コロナ禍の最中に生まれた2歳の娘。同じ年の子と遊ぶ機会がなくて心配です【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

2歳になったのに、親の側を離れようとせず、同じ年の子と遊ぶ機会がなくて心配です。

現在2歳と、下に産まれたばかりの子どもがいます。上の娘はコロナ禍の年に生まれ、人と接触のない暮らしを強いられてきました。同い年くらいの子どもと遊ぶ機会が本当にありません。公園につれて行って同じくらいの年齢の子どもがいても、親の側を離れませんし、こちらも遠慮があって、親から離れて遊ばせることができません。このままで、大丈夫かなと不安になる毎日です。(2歳&0歳のママ)

今は、親子で遊ぶことを楽しむ気持ちに切り替えて。臨機応変に対応できる子どもの力を信じましょう

確かにコロナになってから、公園での小さい子の親子連れが少なくなりました。反面、密にならないために親子で散歩している姿を見かけます。いままで「お友だち」が大事と思ってきたし、公園に行けば同じような年齢の子がいて、物の貸し借りや、順番待ちなど社会性をつけられると思ってきた方が多いだけに、戸惑いますよね。ママ友とのおつきあいが減ったことも善し悪し。気遣いをしなくてすむということもありますが、おしゃべりで気持ちを晴らすことができなくなってしまいました。

このままコロナに脅かされ続けるということはないとは思います。今は静かに辛抱していくのもありです。

私が離島に行ったときのことです。2歳と3歳の姉妹があそんでいました。私に「おばちゃんはなにするの?」と聞かれたので「海に行こうと思うの」と答えますと「あら、そう。私はお散歩に行ってくるわ。帰ってきたらあそびましょう」と言われました。

手を繋いで籠を持って、散歩に出かける後ろ姿は立派に自立していると思いました。人数は子どもが育つ上に絶対条件とは言えないと思わされる光景でした。

かわいそうな時代と思いながら育てると、かわいそうな子になってしまいます

感染リスクに脅えて室内で閉じこもっているのも苦しいですよね。子どもは外の空気で心が落ち着きますし、遊んでこそパワーが出てきます。

そこで工夫しましょう。さっきお話ししたように、散歩に出かけるのもひとつ。混んでない公園や混んでない時間をねらうのもいいかもしれません。家から少し行動範囲を広げて、いい場所みつけをしてください。この際、お友だちあそびはいずれできる時期が来ると考えて親子で楽しむことにしたらいかがでしょう?マスクをしないでも遊べる場所も必要です。

もちろん、移した移さないという関係にはならないお友だちがいたら、お互い様と了解し合って一緒にあそぶのもいいでしょう。

人間はいろんな状況で生き延びてきました。その時代その時代での育ちに多少特徴はあるかもしれませんが、それでも前向きに生きていく力を持っていると信じています。かわいそうな時代と思いながら育てると、かわいそうな子になってしまいます。

思いがけないことが起きた時代だからこそ、子どもたちは多少の不自由を我慢したり、工夫したりできるようになると信じて応援していきませんか?

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記事監修

柴田愛子|保育者・自主幼稚園「りんごの木」代表
自主幼稚園「りんごの木」代表。子どもの気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて47年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。「りんごの木子どもグラブ」https://ringono-ki.org/top.htm

イラスト/海谷泰水

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