第一回から読む

この本は、ゼリーにアイス、和菓子やケーキ、焼き菓子のほか、ネギハムもちやオニオンリング、トマトパイなどのしょっぱいおやつなど、約50のレシピが掲載されています。そのどれもが、おいしくて簡単!
すべてのレシピは、レストランやグローサリーショップも営む野村友里さんによるもの。「食べることは生きること」という考えを大切にされていて、レシピの合間には、「食」に対するメッセージも挟まれています。
このレシピでつくるおやつは本当においしくて、まるでお店の味。子どもの自信につながり、おやつづくりが苦手な大人にもぴったりです。

さらにレシピだけではなく、お菓子の材料のもとのすがたを紹介したり、「甘いって何だろう?」と考えさせたり。そのまま自由研究のテーマにも使えそうなアイデアも満載です。
工作や理科の実験のような要素がたくさんあるおやつづくり。さっそく自由研究のアイデアを見ていきましょう。
パンケーキもクッキーもスコーンも、クレープもドーナツも、材料に大きな違いはありません。
粉と卵と牛乳、砂糖とバターの「基本の材料」があればつくれます。
どれも違うおやつなのに、基本の材料の「組み合わせ」でいろいろとつくれることに、子どもは「そうだったんだ!」と、目を輝かせます。

今回は、基本の材料の組み合わせでつくれるおやつを、「粉の変身」と題してまとめていきます。
具体的にみていきましょう。
目次
おやつづくりは想像力!(高学年向け)
おやつづくりは自由でたのしいもの。例えばクッキーは、粉と油分と水分の組み合わせでできています。それを頭に入れておくと、組み合わせは自由自在。最終回の今回は、粉、油分、水分の組み合わせを変えて、自分だけの「マイクッキー」に挑戦しましょう。

粉・油分・水分——おやつの「基本の組み合わせ」
『とびきりおいしい おうちおやつ』には、こんな考え方が紹介されています。
クッキーは「粉」「油分」「水分」の組み合わせでできている。
この3つの素材を変えると、食感も風味もまったく変わります。
| 変える素材 | 選択肢の例 | 変わること |
|---|---|---|
| 粉 | 薄力粉 | ふんわりサクサク |
| 全粒粉 | ザクザクした食感 | |
| 米粉 | しっとりホロホロ | |
| 油分 | バター | コクのある風味(バターの風味) |
| オリーブ油 | さわやかな香り | |
| ピーナッツバター | しっとり香ばしい | |
| 水分 | 牛乳 | ほのかに甘い |
| 豆乳 | すっきり、あっさり | |
| 卵黄のみ | リッチでなめらか |
この表の中から好きなものを選んで組み合わせるだけで、あなただけのクッキーが生まれます。
「粉の変身」:同じ材料から違うおやつが生まれる不思議
粉・油分・水分という基本の組み合わせは、クッキーだけではありません。同じような材料から、まったく違うおやつが生まれることに気づいていますか?
| おやつ | 粉 | 油分 | 水分 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ミルクパンケーキ | 薄力粉 | バター | 牛乳+卵、ヨーグルト | ふんわりやわらか |
| スコーン | 薄力粉 | バター | 牛乳 | ほろほろサクサク |
| もちもちドーナツ | 薄力粉、白玉粉 | なし | 豆腐、ヨーグルト | もちもちしっとり |
| グラハムクッキー | 全粒粉、薄力粉 | バター | 水 | ザクザク香ばしい |
| マフィン | 薄力粉 | なたね油 | 牛乳+卵 | しっとりふんわり |
スコーンには卵が入らない。ドーナツにはバターが入らない。 材料の「あり・なし」を比べるだけで、それぞれの違いが見えてきます。
自由研究のレポートでは、この比較を一覧表にまとめると、とても伝わりやすくなります。
1ミルクパンケーキ

まずはすぐにつくれるパンケーキから。ホットケーキミックスがなくても、粉のおいしさを味わえるパンケーキが簡単につくれます。薄力粉を全粒粉や米粉にしてもおいしいですよ。
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2 スコーン

焼きたてのスコーンのおいしさはたまりません。基本の材料の中でも卵を使わないので、卵アレルギーのあるお子さんにもいいですね。
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3 もちもちドーナツ

