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国語の読解問題ができれば「中学受験」の大きなアドバンテージ!
――中学受験での国語の読解問題はできるようでできなくて、わかるようでわからない、というお子さんは多いと思います。教えてもらってもストンと落ちず、「それなら算数や理科、社会に時間を割いたほうがいい」と思いがちですよね。
金子先生 そうですね。でも、国語はセンスで解くのではなくて、論理で解いていきます。そのやりかたがわかれば、自信が持て、成績も上がります。読解文の対策には、ほかのお子さんがなかなか取り組まない場合が多いので、点数アップをしてみんなから頭ひとつ出るチャンス。3科や4科合計点で合格を出す中学の受験をするなら、とても有利になります。
――国語の読解の問題は、中学受験で言うと、たいてい説明文と物語文の両方が出ることが多いです。それぞれに解き方の論理があるのでしょうか。
金子先生 はい、それぞれの解き方があり、国語を親がフォローするなら、よりよい声のかけ方があります。
【説明文】の場合は、「主張」をとらえるためにその「具体例」を探す
金子先生 まず、説明文です。説明文であれば、筆者は訴えたいことがあって書いているのですから、その主張を読み取ることが目的です。主張を読み取らせるにはどうしたらいいのか。
説明文では、主張の前後に、たいていその主張の具体例を挙げてきます。具体例を通して私たちに言いたいことをわかりやすく伝えてくれるんですね。この構造を親御さんが理解してから、説明文がどんな話題だったかと聞くんです。何について主張しているのかわからなかったら、問題は解けませんからね。
ただ、いきなり主張から読み取ろうとしても、まとめとしての主張は抽象的ですから理解しにくく、お子さんは答えられなかったりします。そこで、「具体例を通して言いたいことは何か」と一緒に考えていきます。
「この文は何について言っているのかな?」と、まずおおまかなところを聞きます。お子さんが「こんなことかな?」と言ったら、「たとえばって具体例はあるかな?それ、どこにあるか見つかっている?」と。「これ」と具体例を見つけたら、「この具体例でこの主張を伝えているんだね」とそれぞれ、具体例と主張に線を引いて確認します。こうすることで、お子さんの頭の中に、説明文は抽象と具体の組み合わせでできている、という構造が見えてきます。
そして、そういう視点でさまざまな説明文を読んでいくと、文章の中から、本筋である抽象的な主張と具体がそれぞれどれなのか、だんだんさっと見つけられるようになります。


――ただ読み通すのではなくて、主張の抽象と具体を見つけていくように読んでいくのですね!
【物語文】では場面、場面で「誰に何が起こっているのか」を把握する
――では、物語文の場合は……。
金子先生 物語文では、登場人物の心情を理解することが重要です。でも、その心情は「悲しかった」「うれしかった」などストレートに書かれていることはあまりありません。行動や情景描写などからも読み取らないと理解できないのです。
しかし、問題文をなんとなく読んでしまうと、全部を団子のようにひとつのまとまりとしてストーリーを覚えるような感じで、自分が印象的だと思うところだけが印象に残っている、となりがちです。
でも、物語文は場面の積み重ねでできているのです。場面、場面で何が起こっているのか、しっかり把握しないと、登場人物の心情理解などができません。大きく場面が変わるところで区切り、それぞれの場面で誰が出てくるのか、何が起こっているのかを見ていきます。何も起きない物語なんてないわけですからね、まず起こったことは何かを意識していきます。
「この物語で場面が変わるのはどこ?区切りのあるところにTの印をつけていこう」「その場面で起こっていることは何?」と。そして、「それはどんな状況?出来事があれば、心情を持つものだよ、そこに出てくる〇〇っていう人はどんな心情を持っている?
小説などの文章では、『うれしい』『悲しい』とズバリ書いてあることはあまりないからね、この区切りの文章の中で、〇〇さんが自分の感情を表しているのはどこだろう」
このように、情報整理の方法を示唆して、場面ごとに心情をとらえる声かけをすると、物語文を客観的に読めるようになります。

