贅沢な悩み?「中学受験を目指す息子、壁にもぶつからず御三家合格も問題ない成績らしいが、一抹の不安も…」

志望校の選び方や、模試での成績、家庭学習の仕方、親子関係など、悩みが尽きない中学受験。HugKumが行った「中学受験アンケート」に寄せられた保護者のお悩みに、花まるグループの進学塾部門、スクールFC代表の松島伸浩先生がお答えします。今回は「要領のいい我が子の受験態度に不安を覚える」親御さんからのお悩みです。

勉強をそつなくこなし、成績をキープする子どもに一抹の不安を感じてしまう

がんばっても成績があがらなくて悩んでいる親子が多い中、少数派ですが何でもそつなくこなしてしまう子もいるようです。そういった子が気をつけるべきことや陥りやすい罠などがありましたら教えて下さい。

【実際に寄せられたお悩み】

受験をすると決めて塾に通い始めてから、全く壁にもぶつからずに順調で御三家合格も問題ない成績らしいのですが、それが逆に不安で、そういうタイプの子どもが陥りやすい失敗や危ない時期などあればお聞きしたいです。 ( 小5男子母)
勉強をあまりせずに成績をキープして、調子にのって勉強へのモチベーションがない息子への対応方法が知りたいです。 ( 小3男子母)

【松島先生のお答え】日々の学習態度や基本知識がおろそかになっていないか確認を

順調なときこそ心配という親心もわかります。

気をつけておくべき点は、やっていることが雑になっていないかです。授業の受け方や宿題のやり方など、日ごろの勉強の取り組みが雑になると、徐々にほころびが出てきます。今はそれまでの貯金で何とかなっているのかもしれませんが、学習のレベルが上がると、スピードともに丁寧さも求められますから、乱暴なやり方では通用しなくなるのです。

また、漢字や計算、基本問題、理科・社会の基本知識をおろそかにしないことです。こうしたことをばかにしていると、のちのち安定した成績がとれなくなります。日常生活では、成績がいいからといって、度の過ぎた子どものわがままを許してはいけません。生活習慣が乱れると、心も荒れて情緒が不安定になることがあります。しつけの部分ではときには厳しい態度で臨むことも必要です。

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お話を伺ったのは

松島 伸浩|花まるグループ・スクールFC 代表
1963年生まれ。花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。子育て講演会、教育講演会は定員のため抽選になるほどの人気。『中学受験 親のかかわり方大全』『中学受験 物語ですらすら頭に入る よく出る漢字720』(実務教育出版)『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』(カンゼン)など著書多数。Voicyにて「幸せな受験ラジオ」を配信中。
文・構成/HugKum編集部

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