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自転車は「車の仲間」です
そもそも自転車は、道路交通法では「軽車両」に位置付けられていることをご存じですか? つまり、道路を通行するときは「車」として交通ルールとマナーを守り、安全運転が求められるのです。
これは、大人も子どもも車の運転手も歩行者も、みんなが知っておくべき基本です。そんな自転車に、2026年(令和8年)4月1日から16歳以上の自転車の運転者を「交通反則通告制度(青切符制度)」の対象とする規定が施行されます。
これは一体、どのようなもので、何の目的があるのでしょうか?
交通反則通告制度(青切符制度)とは
「交通反則通告制度」では、反則行為をした16歳以上の人が検挙されると、定額の反則金の納付が通告されます。そして、その反則金を任意に納付した場合、刑事手続に移行することなく、その反則行為にかかわる事件について起訴されない。つまり、いわゆる「前科」がつかないという制度です。
これにより、自転車による一定の違反は、より迅速に処理されるようになります。また、違反者と警察双方の、手続きにかかわる負担を軽減。さらに、違反者には前科はつきませんが、反則金という責任追及ができるため、自転車関連事故の抑制につながると期待されます。

基本の交通ルール 「自転車安全利用五則」を守ろう
車の仲間である自転車には、どのような交通ルールがあるのでしょう。
大人も子どもも、かならず知っておきたい5つのルールがあります。それは「自転車安全利用五則(じてんしゃあんぜんりようごそく)」です。
①自転車は車道通行が原則。左側を通行する
自動車は車の仲間なので、車道と歩道の区別があるところは車道通行が原則です。そして、道路の左側に寄って通行しなければなりません。

ただ、小さな子どもを自転車のチャイルドシートに乗せて走る場合や、まだ自転車の走行に不慣れな子どもと一緒の場合、車がビュンビュン走る車道の左側を走るのは……ちょっと怖いですね。
ただ、下記のようなケースは歩道を通行することができます。

【普通自転車が歩道を通行できるケース】
○道路標識・道路標示で、自転車が歩道を通行することができるとされているとき
○13歳未満もしくは70歳以上、または一定の身体障害を有する人が運転するとき
○車道または交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するため、自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき
ただしこの場合、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行すること。また、歩道は歩行者優先ですので、お忘れなく。歩いている人を妨害しそうな場合は、自転車から降りて押して歩きましょう。
②交差点では信号と一時停止を守り、安全確認
急いでいるときや、交通量が少ないからなどと、油断するなかれ。じつは自転車と自動車の事故のうち、出合頭や右左折時の衝突が8割以上を占め、その多くが交差点で発生しているそうです。
特に「信号無視」や「一時不停止」は、自動車や歩行者と衝突する危険が高まるだけでなく、交通違反です。交差点では、かならず信号や一時停止標識に従いましょう。信号は、青になってから安全を確認し、進行。一時停止のある交差点では、かならず一時停止をして、こちらも安全を確認してから進行します。

また、歩道を進行していて、交差点に横断歩道がある場合は横断歩道を走行できますが、歩いている人の妨害になりそうなときは、自転車から降りて自転車を押してわたるのがマナー。横断歩道に自転車のマークがあるときは、その中を通って走行しなければいけません。

さらに、自転車は交差点をななめにわたることはできません。道路の左側に寄り、交差点の向こう側に真っすぐ進み、安全を確認してから直角にわたります。
それから、信号のない交差点で車が来た場合にもご注意を。車の運転手が自転車の存在に気がついていないことも考えられるので、運転手が自分に気づいているかを確認してからわたりましょう。
③夜間はライトを点ける
保育園のお迎え帰りや、学校や塾、習い事の帰りなどに、暗い道路を走ることもありますよね。夜間は視界が悪くなります。自転車に夜間乗る場合は、ライトを点けましょう。また、自転車に乗る前にライトが点くかも点検を。
④飲酒運転はぜったいだめ
自転車は車の仲間ですから、お酒を飲んだときに乗るのは違反であり禁止です。
⑤ヘルメットを着用する
2020年4月から、自転車に乗るすべての人にヘルメットを着用する努力義務があります。ただ、こうしたルール以前に、事故による被害を抑えるという意味でもヘルメットを着用することはとても大事です。
警察庁によると、自転車乗用中の死者の人身損傷主部位(致命傷の部位)は、頭部損傷によるものが多くなっています。また、自転車の事故により頭部を負傷した人について、ヘルメット非着用時の致死率は着用時と比べて約1.4倍(令和2年〜令和6年合計)となっており、頭部損傷が重大な事故につながりやすいことがわかります。
近頃は帽子のような見た目のものや、おしゃれなヘルメットも増えているので、この機会に好みのものを見つけてみるのもいいですね。自転車用ヘルメットは、「JCF公認・推奨マーク」や「SGマーク」など、安全性を示すマークの付いたものを使いましょう。

