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小5の春から大手塾へ「得意な算数を伸ばしきって、自信をつけていった」
2歳から8歳までアメリカ在住。帰国して公立小学校に通い、5年生で受験勉強を始めて、横浜の聖光学院と関西の灘中学に合格。その後、東京大学理科三類、医学部へと進み、4年生のときに司法試験にも合格という「恐るべき大秀才」。そんな河野さんの中学受験、どんなものだったのでしょうか?

以下、HugKumムック「中学受験 親のフォローの正解ってなに?」からの冒頭抜粋です。
勉強「しろ、しろ」と言わず、するのがあたりまえの環境を作る
――河野さんは小5の春から中学受験を目指すのですよね。
河野さん:自発的なきっかけはなくて、親に連れられて大手塾に行った、ということなんですが。 塾に入ればみんな受験をするのがあたりまえ、結果、自分もその気になっていく。 中学受験については子ども自身が自覚を持つというより、保護者の方が「いかに子どもが自然に受験しようと思える環境を作るか」がキモかなと思います。
――日本の中学受験はおおむね、国算理社の4教科で受けるわけですが、どの教科も解けるような感じでしたか?
河野さん:算数は好きなので、積極的にやりましたね。 算数は小2で中学の数学の基礎過程、小3の帰国の直前には高校の基礎過程が終わっていました。国語も公文をやっていたので、そんなに困ることはありませんでした。
ただ、理科と社会はアメリカと日本とではかなり内容が違っていたのと、たとえば「光合成」っていう日本語のワードがわからない。 この2教科は一般の小学生より受験のスタートのところではかなり劣っていたんじゃないかな。 でも、母の勉強へののせ方もうまかったし、父も「勉強っておもしろい!」と思えるようなことをいろいろ話してくれたんです。
――受験勉強をおもしろいと思えるのはすごいですね。
河野さん:「苦手なものを克服すること」にそんなに重きを置かず、得意を伸ばしきったんです。僕は算数が好き、得意っていう思いが強かったから、とにかく算数で突き抜けようと。算数で使う頭って柔軟で論理的な発想が必要じゃないですか。そこが好きで、どんどん問題を解いていったんですよね。
父はそんな僕のために、『中学への算数』(東京出版)というちょっと難しめで難問を解く楽しさを味わえる本を買ってくれたんです。
――苦手な社会科などの科目はどう克服したんですか?
河野さん:ひとつ得意な科目があると自信が持てて、苦手科目も「やってみよう!」という意欲や対応する能力も少しずつ磨かれていったんですね。「得意を伸ばしていく過程で苦手も引き上げられたらいいよね」というマインドで克服していくのがいいのかな。
とはいえ、僕は単純に暗記するような科目の勉強はテンションが上がりにくいんです。そこで、社会に関しては、学習をゲーム化していました。大事なところに緑ペンを引いて、「全部これを覚えて言えるようになったらすごいよね!」みたいに自分に語りかけて、「30分後にテストするからどれだけ覚えていられるかやってみよう」って。
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撮影/五十嵐美弥 文/三輪 泉 構成/HugKum編集部



