元ちとせも登場!東京での毎日に息苦しさを感じた妻は『夫とちょっと離れて島暮らし』でどうなった?

加計呂麻島を舞台にしたドキュメンタリー映画『夫とちょっと離れて島暮らし』の舞台挨拶が12月27日に開催され、ちゃずさん、國武監督、「ワダツミの木」などで知られる奄美出身、在住のシンガー元ちとせさんが島の魅力をたっぷり語ってくれました。

12月27日開催『夫とちょっと離れて島暮らし』舞台挨拶

舞台挨拶が開催

人気イラストレーター・ちゃずが、奄美群島の加計呂麻島で、夫と離れて期間限定の島暮らしをする様子を、女優の國武綾が追ったドキュメンタリー映画『夫とちょっと離れて島暮らし』(12月25日より公開中)。12月27日にちゃず、國武監督、「ワダツミの木」などで知られる奄美出身、在住のシンガー元ちとせを迎えた舞台挨拶が、新宿K’s cinemaで開催されました。

舞台挨拶では冒頭で、現在は埼玉に戻ってきたちゃずさんが、先月出産をしてママになったことと、國武監督が夫で映像作家の中川究矢さんと共に奄美大島に移住したという報告がなされ、元さんも驚いていました。元さんは12年前に奄美大島に戻り、今は島と東京を行き来しているそうです。

そんな3人は、映画の撮影裏話をはじめ、加計呂麻島での暮らしの魅力についてたっぷりと語ってくれました。

歌が日常であふれている加計呂麻島

ちゃずさん

『夫とちょっと離れて島暮らし』を観た感想を尋ねられた元さんは「映画を観ているというよりも、自分が知ってる景色すぎて、自分の思い出も含めて出てくる感じでした」と嬉しそうでした。また、奄美大島に行ったことがあるという観客が多かったことについて「私がデビューした当時は、奄美大島ってどこ?と言われていましたが、今はこんなに広がっているんですね。知り合いがどこかで通りがかったりしてないかなと思いながら映画を観ました」と前のめりで楽しんだ様子。

ちゃずさんは「私が島に住んでいた時、元さんのことを“ちとせ姉”と、まるでご近所さんのように呼んでいる方々がいっぱいいたのでびっくりしました」と言うと、元さんは「島の人たちとは昔から家族のように育ってきたので、特別扱いはしないです。だから買い物に行ったら、つかまっちゃいます。みなさん気さくだから、人の明るさが島を元気にしているのかなと思います」とうなずきました。

元ちとせさん

國武監督は「東京からいきなり加計呂麻島の集落に行っただけでも『なんだこの場所は』とドキドキするのに、さらに目の前でちゃずさんが会う人会う人に挨拶をしているのを見て驚きました!そのコミュニケーション能力の高さは集落だったから培われていたのかなと」と感心しきりでした。

ちゃずさんは「実家の匂いがするんです。住みたいと思ったのがあそこの集落でした。歌の文化があるんです。私はずっと東京で育ってきたので、最初は恥ずかしかったけど、住んでみたらそれが普通になっていました。きっとちとせさんも小さい頃からそうだったのかなと」と元さんに尋ねます。

國武綾監督

元さんが「踊らない人がいるのを見ると、ああ、島の人じゃないんだなと判断がつきます」と言うと、島で暮らしている國武監督も「わかります!日常で、身近に音楽があるんだなと思いました」と共感します。

元さんは「他愛もないことが歌になったのが島唄で、本当に日常です。特別なものではなかったけど、島の人々が自分たちの文化に誇りをもってほしいと思ったので、私は歌の旅をしています」と自身のライフワークとしての歌についても語ってくれました。

都会の人から観た加計呂麻島の魅力が映し出された本作

©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会

元さんは、島から上京した当時の戸惑いについて「一番は電車です。どうやってなりたっているのかがわからなかったです」と告白。「切符の買い方についても。私は中学生の時から旅はしていたので、都会の風景は知っていたけど、いざ暮らしてみると、たどり着きたいところに簡単にたどり着けなくて戸惑いました。島ではバス停じゃなくても、手を挙げたらバスが止まってくれるので」

©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会

國武監督も「島だと、今日はここで降ります、と言えば止まってくれますからね」と言うと、ちゃずさんも「私も先日、うっかり押しボタンを押し忘れてしまい、ちょっとバス停を過ぎていたのに『ここで降りていいですか?』と言ったら、ちって言われました」と苦笑い。

また、元さんは「私は奄美で育ちましたが、映画を観て教えてもらうことのほうが多かったです。ああ、(都会の人には)そういうふうに島が映っているのかと。きっとそれを観て、島のみなさんは島を守っていこうと思うはずです。私もこのトークショーがきっかけで、この映画に触れられたことは、島の人間としても良かったなと思います」と言うと、國武監督も「ありがたいです」と心から感謝していました。

©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会

加計呂麻島の野趣あふれる土地のパワーと、温かい島の人たちの交流に心洗われる本作。今後もゲストを呼んでの舞台挨拶が行われていくそうなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

『夫とちょっと離れて島暮らし』作品概要

©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会

幼い頃から東京暮らしのイラストレーター・ちゃず。結婚4年目だが、仕事に追われる東京での毎日に息苦しさを感じていたちゃずは、都会に住みたい夫を東京に残し、奄美群島・加計呂麻島に期間限定で移住することを決意する。そのことを知った女優の國武綾は、ちゃずがもうすぐ島を去ってしまうことを知り、ドキュメンタリー映画を初監督することに。

『夫とちょっと離れて島暮らし』は12月25日(土)より全国公開中
監督・撮影・編集・ナレーション:國武綾
出演:ちゃず、マム、ヘイ兄、加計呂麻島・西阿室集落のみなさん、けんちゃん…ほか
公式HP: https://chaz-eiga.com/

文/山崎伸子

©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会

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