「ヨシタケシンスケ展かもしれない」に3兄弟と行ってみた!

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『りんごかもしれない』『おしっこちょっぴりもれたろう』など、絵本が発売されるやいなや話題となる、大人気絵本作家ヨシタケシンスケさん。
2022年春には初の大規模展覧会が開催となり、そのユニークな展示やヨシタケさんのクリエイティビティを体感できる内容が注目を集めています。

絵本大好きな筆者がヨシタケファンの息子たちと共に、展覧会に行ってきました!その様子をお届けします。

ヨシタケシンスケさんの初の大規模展覧会が開催中

2022年4月9日より7月3日まで、絵本作家ヨシタケシンスケさんの初の大規模展覧会『ヨシタケシンスケ展かもしれない』が東京都・世田谷文学館(最寄り駅は京王線・芦花公園)で開催されています。

ヨシタケシンスケファンはもちろん、絵本やアート好きの方や親子から注目を集めているこちらの展覧会。

ヨシタケさんの絵本には、他にはない魅力がいっぱい。
展覧会も独特の世界観と溢れ出るユーモア、そして心がほぐれるようなLOVEがたくさん詰まった内容となっています。

大人も子どもも楽める新しい形の展覧会! 3兄弟と行ってきたレポ

ヨシタケシンスケさんの頭の中が見えるかもしれない!?と、話題の展覧会。1歳・3歳・小2の三兄弟を連れて行ってきました。会場には親子連れも多くいましたが、大人のお客さんも同じくらい訪れていて、本当に幅広い世代から愛されているんだなと実感。

世田谷文学館に入ると館内はヨシタケワールド一色。企画展に入る前から、クスリと笑えるちょっぴり自虐的な一言が添えられたパネルが飾られており、子どもたちも大興奮です。

入口からニンマリ……!宝探しのような展示にワクワク

企画展の入口を入ると、もうひとつの小さな入り口が!メインビジュアルに描かれている、ダンボール製の会場と受付が再現されています。小さな受付テーブルには、コインケースまで置かれていて、ヨシタケ氏のこだわりが垣間見える始まりです。

今回の展覧会は、今までにない新しい見せ方、そして普通ではない内容に徹底してこだわっていて、ヨシタケ氏も企画やグッズ考案まで細部に及んで深く関わったそう。

展覧会の始まりといえば、企画趣旨などが堅い文章で書かれた「ご挨拶」の案内ですが、ヨシタケ展にはそんなものはありません。

こういったユーモアも、ファンにはたまらないですよね。

絵本の展覧会というと、原画がずらっと並んでいるイメージですが、ヨシタケ展の展示方法は一風変わっています。


もちろん原画コーナーもありますが、絵本構想のヒントとなった小物や、立体造形作家としての作品などがあらゆるところに展示されています。

かがんだり、のぞき込んだりしないと見えないものもあって、宝探しのような気分に!

そして、もうひとつ注目してほしいのが、こちらの黄色い付箋です。

なんとヨシタケさん直筆のちょっぴりメモが、会場の至る所に貼ってあります。なんと展覧会スタート直前まで、付箋を貼っていたそうですよ。

膨大な数のスケッチは圧巻! ヨシタケパパの顔にも注目

筆者が一番感動したのは、2000点以上にも及ぶスケッチ。床から天井まで、端から端までズラーッと並んだB6サイズの6穴メモは、ヨシタケさんが日頃から持ち歩いている手帳の複製原画です。

歩いているときに見た光景や、サラリーマン時代の愚痴落書き、ふと思い浮かんだことなど、イラストで残す習慣があるヨシタケ氏。これらのスケッチがアイディアの種となり、絵本作りへとつながっていくのだそう。

あまりに膨大な量なので、すべてを見ることはできなかったのですが、どれもこれもヨシタケさんの真髄となるシニカル&ユニークなスケッチばかりで、「ブフッ」と吹き出してしまうものもありました。(特に愚痴シリーズ)

そして、ママパパにぜひ見てほしいのが、パパ目線のスケッチです。2人の男の子を育てるパパでもあるヨシタケさん。
夜泣き後(?)の疲弊しきった自身の姿や、沐浴やおむつ替えのシーンなど、息子さんへの愛情が溢れるスケッチがたくさん!
日常のなんてことない光景ですが、横に書かれた一言に思わず涙腺が……。

一緒に見ていた夫は、「ヨシタケさんって、本当に子どもをかわいく描くよね」とほっこりしていました(笑)

子どもたちが「あっち行こう!」「あれ見てー!!」と大はしゃぎのため叶いませんでしたが、このコーナーは2時間ほどかけてでもじっくり見たくなる内容です。

あの絵本の裏側も! 原画とアイディアノートはじっくり鑑賞

原画の展示もとてもユニーク! 絵本ごとにコーナーが分かれていて、絵本構想時に書かれたアイディアスケッチと原画、そして作品にまつわるヨシタケ氏愛蔵コレクションなどが展示されています。

『りんごかもしれない』のコーナーには、裏側に秘密が隠されたりんごかもしれないなにかが飾られていました。

まるでテーマパーク。体験型展示で大盛り上がり

『ヨシタケシンスケ展かもしれない』が他の展覧会とは違う理由のひとつが、体験型展示の多さです。一般的に展示物に触れることは御法度ですが、ヨシタケ展では座ったり投げたり歩いたり変身したり(!)なんでもあり。
(※もちろん、絵本原画や立体造形、コレクションなどは「さわらないでね」と注意書きがありますよ)

『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社)ではあの世を体験できるコーナー。「じごくのトゲトゲイス」は容赦ない痛さです(笑)

