小一から特別支援学校も不登校に。プライドが高く親の言うことを聞かない小4の娘とどう関わったらいい?【発達障害の子育てサポート】

発達障害の子の中には、我慢が難しい、約束やルールが守れない等お子さんの行動に頭を悩ませている親御さんは多いと思います。療育を目的とした「放課後デイサービスLuce」を運営し、発達障害児のサポートに関わる藤原美保さんに、具体的な支援について伺いました。

特別支援学校に通学するも1年生から不登校。わたしの言うことに耳を貸さない小4の娘。どう関われば?

ASDの娘は特別支援学校に在籍するも、1年生の時から不登校となり、現在小学校4年生。プライドが高くて、理解ができず困っている時でも、教えようとすると「わかってる!」「○○って言わないで!」と拒否します。しかし、こちらが助け舟をださないなら出さないで「もう!!!」と怒って人形などに当たります。睡眠も不安定で、夜泣きもひどく、日中もお昼寝が必要な状態です。イライラすると時々他人にも手が出てしまいます。私の関わり方に問題があるのでしょうか?

 

本人は「わからない時は大人の方を見ればいい」と思って行動しています。敢えて、手伝いが必要な場面を作り、適切な欲求が出せる練習を積み重ねましょう

幼稚園から不登校気味だった子です。

感情の表出も「悲しい」「楽しい」「怒り」の表現しか理解できておらず、神経伝達に不具合があるように見える吃音もあります。言葉の表出もその影響から会話も難しい子です。保護者はお子さんがイライラしないように先回りして行動しているようです。まだ自分の事を客観視できていませんが、自分のことを認めてほしいという承認欲求は芽が出始めています。

観察していると、わからない時や手伝ってほしい時は言葉でいうのではなく大人の方を見ます。すると大人は察する事ができるので手を出してくれます。つまり、この段階では彼女は自分から「手伝って」「教えて」と言う事を必要としていないのです。

ですからお母さんが「解らない時は教えてって言うんだよ」と言っても伝わりません。わからない時は大人の方を見ればよいと思っているからです。これが誤学習です。

敢えて手伝いが必要な場面を作って、練習を重ねる

保護者から相談を受け、このケースはLuceでのレッスンの中で対応することにしました。お子さんの認知特性や学習スタイルを考慮し、敢えて手伝いが必要な場面を作ります。

今回は少人数のクラスで彼女が半分ぐらい覚え始めたアルファベットのカードを並べる遊びを用意したのです。始める前、レッスンスケジュールを見せる時に「途中で迷ったり、順番を忘れたら手伝ってって言ってくれたら先生お手伝いできるからね」と全員に話しておきます。

カードを並べ始めますが、彼女は途中で順番が解らなくなりました。そして周囲の子どもたちが進める中で自分だけがモタモタして、周囲の子と同じようにできない事は解るので、不安になった彼女はそわそわしはじめ大人の方を見始めました。

しかし、敢えて目線をそらします。眼が合うとこちら側が知っているのに手伝ってくれないのだと思い、意地を張りだすからです。じ~っと見てもあくまでも知らないふりをします。困っている事をこちらは気付かないフリを続けます。

彼女の利き手側ではない斜め後ろ小さな声が届くくらいの位置で、反応を待ちます。近くにいるけど他方を向いている。こちらからは一切声をかけない。ひたすら他方を向いて待ち、彼女から声をかけさせます。

「手伝って」と言えた事をほめることで、本人の承認欲求も満たします

「先生…」と言えたらあと一歩です。

「なに?先生に何かしてほしい?」と聞くと「手伝ってほしい」言えました。彼女から適切な要求が出す事ができました。こちらも小さな声で、でも、うれしそうに「手伝ってって言えたね、言ってくれたから先生解ったよ」と伝え「手伝って」と言えた事にフォーカスします。

本人もカードを並べる事ができた上に、認められ満足しました。この適切な要求の出し方を増やしていくことで「手伝って」「教えて」と言える場面が増え、手を出すことを減らしていきます。

 

 

教えていただいたのは

藤原美保さん

健康運動指導士、介護福祉士、保育士。株式会社スプレンドーレ代表。

発達障害の子ども達への運動指導担当をきっかけに感覚統合やコーディネーショントレーニングを学び、「放課後等デイサービスLuce」の運営に至る。Luceでは発達障害の女の子のサポートを行っており、性教育に力を入れている。著書に『発達障害の女の子のお母さんが、早めにしっておきたい47のルール』(エッセンシャル出版)、『発達障害の女の子の「自立」のために親としてできること』(PHP研究所)がある。

2020年5月より、YouTubeで「子どもの対応おたすけチャンネルMamma mia」を主宰。

イラスト/本田 亮

 

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