3〜4年生向け夏休みの本『どうぶつ会議』。戦争と平和とSDGs。社会に目を向けさせる名作古典【子どもの本のみせナルニア国のおすすめ】

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3〜4年生の夏休みの読書は、社会に目を向ける1冊を!銀座の子どもの本の専門店「ナルニア国」の菅原幸子さんにセレクトしていただいたのは、世代を超えて読み継がれる古典的な名作です。

戦争をやめない愚かな人間に動物たちが与えた試練とは?

「人間たちは、いつも会議ばかりやっているけれども、なんの役にも立ちはしない。今度は我々動物たちで会議を開こうじゃないか」。ゾウのオスカーの呼びかけで、戦争をやめない人間たちに腹を立てた動物たちが、未来の子どもたちのために集結して国際会議を開きますが、人間たちは動物たちの要求に耳を貸そうとはしません。そこで、動物たちは思いもよらぬ方法で戦争をやめさせようとします。動物たちが考えた方法とは?果たして戦争は終わるのでしょうか?

刊行から半世紀超え。時代を超えて読み継がれている名作古典

『エーミールと探偵たち』『飛ぶ教室』で知られるドイツの作家エーリヒ・ケストナーと、風刺画家のヴァルター・トリヤーによる絵本『どうぶつ会議』が出版されたのは、第二次世界大戦が終わって4年後の1949年。

日本では1954年に「岩波の子どもの本」シリーズとして刊行されました。子どもの頃に読んだというHugkumのお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。昨年の春には都内で展覧会「どうぶつかいぎ展」が開催されたので記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。

『はなのすきなうし』や『ひとまねこざる』でも知られる光吉夏弥さんの訳で「岩波の子どもの本」シリーズとして発行され、累計で30万部を超えるロングセラーです。

1999年には、ケストナーの生誕100年と刊行50周年を記念して、池田香代子さんによる新訳の大型本も出版されています。

戦争と平和、そして環境問題。様々な社会的テーマを考えるきっかけに

ウクライナへの軍事侵攻が始まって1年半。日常的に現実の戦争の恐ろしさが報道を通して子どもたちにも伝わり続けています。そして、8月は終戦記念日を迎えます。お子さんに「平和」を考えるきっかけとして読んでいただきたいと思いセレクトしました。

3〜4年生は、自分の生活や身の回りの問題を俯瞰してみつめる目を持ち始める時期ではないでしょうか。

北極の代表のシロクマやアザラシたちが会議に向かう途中、乗っている氷山が溶けてゆくなど、地球温暖化を示唆している場面もあり環境問題に目を向けるきっかけにもなるのではと思います。

SDGsをテーマに作文を書くにもヒントがいっぱいありそうです。

『どうぶつ会議』

エーリヒ・ケストナー/ぶん ヴァルター・トリアー/え 光吉夏弥/訳  岩波書店

教えてくれたのは

菅原幸子さん|教文館「ナルニア国」
「ナルニア国」は、1996年に開店した東京・銀座の子どもの本の専門店。1891(明治24)年に銀座に創業した老舗書店・出版社の「教文館」が子どもの本に特化した書店として開業。
ロングセラーから新刊書まで約15,000冊を取り揃え、絵本の原画展やイベントも定期開催している。
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構成/Hugkum編集部

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