【チームラボ プラネッツ】体験レポート!前代未聞の「没入」ができる理由は?子どもたちにも強烈な記憶に

没入型の体験型ミュージアム! 豊洲の「チームラボ プラネッツ」体験してきました!

チームラボ プラネッツ入口

2018年、豊洲にオープンした「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」(以下、チームラボ プラネッツ)は、アート集団・チームラボによる、没入型の作品が楽しめるミュージアム。水の中に入る作品や、本物の植物を使用した作品など、かつてない鑑賞体験ができます。涼しい室内で非日常を味わえ、ファミリーでのお出かけにもぴったりです。

手荷物を預け、身一つで作品のなかへ!

入館早々、普通の美術館とは異なる点を発見。広いロッカールームがあるんです。ここで靴を脱ぎ、スマートフォン以外の荷物はロッカーに預け、身軽な状態で展示室内に向かいます。ここで注意したいのが服装。水を使用する作品は水深が大人の膝丈ほどの場所もあるため、無料で貸し出されるハーフパンツに着替えたり、裾をたくしあげるなどの準備が必須。子連れの場合は子どもの分の着替えを持っていくのがベターです。それでは作品へ向かいましょう!

水にじゃぶじゃぶ入って参加する、前代未聞の鑑賞体験。

暗く迷路のような順路をたどり、水の中に入って更に通路を進みます。視界が開けると、そこには一面、乳白色の水が張り巡らされた部屋があります。それだけでも驚きの空間なのですが、この作品では、鯉が投影された水の中を歩きます。人々が鯉に触れたりぶつかったりすると、花に変化します。取材した7月は期間限定でひまわりが咲き、はかなく散っていました。

チームラボ《人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング》©チームラボ

チームラボの作品に通底するコンセプトの一つは「他者の存在をポジティブな存在に変える」こと。一般的な美術館で絵画を鑑賞する場合は、混雑を避けたい人が多いと思いますが、チームラボの作品はある程度人が多い方が魅力を増します。この作品も、誰もいないと鯉だけが泳いでいるのですが、人が多ければ多いほどひまわりが咲き乱れ、にぎやかになります。

水深のことを考えると、小さなお子さん(3歳以下は無料!)と一緒の方は抱っこ紐を活用したり、心配な場合は迂回も可能です。常時濾過器を使用し、お湯を循環させることで濁質を取り除いているので、衛生面でも安心です。

無限に続く光に包まれる空間に圧倒。

四方八方を鏡に囲まれた空間に無数の光が灯り、色や明るさを変化させながら輝いています。合わせ鏡の効果で光が無限に続いているように見えるので、なかに入るとまるで宇宙空間に浮かんでいるかのよう。ただただ美しさに魅了される幻想的空間です。

チームラボ《The Infinite Crystal Universe》©チームラボ

チームラボアプリをダウンロードして操作すると、作品のエフェクトをカラフルにしたり白っぽくしたり、自分や周囲の鑑賞者と共に空間の雰囲気を変えて、作品を一緒に創造していくこともできます。

チームラボ《The Infinite Crystal Universe》©チームラボ

絶えず色を変化させる大きなボールがふわふわ。

つぎは、大人の背丈ほどありそうな大きなボールが漂う部屋です。ボールをかきわけるように進んでいくのですが、誰かがボールに当たったり、意図的に触れると、ボールの色が変化し、その色が別のボールへと伝わっていきます。美しい色のグラデーションが心地よい作品です。

チームラボ《変容する空間、広がる立体的存在 – 平面化する3色と曖昧な9色》©チームラボ

これもデジタルアートなの!? 本物の蘭に囲まれる庭。

2つあるGarden作品の一つは、本物の蘭を使用した作品です。人に反応して、蘭が上下にゆっくりと位置を変えます。じっとしていると蘭のカーテンに囲まれ、庭と一体化するかのような状態に。本来は地面に生える植物が、天井から垂れ下がる不思議な空間にテンションが上がります。

チームラボ《Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体》©チームラボ

耳も手も使って楽しむ苔の庭。

もう一つの庭は、銀色の卵形の物体Ovoidが点在する苔庭です。物体に触れると「シャンシャン」など、音が鳴ります。誰もいないときは静かですが鑑賞者があちこちで触っていると、さまざまな音がこだましてにぎやかに。お子さんも楽しめますよ。作品に触ることができるのも一般的な美術館ではあまりできない経験です。

チームラボ《呼応する小宇宙の苔庭 – 固形化された光の色, Sunrise and Sunset》©チームラボ

夜になるとOvoidと呼ばれる物体がカラフルに光りだし、まったく違った雰囲気に変化します。

チームラボ《呼応する小宇宙の苔庭 – 固形化された光の色, Sunrise and Sunset》©チームラボ

五感をフル活用する体験は、かけがえのない思い出に。

日常を遮断した異世界に没入すると、視覚はもちろん、展示空間で流れる音楽、作品と作品をつなぐ通路から足の裏に伝わってくる感触、香りなど、無意識に五感が刺激されます。圧倒的な情報量のなかで楽しむ鑑賞体験は、子どもたちにも強烈な記憶に残ること間違いなしです。

大人目線で感じたこともあります。他の美術館にも手を動かしたりする体験型のインスタレーションはありますが、観客が体験するかしないか選べるものが多く、結局人目を気にして誰も参加しない、なんてことが起こりがち。

一方、チームラボ プラネッツは、空間自体が作品でそのなかに観客全員が入り込むため、誰もが等しく参加者の立場になっています。この点が現代アート初心者にもおすすめなポイントだと思います。

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チームラボ プラネッツ TOKYO DMM【展示概要】

◆今回体験した施設

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM

東京都江東区豊洲6-1-16 teamLab Planets TOKYO

・開館時間(8月〜10月):全日 9:00 – 22:00

※最終入館は閉館の1時間前

・休館日: 10月4日(水)、11月8日(水)

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM チケットストア

◎開業5周年を迎えたチームラボプラネッツは、複数の光の作品群をリニューアルし、身体ごと没入する体験が更に拡張。開催会期も2027年末までの延長が決定しました。

企画協力/中川ちひろ

撮影/五十嵐美弥
取材・文/藤田麻希
構成/HugKum編集部

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