このドーナツは卵、牛乳、バターを使用しません。白玉粉を入れるので、もちもちとした食感があり、満足度も高いです。冷めてもおいしく、腹ペコ小学生のおやつにピッタリ。子どもは丸める作業が好きなので、工作感覚でつくれます。
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まとめられるレシピには、ほかにもありますよ。

学校に提出するときは、実際につくって感じたことや工夫したことなどを写真とともにまとめるのがおすすめです。「基本の材料」を表にすると伝わりやすくなりますよ。
「マイクッキー」への挑戦
いよいよ、あなただけのクッキーをつくる時間です。
自由研究として取り組むときは、次のサイクルを意識してみましょう。
① 仮説を立てる
「米粉に変えたら、どんな食感になるだろう?」
↓
② つくる
実際にレシピを変えてつくってみる
↓
③ 食べて確かめる
予想と比べてどうだったか?
↓
④ 記録する
写真を撮り、気づいたことを書く
↓
⑤ 次の仮説を立てる
「じゃあ、油分もオリーブ油に変えたら?」
このサイクルを2〜3回繰り返すだけで、立派な実験レポートになります。
アレンジ素材のアイデア
クッキー生地に混ぜ込む素材を変えると、さらに個性が出ます。
- ナッツ類(くるみ、アーモンド)→ザクザクした食感と香ばしさ
- ごま(白ごま、黒ごま)→風味が豊かになる
- レーズン→甘みと水分が加わる
- オートミール→噛みごたえが増す
- チョコチップ→溶けてとろける食感のアクセント
「どの素材を加えたら、どう変わったか」を記録するだけで、比較実験のレポートになります。
4 グラハムクッキー

全粒粉を使用したこのクッキーは、ザクザクとした食感。小麦粉のクッキーとの違いをぜひ感じてみてください。このグラハムクッキーは、ほかのページで紹介しているレアチーズケーキの底にしいてもおいしくいただけます。生地に穴をあけるのは、ふくらみすぎを避けるためですが、文字をかいたり顔をかいたり、遊びながらつくれますよ。
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和菓子への広がり:あんこと応用レシピ
「発明」は洋菓子だけではありません。日本の伝統的なおやつ——和菓子にも、シンプルな材料の組み合わせが隠れています。
あんこの正体
あんこの材料は、たったの3つ。
あずき・砂糖・塩
これだけです。シンプルすぎておどろきますよね。でも、この3つの組み合わせと火加減の調整で、あの深い甘さとなめらかな食感が生まれます。
あんこづくりで大切なポイントは「砂糖を入れる前に、あずきをしっかりやわらかくすること」。砂糖を早く入れすぎると、あずきがかたいままになってしまいます。これも失敗から学べる大切な知識です。
1つのあんこから生まれる3つのおやつ
あんこをつくれば、そこからさまざまなおやつに広がります。
| おやつ | あんこ以外に必要なもの |
|---|---|
| どらやき | ホットケーキ生地(薄力粉・卵・砂糖・塩・ベーキングパウダー・牛乳・油・はちみつ・みりん・しょうゆ) |
| あずき氷 | 氷・片栗粉・砂糖 |
| おはぎ | もち米・白米 |
1つのあんこから、3つのまったく違うおやつが生まれる。 この広がりを自由研究のテーマにすることもできます。
和菓子の代名詞、あんこを手づくりするのはちょっと面倒なイメージがありますが、実はほとんど放っておくだけでよくて、想像以上に簡単です。
夏は甘さ控えめにし、塩を少し振りかけていただいたり、砂糖を好みで加減して、「マイあんこ」をつくってみましょう。
この本では、たくさんできたあんこを、あずき氷やどらやき、おはぎやおしるこなど、応用できるレシピを紹介しています。
今回は、「手づくりの和菓子」と題して、あんことその応用レシピに挑戦します。
具体的にみていきましょう。
1あんこ
1回目は失敗して、かたいあんこになってしまいました。あんこは、一度砂糖を入れてしまうと、それ以上やわらかくはならないようです。

「はじめに知っておくこと」に書いてありました。本には蒸らし時間など、目安が書いてあるので、そこもよく見てつくればよかったと反省…。

1回目は失敗。見るからにかたそうです。「指先でつぶれるくらいのかたさになったら火を止めて蒸らします」と書いてありますが、まだかたさが残る中、砂糖を入れてしまいました。

