勉強する気にもなれない。母は「亮吾にどうやって社会科を勉強させようか」と、いつも考えていました（笑）。
ただ、すごく負けず嫌いです。うちは男4人兄弟で僕が一番下。いつもお兄ちゃんたちには勝てなくて悔しい思
いをしていました。そのへんの性格をよくわかったうえで、受験のフォローをしてくれていたと思います。
――どうやって勉強のモチベーションアップを促していらっしゃったのでしょうか。
松丸さん：算数は放っておいていいと思っていたでしょうね。でも、社会は1時間でプリント1枚を終わらせるのも大変で、イヤイヤやっているのが目に見えている。でも、そんなとき「早くやりなさい！」という言い方はしなかったです。逆に「ちょっと休憩入れる？」と言ってくれて、場をやわらげてくれるというか。
――すばらしい声かけです！
松丸さん：何をすると子どもが傷ついて、何でやる気を出すか、そこを見極めてアクションするのはプロでしたね。常にほめポイントを探してくれたんです。
模試などでバツがたくさんあって丸が1個だったとしても、「ここ、よくできたね！」とできたところをほめてくれます。その上で、「速さの問題がちょっと苦手だね、惜しかったね、この内容、もう一回やっとこうか」のようにうまく気持ちをのせてくれたというか。できなかったから怒られたということはないし、たとえ前回60点で次に20点落ちたとしても、否定されることはありませんでした。内容を見て、「ここは頑張ったね」と適切に評価してくれることが、子どものモチベーションになります。そういう肯定がとても上手でした。
上から目線も絶対にしなかった。横に座り、一緒に考えてくれるタイプです。実際、僕の塾の問題を勉強することもあったし、母も自分の趣味のパッチワークをやりながら「一緒に頑張る生徒」みたいに伴走するのが上手でした。何か言うときも命令ではなくて提案。僕が命令されて「イヤだ」となった瞬間に頑として聞かないとわかっているからです。
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撮影／五十嵐美弥 文／三輪 泉 構成/HugKum編集部
