子どもに「サンタはいるの?」って聞かれたら、どう答えるべき?

Q:子どもに、サンタはいるって教えていいの?

めばえっ子の前で、お兄ちゃんが「サンタなんていないよ!」と。子どもの夢を壊したくない親は慌てて「いるよ!」。でもそれじゃ、お兄ちゃんがウソつきになっちゃう?

 

●内緒や秘密がいい

めばえ世代のお兄ちゃん・お姉ちゃんが「サンタなんていないよ」と言うのは、物事を理解する力とか、科学的なものの見方ができるようになってきた証拠です。大人への階段を一段昇ったのです。親は、「成長したなあ」と喜んでください。

でも、子どもはいつまでも純粋で、夢を追う子でいてほしい、と願うのも親の心です。成長を感じるのはうれしいものの、寂しさもあるから、お兄ちゃんは「サンタはいない」とわかってほしいけれど、下の子は、まだまだ夢を持っていてほしいと願う。それは、例えば子どもを膝に抱っこした時、かわいいと思う反面、重たいからいい加減にして、と思うのと同じ心理です。このような相反する気持ちを抱くのが、子育てなんです。

お兄ちゃんにはこっそり、「サンタは、小さい子の頭の中にいるんだよ。○○は大きくなったから、サンタ、消えちゃったけど、××は小さいんだから、ナイショにしておこうね」などと言うといいでしょう。「○○はホントのことがわかるようになったんだね」と認めたうえで、「ナイショ」とか「ヒミツ」と言えば、ユーモアのある親子関係になりますよ。

 

●サンタはよい子にしてくれる

日本では昔から、子どもをしつける時に「悪い子は鬼にさらわれるよ」とか「ウソをつくと、えんま様に舌を抜かれるよ」などと言ってきました。つまり日本の場合、悪いことをしたら、人ではない恐ろしいものにお仕置きされるよ、と脅かしたり、怖がらせたりすることで、ブレーキをかけさせようとする傾向が強いのです。

そんななかで、サンタクロースは貴重です。「よい子にしていたら、プレゼントを持って、来てくれる」存在なのですから。子どもは子どもなりによい子でいようと、目標をつくって頑張ったり、クリスマスまで我慢しようと思ったり。こんなふうに、自分で自分を律する力を、おおらかに育ててくれることこそ、サンタの何よりのプレゼントかもしれません。

「よい子でいるから、サンタさん来てね」と願う一生懸命な気持ちがいいんです。クリスマスが、こどもの日以上に、子どもでよかったと思える日になる、そういう子育てっていいなと思います。

 

●家族みんなで楽しんで!

子どもは「うちには煙突がないけど、入れるかなあ?」などと、サンタにまつわるいろいろな疑問を抱くようになります。つじつまの合う答えは必要ありません。大人が「そうだね、困るねえ」などと言うと、子どもが自分で考えて、「換気扇から入ってくるんだよ」「窓からヒューって入ってくるよ」などと思い思いの答えを言うのを、面白がりましょう。

また「煙突……」などの疑問は、そのままの意味というよりも、「うちには来てくれるかな」という不安な気持ちを表しているように思えます。「大丈夫、サンタは、よい子のところには必ず来てくれるよ」と答えて、安心させましょう。

私は「サンタの正体がわかったら、次の年から来ないよ」と、子どもによく言っていました。子どもは自然にサンタの正体を知ったけれど、その後もちゃっかり「図鑑のセットが欲しいんだけど、サンタに頼めるかなあ」なんて! その家その家の、家族で楽しめる“サンタ”がいて、いいのではないでしょうか。

 

《ママ・パパへひと言》

子どもが欲しい贈り物は、値段とは関係ありません。クレヨンをもらった子が「サンタさんは、僕が絵が上手なこと知ってるんだね」と大喜び。自分のよさをわかってくれていると、うれしかったのです。“体験”のプレゼントも楽しい。ケーキづくりとか、水族館やサッカーの試合などの“チケット引換券”(「代金は支払い済み」の演出で)を贈るのもアイデアです。

 

子育て担当

平山許江 先生 ひらやま もとえ

保育楽者
東京学芸大大学院への入学などをはさみ、幼稚園に20年勤務。大学教授を歴任し、現在、青木教育研究所所員。日々、保育の楽しさを探究中。著書に『子育てはどたばたがよろしい』(世界文化社)

 

イラスト/松木祐子

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