こんにちは!ロンドンでふたりの息子の子育てをしているYukoです。このコラムではイギリスの教育や子育てをしながら、日本との違いを感じる部分をレポートしていきますね。
今回は、まもなく訪れるクリスマスについてレポートします!
クリスマスは1年中でいちばん大切な日
家族や親戚が集うイギリスのクリスマス
シャンシャンシャンと、鈴の音がもうすぐそこまで聞こえて来ています。イギリスでは12月を待たずして、ハロウィンが終わる頃にはクリスマスの話題が登場します。そのくらいクリスマスは一年中で一番大切な、みんなが心待ちにしている日なのです。スタイルは家族それぞれですが、日本のお正月のように、家族や親戚がクリスマスディナーを囲んで一緒に過ごすのが一般的です。ただ、おじいちゃんおばあちゃんも父方と母方がありますし、離婚も再婚も多いこの国、さらに家族が外国にいるというケースも多々あるので、12月の24、25、26日は誰と何処で過ごすのか、家族大移動計画が必要になります。なんならそこで、行く行かないの揉め事が起きるのもこの頃の風物詩。そして、そのネタをシニカルな笑いに変えるのも、またイギリス流です。
プレゼントの購入計画は早めが鉄則
クリスマス当日には、たくさんのプレゼントがサンタクロースから届き、更に家族や親戚からも贈られるので、まさに両手に抱えきれないほどのプレゼントを受け取ることに。子供にとっては、それこそ夢のような一日。サンタクロースからは無理ですが、大人も、友達同士や学校の先生、お世話になった方々にプレゼントを贈る習慣があるので、12月に家計がパンクしないためにも、計画的にショッピングをするのが、賢いやり方なのです。9月からショッピングが始める人も多い中、私は毎年この教訓を忘れて、12月に慌てふためきます。
アドベントカレンダーは12月の毎日のお楽しみ
ただ、そんな私でも12月前に準備するものがあります。 それはアドベントカレンダーです。12月1日からクリスマスの25日まで、毎日ひとつずつ開けるたびにクリスマスが近づき、気持ちがどんどん盛り上がっていくという、ときめきカレンダーです。
スーパーやデパートで売っているものは、チョコレートが入ったものや、おもちゃが入ったものがポピュラーですが、中には大人用にアクセサリーが入っているもの、日替わりクラフトビアが一本ずつなんていう変わり種もあるようです。
我が家では、毎年手作りの折り紙アドベントカレンダーが、廊下に出現します。中には、キャラクターレゴや、組み立て式の恐竜のおもちゃを入れていたこともありますが、最近はクイズを書いた紙を入れておき、正解したらラッキーディップボックスからひとつプレゼントがもらえるという、2度楽しめる方式が定着しています。 子供たちはそれが待ちきれなくて、寒い日の朝もぱっちりと目を覚まし、カレンダー前に直行します。
ツリーは本物の木を家族で選びます
12月に入ると、いよいよ主役のクリスマスツリーが売り出されます。日本人が桜を見ると心躍るように、イギリス人はツリーを見ると心が弾み始めます。本物のツリーを買うのがこちらでは一般的で、大きさや形がまちまちなツリーを、家族で相談しながら一本選ぶというのもなかなか良い時間です。
部屋中にもみの木の香りが漂い、バタバタと心急く師走の日々を癒してくれます。飾り付けをしたツリーの下には、プレゼントを並べて置いておきますが、25日まで開けてはいけないので、子供達はその周りをなんども行ったり来たり… 気持ちはよーくわかります。
ミンスパイは冬のイギリスの風物詩
ツリーに始まり、ドライオレンジを飾り、ミンスパイを焼き、モルドワインを片手に暖炉を囲んで寒い夜を暖かく過ごす。というのがイギリス流です。ドライオレンジは、良い香りなだけではなく、防虫効果もあるので一石二鳥ですね。
イギリス人の心の恋人、ミンスパイ
そしてイギリス人の心の恋人ミンスパイ。これは、りんご、レーズン、レモンなどの柑橘類に、香辛料を加えて煮て作るミンスミートを詰めた小さなパイのことで、イギリスの冬にはなくてはならないスイーツです。大人も子供も大好きなので、お客さん用にもたくさん作り置きを用意して、その都度温めて食べます。市販のものは、アルコールが入っているものもあるのでご注意を。
パイのお供には、ミルクティーかモルドワイン。赤ワインにオレンジなどの柑橘類、ミックススパイス、蜂蜜や砂糖を加えて温めて飲むのがモルドワインです。日本の甘酒のように、冬の屋台の定番メニューで、底冷えのするロンドンの冬にかじかんだ体を、芯から温めてくれます。ミンスパイ同様、家庭やお店によって味が違うので、食べ比べをしてみるのも楽しいです。
イギリスの食べ物は美味しくないと、未だにそんな都市伝説が流れていますが、冬のイギリスに旅行に来られる方は是非、ミンスパイとモルドワインでその噂を吹き飛ばしていただければと思います。
ひとつひとつ丁寧に進められるアットホームなイギリスの12月。伝統が息づく素敵な時間を子供達にも伝えていきたいと思っています。
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氏家祐子