今後の世界はどのような姿へと変わっていく?
私たちは大きな転換期の真っ只中にいます。これまでの世界は、アメリカやヨーロッパといった先進国が経済や政治の主導権を握り、アジアやアフリカなどの途上国がそれを追いかけるという構図が一般的でした。
しかし、これからの数十年間でこの景色はガラリと変わると予想されています。
今後力を持つ国の3つの特徴
未来の世界で大きな力を持つようになるのは、単に軍隊が強い国や、現在の経済規模が大きい国だけではありません。重要になるのは人口の若さとデジタル技術、そして資源の確保です。
特に、これまで発展途上国と呼ばれてきたアジア、アフリカ、中南米などの地域が、これらの要素を武器に急速に台頭しています。これらの国々は現在、先進国と地政学的なグループのどちらにも完全に属さない独自の勢力としてグローバルサウスと呼ばれ、世界を動かす新しい主役になりつつあります。

途上国は一気に最先端の社会へ
では、いわゆる途上国は今後どうなっていくのでしょうか。結論から言うと、かつてのような「貧しくて開発が遅れている国」という意味での途上国という言葉は、やがて使われなくなっていく可能性が高いです。
その理由は、技術の進化におけるリープフロッグ(カエル跳び)という現象にあります。これは、固定電話の網がない地域にいきなり最先端のスマートフォンやキャッシュレス決済が普及したように、途上国が先進国の歩んだ古いステップをすべて飛ばして、一気に最先端の社会へと変貌を遂げる現象です。
これにより、経済や生活の質において、先進国と途上国の境界線はどんどん曖昧になっていきます。
具体的に力を伸ばすとされているのがインドです。インドはすでに世界一の人口を抱え、優秀なIT人材を無数に輩出しており、近い将来に経済規模でアメリカや中国に迫る存在になることが確実視されています。

また、アフリカ大陸の国々も爆発的な人口増加と若さを背景に、巨大な消費市場へと成長しています。さらに、電気自動車のバッテリーに不可欠なリチウムやコバルトといったレアメタルを豊富に持つ国々は、資源の供給元として世界中から発言力を認められるようになります。
先進国が上という固定観念は崩れ去る
一方で、これまで世界を引っ張ってきた日本や欧米などの先進国は、深刻な少子高齢化と人口減少という大きな課題に直面しています。これからは、一部の豊かな国がルールを決める時代ではなく、多様な強みを持った国々が互いに影響を及ぼし合う多極化の時代が進んでいきます。
もちろん、すべての課題が解決するわけではありません。気候変動による影響や、国内での貧富の格差といった新たな問題も生まれています。それでも、かつての「先進国が上で、途上国が下」という固定観念は完全に崩れ去ります。
これからの世界は、それぞれが独自の強みを持ち、対等に交渉し合う、より複雑でダイナミックな社会へと変化していくのです。
この記事を書いたのは
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
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