金子先生 小説はとくに、主観で読みがちです。「かわいそう」などと感情移入したり、主人公の行動を批判したりしないで、構造を理解するには、感想を聞かないのも基本です。「誰が出てきたのかな?」「何が起きた?」「登場人物はそのときどんな行動や発言をしている?」 主観的な読み方をやめて構造理解ができるように声かけしましょう。
――読解問題の文章を読むときには感想を聞いてはいけない、場面を区切って構造を理解する、具体的な例から主張を見いだすのだということを、まずは声かけをする親が理解しないといけないのですね!説明文も物語文も、読み方にコツがあり、難しい。でも、一度理解できれば、どんどん読めるような気がしますね。
金子先生 そうなんです。読解技術を一度身につければ、文章が変わっても活用して正しく解答できるようになります。この読解技術は、大学受験でも通用します。そう考えますと、中学受験の国語って難しいのです。その構造理解を頑張ってやっている子どもたちを応援してあげたいですね。
読むのが遅ければ入試の読解問題を「スピードを上げて音読」
――ただ、構造理解よりも前の段階で、読むのが遅い子もいます。中学受験では50分ほどの時間の中で、漢字や語句説明の問題のほかに、説明文と物語文の両方が出てきて解答するのですよね。問題文が読み切れない、という子も多いと思います。
金子先生 中学入試では、物語文が6,000字、説明文が4,000字、合計で1万字くらいを読んで解答するのがふつうです。読むのが遅いと構造理解ができるようになっても、成績がのびにくくなってしまいます。
おすすめしたいのは『中学入学試験問題集 国語編』(銀本・みくに出版)を1題ずつ読む、ということです。首都圏の国・私立中学校の2026年度入試問題をまとめた問題集で、「男子校・共学校」「女子校・共学校」があります。実際に入試で扱った問題ですし、志望校だけでなく、ほかの学校の問題にも触れられます。
読むときには、できる限りのスピードで読みます。しかも文章構造の発見をしながら読むのです。とはいえ、つっかえつっかえでは読むのに必死で、文章構造を理解するなど両立しません。
まずは読み通す力をつけてください。まず少し音読をさせてみて、たどたどしいと思ったら最後まで音読する、という練習をして読み通す力をつけてから、ですね。だんだん速く読めるようになります。この『銀本』を読むのは5年生くらいでいいと思います。
中学入試の国語は日常生活で使わない抽象語彙、未知の語彙にも出合います。あまりにも抽象的な言葉は、お子さんが辞書でひいても理解できない場合があります。でも、例文とともに教えてあげると、既知と未知が結びつきます。友だちとかご近所の方とかを例にしてわかりやすく説明してあげてください。ここは親御さんの手助けが必要です。

解き方にも「コツ」がある。子どもに声をかけながらコツを覚えさせて
――読解ができるようになってきたとしても、「主人公の心情を表す内容を4つの中から選びなさい」という設問で、また迷ってしまいますよね。選択問題なのに、解きにくい……。
金子先生 解き方も教えていきましょう。
説明文では、主張が具体と抽象で書かれているので傍線を引きます。が、その傍線のどこを解答にすればいいのかわからない。そこで、「線を引いたところのどこを見るんだっけ?具体のど真ん中にはないよね。抽象のまとめのところを見るんだよね」と。探す範囲を狭くしてあげます。
物語文だと、「主人公はどんな心情か、次の中から選びなさい」というような選択問題が出ます。そのときは、「出来事が起きていなければ心情も書かれてないよね。まずは直前
選択するときも、「そうやって考えると、4つのうちのこの2つはまず違うよね。残りの2つのうちのどっちだろう。その2つの文の違うところを見て、そこに注目して判断しよう」と。考える道筋を声かけで寄り添います。
保護者は「難しいよね」と共感、そして励ます
――国語の読解は、理解できてしまえばスッとわかるのですが、その前のプロセスが苦しいかもしれません。くじけないようにするには、どんな声かけをするといいですか?
金子先生 「文章題、難しいもんねー」って共感することが大事ですね。中学受験の国語の読解の文章は、そもそも小学が日常的に読む文章よりずっと難しいわけです。「難しいもんね」って言うと、涙ぐむ子もいるくらいです。「この人、わかってくれている」と。いちばん近くにいる保護者こそ、それを口に出してあげてください。
でも、それであきらめるのではなく、「難しいからこそ、読み方と解き方が必要になってくるんだよ、それを勉強していくと難しい文章もできるようになるんだよ。この勉強でちゃんと理解できるようになったら、大学受験のときだって役に立つんだよ、すごいよね」って。次の一歩をしるしてあげて、プレッシャーをかけすぎずに応援してあげてください。
――中学受験の読解問題は、難しい。だからこそ、大人が共感しながら寄り添って一緒に考えて、「そうか!そういうことだね!」などと一緒に発見し、喜ぶことが、子どもにとっての励ましになるでしょう。自学でできるようになるまで、大人が見守ってあげるといいですね。
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お話を聞いたのは
(株)アートオブエデュケーション国語カウンセラープロ家庭教師。元大手進学塾にて国語を担当。子どもに響く「声かけ」メソッドは、多くの親子に好評を得ている。著書に「中学受験 金子式『声かけ』メソッド最速の国語読解力」(大和書房)「となりにカテキョ つきっきり国語」シリーズ(実務教育出版)
「きょうこ先生の中学受験情報局」をフォローすると、金子香代子先生の国語の読解文対策のオンラインセミナーの情報が届きます。
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この記事を書いたのは
インタビューを中心に教育、子育て、医療、介護、食などのテーマで WEB・雑誌・書籍などの記事を執筆。お話を伺う方にたくさんの学びをいただいています。社会福祉士、法定成年後見人、中学校・高等学校教諭一種免許状、生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)