中東の国々が脱石油を目指しているって本当? 小学生にも分かるように解説【親子で語る国際問題】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際問題」。今回は、中東諸国が取り組んでいる「脱石油」の取り組みについて、小学生が分かるように解説します。

中東地域の新たな挑戦

ニュースを見ていると、中東地域で争いが激しくなっていることは皆さんも知っていますね。中東は日本から遠く離れていますが、私たちの生活ととても深く関わっています。

それは、私たちが毎日使う電気を作ったり、車を動かしたりするのに欠かせない石油がたくさんとれる場所だからです。

中東は今、争いという問題を抱えている中ですが、別の大きな挑戦にも向き合っています。それは「石油に頼らない国づくり」を進めるということです。

石油に頼りきっていたことで抱える問題

これまで中東の多くの国は、地面の下から湧き出る石油を世界中に売ることでたくさんのお金を得てきました。そのお金を使って、砂漠の中に大きなビルを建て、人々の生活を豊かにしてきたのです。

国のお金のほとんどを石油の利益でまかなっている国も少なくありません。しかし、このような石油に頼りきった経済には大きな問題があります。

石油を売ることで栄えてきた中東の国々

1つ目は、石油は地球の資源であり、掘り続ければいつかはなくなってしまうということ。

2つ目は、地球温暖化による世界の変化です。世界中の国々が地球の気温上昇を防ぐため、燃やすと二酸化炭素が出る石油を使うことを減らし、太陽や風の力で電気を作るクリーンなエネルギーへと切り替えようとしています。

もし世界中の人が石油を買わなくなったら、中東の国々は今までのような豊かな暮らしを続けることができなくなってしまいます。

石油以外の産業を生み出す挑戦

そこで中東の国々は、未来に向けて「脱石油」と呼ばれる新しい取り組みを一生懸命に進めています。具体的には、自分たちの国にある広い砂漠と強い日差しを利用して、巨大な太陽光発電の施設を作っています。

また、石油以外の仕事でお金を生み出すため、世界中から旅行客を呼べるような魅力的な観光地を作ったり、大きなスポーツの大会を開いたりしています。

さらに、AIや最新の機械の技術を持つ会社を新しく育てて、別の産業を生み出そうともしています。石油を売るだけの国から、新しい技術やサービスを提供する国へと生まれ変わろうとしているのです。

脱石油化は、平和でないと成し得ない

しかし、ここで大きな壁となるのが、争いによる情勢の悪化です。世界中から観光客を呼ぼうとしたり、海外の会社と協力しようとしたりしても、その地域が危険な状態では誰も来てはくれません。新しい事業の計画も止まってしまいます。

ですから、脱石油という新しい国づくりを成功させるためには、地域全体が平和で安定していることが絶対に必要なのです。

中東の国々が石油に頼らない新しい姿になれるかどうかは、世界中の経済や地球環境の未来にとても大切なこと。争いが早く落ち着き、人々が安心して新しい未来に向けた取り組みが進められるようになることが求められています。私たちも遠い国のことだと思わず、中東がどのような未来へ進むのかを見守ることが大切です。

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この記事を書いたのは

国際政治先生 国際政治学者

国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

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