また、小さなお子さんをチャイルドシートに乗せる場合や、お子さんが自転車に乗る場合もヘルメットの着用を徹底します。自転車に乗れるようになったお子さんには、なぜヘルメットを着けなければならないのか、理由も伝えてあげるとよいでしょう。
傘さし運転、スマホのながら見、イヤホン着用にも注意!
5つのルール以外にも、二人乗りは禁止、並走しないなど、気を付けるべきルールとマナーがあります。自分はもちろん、周囲にも危険がおよぶ可能性があることを頭の片隅に置いておいてください。
傘をささない
傘をさしたり、物を持ったりしたまま、片手運転してはいけません。
これは危険なだけではなく、道路交通法および都道府県公安委員会規則で、安全運転義務違反や禁止事項にあたります。2026年4月からは、前述した「交通反則通告制度」により、16歳以上の人は5000円の反則金の対象となります。
携帯電話・スマホのながら見運転はぜったいにしない
警察庁によると、お子さんの成長にともなう携帯電話保有率の上昇と相まって、携帯電話やスマホの使用に起因する事故が急増しているそうです。
通話をしながらの運転は、片手運転となり、ブレーキもかけにくい状態に。周囲の音も聞こえにくく、周りの車両や歩行者の存在に気づきにくくなります。また、画像や動画を見ながらの運転も、周りの車両や歩行者の存在を見落としたり信号を無視したりしてしまうなどの危険があります。
運転しながら携帯電話やスマホを使用することは、周囲の危険を発見することができず、重大な交通事故につながりうる危険な行為です。ぜったいにやめましょう。
イヤホンで音楽を聴きながら乗らない
携帯電話やスマホと同じく、周囲の音が聞こえにくいことは危険につながります。イヤホンで音楽などを聴きながら自転車に乗らないようにしましょう。
保険への加入と、車体の定期的なチェックも忘れずに
自転車に乗るすべての人は、「対人賠償保険」へ加入しなければなりません。「対人賠償保険」とは、自転車利用中の事故により、他人にケガをさせてしまった場合などの損害を賠償できるものです。
自転車にひとりで乗れるようになったばかりの子どもだからと、保険加入を怠るべからず。むしろ運転が不慣れなお子さんの場合、ブレーキをかけるタイミングが遅かったり急に飛び出してしまったりして、事故につながる可能性もおおいにあります。

また、自転車に車検はありませんが、定期的な車体のチェックも忘れずに。タイヤはすり減っていないか? ブレーキのききは甘くないか? サビやガタつきはないか? などなど。空気を入れるついでに、自転車屋さんに点検してもらうと安心ですよ。
もしも、わが子がルール違反をしたら?
この4月から施行される「交通反則通告制度」の対象は16歳以上の人です。16歳以下の子どもが違反した場合は、交通販促通告制度の対象とはなりません。
もしもお子さんがルール違反をしたら、どのような違反をし、どのように指導警告を受けたのかを、まずはしっかりと聞き取りましょう。そのうえで、『自転車安全利用五則』を活用するなどして、今後の自転車の安全な利用や事故防止のためにどのような運転を心がけたらよいのか、ご家庭でよく話し合うこと。
自転車利用時は“あたりまえ”の交通ルールを実践することが重要です。身近で、便利な乗り物、自転車。春からの新生活でも、気持ちよく乗れるように。あらためて確認して、親子で安全・安心な自転車ライフを送りませんか?
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取材・文/ニイミユカ