2回目。しっかりやわらかくなってからお砂糖を入れたので、ふっくら、なんともおいしくできました!
失敗したときに、親子で原因を考えるのも学びになりました。この後も何回かつくりましたが、ポイントがわかったので、失敗することはありませんでした。
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2 どらやき
たくさんできたあんこで、いろいろつくっていきます。「ミルクパンケーキ」のつくり方を応用して、どらやきの皮もつくれました! 手づくりのどらやきは、出来立てが最高においしい!! 食いしん坊の子どもは、厚い皮がよかったそうで、食べごたえのあるどらやきをつくっていました。

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3 あずき氷とおはぎ

真夏にピッタリのあずき氷も簡単につくれました。あんこに片栗粉を入れてつくります。製氷器でつくるのもいいアイデアでした。ヘルシーで大人にもうれしいおやつです。
お盆の時期に、家族でおはぎをつくるのもいいですね。こちらも炊飯器で手軽につくれるので、きなこやごまをまぶして手土産にしてもいいかもしれません。
この本では、白玉だんごやみたらしのつくり方も紹介されているので、あんこと組み合わせてアレンジしてみるのもいいですね。
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連載全体の締めくくり:「もとのすがた」を知ることの豊かさ
『とびきりおいしい おうちおやつ』には、おやつの材料の「もとのすがた」を紹介するページがあります。
- 薄力粉→小麦から
- 米粉→お米から
- 片栗粉→じゃがいも(かたくり)から
- 白玉粉→もち米から
- きなこ→大豆から
- 本わらび粉→わらびの根から
これらはすべて、日本で古くから親しまれてきた植物からつくられています。スーパーで袋に入って売られている粉が、どんな植物からきているかを知ること——それだけで、おやつをつくることが少し違って見えてきませんか?
著者の野村友里さんはこう言います。
人はみんな、「食べたもの」でできています。
おやつをつくることは、材料と向き合うことです。材料と向き合うことは、食と向き合うことです。そして食と向き合うことは、生きることそのものにつながっています。
今年の夏、キッチンはあなたの実験室になりました。
つくって、失敗して、考えて、また試して——その記録が、あなただけの自由研究になりました。来年の夏は、もっと深い問いを立てられるはずです。
キッチンに立つたびに、あなたは少しずつ、発明家になっていきます。
自由研究レポートのまとめ方(最終回特別版)
3回の連載を通じて試したおやつを、最後にまとめてみましょう。理科の実験レポートの形式を使うと、ぐっと伝わりやすくなります。
レポートの構成
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| テーマ | 「おやつをつくって、材料の変化を調べた」など |
| 仮説 | 「〇〇を変えたら、〇〇になると思う」 |
| 方法 | 使った材料・つくり方・変えた条件 |
| 結果 | 写真+気づいたこと(失敗の写真も必ず入れる) |
| 考察 | なぜそうなったか、自分の言葉で考えたこと |
| 次の疑問 | 「次は〇〇を試してみたい」 |
大切なこと
失敗の記録こそが「考えた証拠」になります。 きれいに完成した写真だけを並べるより、失敗した写真と「なぜ失敗したか」の考察があるレポートのほうが、ずっと力強く伝わります。
そして最後に、「次につくってみたいおやつ」を書いてみてください。
学びは夏休みで終わりません。「次の疑問」を書くことで、あなたの探究は続いていきます。おやつをつくるたびに、あなたの「なぜ?」はどんどん深くなっていくはずです。
『とびきりおいしい おうちおやつ』野村友里・著(小学生からのたのしい料理)
自由研究はコンクールに応募しよう
子どもも大人も、笑顔にする手作りおやつのレシピがたくさん!
子どももつくれるお店の味。この一冊あれば、本当にいろいろつくれます。 パンケーキにパイやチーズケーキ、ゼリー、にんじんケーキなどの定番から、たっぷりあんこ、わらびもち、あずきアイスなどの和菓子、そして少しのしょっぱいおやつまで。
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2024年、料理レシピ本大賞「こどもの本賞」を受賞し15万部の人気作となった『とびきりおいしいおうちごはん』の第二弾、三宅瑠人のイラストによる、絵本仕立ての一冊です。
文/HugKum編集部