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一日でできるビックリ実験がいっぱい【科学の実験】
毎日観察して記録する…というのが苦手な子には、おもしろい科学実験が載っている図鑑NEOの『〔新版〕科学の実験』がおすすめ。
学校の先生が考えた約200種類の実験が、必要なものや実験のやり方まで詳しく掲載されています。直径1.5mのビニールプールで作る「巨大空気砲」や、太陽光で目玉焼きを作る実験「ソーラークッカー」など、写真を見ただけでやってみたい!と思えるものがたくさんあります。
北川さんのおすすめポイント
実験をする上で一番大切なことは、書かれていることを忠実に実行すること。ちょっと分量が違うだけでも、1つ手順を抜かしてしまっただけでも、思った結果が得られないんですよ。一度やってみると、実験のプロセスにどういう意味があるのか、考えられるようになります。教科書で知識として覚えるより、将来的に科学の知識が身につくと思います。
掲載しているのは、身近なものでできる実験ばかりです。3段階の難易度表記つきで、レベル1は小学校低学年、レベル2は中学年、レベル3は高学年と大まかに分かれているので、参考にしてみてください。でも一番大事なのは「これやりたい!」と思える、インスピレーションかなと思います。危なそう、難しそうと思うなら、おうちの方に手伝ってもらってもいいと思います。巻末には、研究のまとめ方も載せているので参考にしてみてください。
小学館の図鑑NEO『〔新版〕科学の実験』DVDつき
晴れた日は夏の星空を観察してみよう【星と星座】
もし近所に光のない場所があったり、旅行や帰省などで満天の星が見えるところに出かけるなら、ぜひ読んでほしいのが図鑑NEO『〔新版〕星と星座』。
季節ごとの星の位置や星空観察の方法はもちろん、星にまつわるギリシャ神話や星の文化行事なども掲載しています。
図鑑NEOでは、星座のスケール感を伝えるため、さりげなく地平線の山や木や街のようすを一緒に映すなど、「実際の景色の撮影」にこだわっています。ペタっとしたCGの星空より、臨場感がよく伝わってくる美しい写真が魅力となっています。
北川さんのおすすめポイント
夜空をながめて、星は少なすぎてもわからないですし、多すぎても観察しにくいものです。形がわかりやすい、はくちょう座やさそり座などを起点に、そこからだんだん見つけていくといいと思います。
特典についている星座早見盤も、使い方を知らない人が意外と多いんですよ。みんな早見盤を目の前に置いて星を探そうとするんですが、実際は頭上に持ってきます。寝転がって空を見るというイメージが一番わかりやすいかもしれません。真ん中の北極星に合わせて、あとは方向さえ合っていれば探しやすいはずです。
ほかには、望遠鏡(持っていなければ双眼鏡でも)で月を見て、大きいクレーターを探して観察したり、惑星が見やすい位置にくる日を調べて、観察するのもおもしろいですよ。いまは望遠鏡にスマホをくっつけて写真を撮ることもできます。
原典に近いギリシャ神話をのせているので、星座と合わせて楽しむのもいいですね。星座を見ると「本当にこの形に見える?」と不思議なものもあると思いますが、それも含めて昔の人の想像と比べてみてもおもしろいのではないでしょうか。
小学館の図鑑NEO『〔新版〕星と星座』DVDつき
北川さんイチオシは公園でも探せる【きのこ】
夏にきのこ? と不思議に思う人もいるかもしれません。でも、北川室長によると、夏もきのこがたくさん生えているのだそうです。山までいかなくても、公園をよく探して見ると結構きのこがみつかります。図鑑には、食用きのこも毒きのこも載せていますが、食べるという観点の他に、形や色のおもしろさ、繁殖のおもしろさなどがあります。色が変わるきのこや、光るきのこもあるんですよ。図鑑NEO『きのこ』には、きれいな写真とともに、日本に生えているきのこ約700種を掲載しています。
北川さんのおすすめポイント
いまぼくがはまっているのが「きのこ」なんです。きのこは虫のように逃げないですし、じっくり観察できます。キクラゲは朽ち木に生えるきのこで、割と身近な公園にも生えていてびっくりしますね。「近くの公園で見たきのこ図鑑」を作ってみるのは楽しいと思います。
食用のポルチーニの仲間のヤマドリタケモドキもよく見かけます。ただ、よく似ているドクヤマドリは毒キノコなので、子どもだけで「食べられるかどうか」を研究対象にするのはやめたほうがいいですね(苦笑)。
きのこは地面の中の菌糸が本体で、水分がないと成長しません。雨がまとまって降った翌週あたりに、一斉に生えてくることが多いです。時間を要しますが、きのこと天候の関係などを研究対象にしてもおもしろいかもしれません。
小学館の図鑑NEO『きのこ DVDつき〔改訂版〕』
どんな石にも名前がある!【岩石・鉱物・化石】
最近、人気急上昇中の岩石や鉱物。パワーストーンを集める子や、鉱物をコレクションする子が増えています。
道端に落ちている何気ない石も、調べることで見方も変わってきます。図鑑NEO『岩石・鉱物・化石』の巻頭特集では、石の見どころとおもしろさを、子どもにもわかりやすく解説。見分け方のポイントも充実しています。
北川さんのおすすめポイント
生き物以上に身近な存在が石です。河原で石を拾ってきて、ルーペで観察して、なんの石なのか調べていくだけでも楽しい作業です。
玄武岩や安山岩など、いったん石の名前を知るとどの石にも名前があって、何かしらの鉱物が入っているんだということがわかります。鉱物の中でも特別きれいなものが宝石と呼ばれているんですよ。
実は岩石・鉱物の図鑑はもともとあったのですが、ここ4、5年の岩石・鉱物ブームで、急に注目度が高くなった図鑑です。
みなさんの関心度がぐっと上がったことで、掲載数をもっと増やしても良いのではないかと、40ページぐらい増ページしてリニューアルしました。人気の隕石や宝石のコーナーもあります。まずは図鑑をパラパラとめくって、どんな石があるか眺めるだけでも発見がありますよ。
小学館の図鑑NEO『〔新版〕岩石・鉱物・化石』DVDつき
図鑑NEOシリーズは今年20周年。好きな図鑑で自由研究を楽しもう!
その他にも、一番人気の『昆虫』や『危険生物』、『飼育と観察』といった巻が、たくさん出ています。『イモムシとケムシ』だけで1冊にまとめられていたり、『人間』という図鑑があったりして、どんな内容なんだろうとのぞいてみたくなりますよね。ぜひ図鑑でみなさんの探究心を刺激してみてください。
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記事監修
1968年生まれ。東京都出身。幼少の頃より生き物、図鑑好き。とくに魚が好き。小学館の学習百科図鑑『魚貝の図鑑』が図鑑の原体験で、同じ図鑑を何冊もボロボロになるまで読んではまた買って貰っていた。小学館入社後の担当歴は、幼児向学習雑誌「めばえ」、「幼稚園」を経て2000年より図鑑編集部。『小学館の図鑑NEO』シリーズ創刊からメンバーに加わり、『昆虫』『昆虫2』『植物』『魚』『両生類・はちゅう類』『水の生物』『カブトムシ・クワガタムシ』『科学の実験』『深海生物』等を編集。
文・構成/日下淳子 HugKum編集部