『なつみはなんにでもなれる』(PHP研究所)では、変身クイズに挑戦!ほかにも、絵本の内容とリンクしたアトラクションがあり子どもたちは大盛り上がりでした。

全部ご紹介したいところですが……せっかくなので会場に行ってからのお楽しみに! ぜひ実際に体験してくださいね。

ヨシタケらしさ全開の図録はファン必見! オリジナルグッズもユーモア満載

展覧会のお楽しみといえば……グッズコーナー!『ヨシタケシンスケ展かもしれない』では、世田谷文学館の入口を入ってすぐのところにグッズコーナーを設置。企画展に入場しない方でも購入可能です。

もうひとつのあったかもしれない展示会!? 分厚い図録はファン必携。

展覧会に行くと必ず図録を購入する筆者。ゴールドの刻印と真っ赤な装丁が印象的な図録は、ヨシタケ氏愛用のスケッチ手帳と同じB6サイズ。そして、合計496ページあり辞書並みの分厚さです。

今回の展覧会に至るまでの構想メモやスケッチ、グッズ考案図など盛りだくさんの内容となっています。
ロングインタビューや絵本論など読み物もたっぷり。「買ってよかった!」と大満足です。

使うたびにニヤリ。「かもしれない」グッズに注目!

グッズコーナーでは、絵本や関連書籍、そして展覧会オリジナルグッズなどが並んでいます。魅力的なグッズの数々に目移りしてしまいますが、今回購入したのはこちら。

次男が選んだのは、ラムネ入りのヨシタケシンスケ巾着。ラムネに惹かれたのか、哀愁漂うヨシタケ氏の表情に惹かれたのかは定かではありません……。

筆者が絶対欲しかったのが、「見せようと思ってたプリント入れ」と書かれたクリアファイル。日曜日の夜にランドセルからくっしゃくしゃになったプリントが出てくることは、小学生男児がいるご家庭ではあるあるかもしれません。
クリアファイルに描かれた、お母さんの表情が最高です。

夫が購入したのはミニ6穴バインダー。そう、ヨシタケさんのスケッチ手帳と同じサイズのクリアバインダーです。中にはランダムでスケッチ複製原画が入っているようで……なんと赤ちゃんのスケッチが!うれしい(感涙)

その他にも、Tシャツやミニバッグ、グラスなど様々なグッズがありましたよ。

「わかる〜」共感で溢れるヨシタケ作品の魅力

 

ヨシタケシンスケさんは絵本作家としては“遅咲き”とも言える40歳デビュー。

ヨシタケさんの絵本には様々な子どもたちが登場しますが、子を持つ親なら「うちの子がいる!」と感じたこともあるのではないでしょうか。

大人気タイトル『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)には、いつもパンツにちょっぴりおしっこをつけてしまう男の子の小さな冒険が描かれています。

わが家には3人の男の子(うち2人はパンツ)がいますが、いつもパンツがちょっぴり濡れていて、私には理解不能……(苦笑)。
「ちゃんとおしっこしてよ!」とうんざりする毎日でしたが、もれたろうを読んでからは「ちょっぴりだしいいか……」と“やれやれ”程度になりました。

他にも『ころべばいいのに』(ブロンズ新社)では、「どうしても嫌な人への少しブラックな感情」がユニークに描かれています。

誰かにネガティブな感情を持つと、自己嫌悪に陥ってしまうことがありませんか?
この絵本では「嫌だと思ったっていいじゃない」と、人間の陰の部分も肯定してもらえるので、筆者にとってはバイブル的存在の一冊になりました。

りんごかもしれない

おしっこちょっぴりもれたろう

世田谷文学館には本好き親子のための癒しスポットも

世田谷文学館には文学を体験できる素敵空間「ライブラリーほんとわ」がありました。子どもから大人まで幅広い世代向けに、本との出会いを提供しているこちらのスポット。
文学作品から漫画や雑誌など企画性のある選書で構成されていて、普段なかなか手に取らないような一冊との出会いがありそうです。

奥には授乳室を備えたベビー&キッズエリアがあり、絵本が数多く並んでいました。ベビー連れ親子も安心して過ごせるふわふわエリアや、本の世界に集中したいお子さん向けに隠れ家のような場所もあり、とても楽しかったです。

感染症対策のため入場可能人数に制限がありますが、機会があればぜひ足を運んでみてくださいね!
『ヨシタケシンスケ展かもしれない』開催を記念して、ヨシタケ氏にまつわる書籍の選書や、オリジナルブックカバーの配布もありましたよ。

今までにない体験ができるヨシタケ展は7月3日まで!

ヨシタケシンスケさんの大ファンの方も、初心者の方も、大人も子どもも「なんだか楽しいかもしれない」体験ができる『ヨシタケシンスケ展かもしれない』。

体験型展示もあるのでお子さんのミュージアムデビューにもぴったりです。
注意点は、入場には日時指定券が必要なこと。土日を中心にチケットが取りづらくなっているようですが、7月まで開催予定なのでぜひチェックしてみてくださいね!

東京での展覧会を終えた後は、全国に巡回予定だそう。楽しみですね。

開催概要

『ヨシタケシンスケ展かもしれない』

会場:世田谷文学館(〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1-10-10)
開催期間:2022年4月9日(土)~7月3 日(日)10:00~18:00 ※ショップは~17:30まで。※月曜日休館
アクセス:京王線「芦花公園(ろかこうえん)」駅下車。南口から徒歩約5分。
観覧料:一般1,000円/65歳以上・大学・高校生600円/小・中学生300円/障害者手帳をお持ちの方500円公式HP:https://yoshitake-ten.exhibit.jp/

文・構成/秋音ゆう

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