日本でも石油がとれるの? 中東だけではない、世界の産油国を小学生にも分かるように解説【親子で語る国際問題】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際問題」。今回は、世界の中で石油がとれる国について、小学生にも分かるように解説します。

アメリカやロシアも産油国

世界中のニュースで中東のことが話題になると、必ずといっていいほど「石油」の話題が出てきます。私たちの生活を支える車、プラスチック、そして電気を作るためにも欠かせないこの油が、一体どこで生まれているのか、皆さんは知っていますか?

まず、世界で石油がたくさんとれる国はどこでしょうか。最も有名なのは、やはり中東と呼ばれる地域の国々です。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、そしてイラクやイランといった国々は、地下に眠る膨大な石油の蓄えを持っています

しかし、石油は中東だけにしかないわけではありません。実は、アメリカやロシアも世界トップクラスの産油国ですし、南米のブラジルや北米のカナダなどでもたくさん生産されています。

このように、世界中にはさまざまな産油国がありますが、その中でも中東は、質の良い石油を安く、たくさん掘り出すことができる特別な場所なのです。

日本で使う石油の9割は、中東の国々に頼っている

では、私たち日本はどこから石油を分けてもらっているのでしょうか。答えは、そのほとんどを中東の国々に頼っています。

日本の石油輸入のおよそ9割がサウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェートなどの限られた地域から運ばれてくるのです。これは世界的に見てもかなり高い数字で、日本にとって中東は命の綱のような存在です。

2026年4月現在、中東で激しい争いが起きています。石油を運ぶ大きな船が通る道、例えばホルムズ海峡という場所などが今後も簡単に通れなくなってしまうと、いずれ日本中のガソリンスタンドから燃料が消え、工場の機械も止まってしまうかもしれません。

だからこそ、日本は中東の平和が続くようにいつも一生懸命に協力しているのです。

日本の新潟県や秋田県、北海道にも油田が存在

ところで、私たちの住む日本でも石油はとれるのでしょうか。実は、日本にも油田は存在します。新潟県や秋田県、北海道などで、今も石油を掘り出している場所があるのです。

昔の日本にはもっとたくさんの油田がありましたが、今はその多くが掘り尽くされてしまいました。現在、日本国内でとれる石油の量はとても少なく、日本全体で使っている石油のたった1パーセントにも届きません。

100リットルのバケツが必要なときに、コップ一杯分くらいしか自分で用意できないような状況です。そのため、日本は自分の国だけでエネルギーをまかなうことが難しく、どうしても海を越えて外国から買ってくる必要があるのです。

私たちは世界とつながって暮らしている

石油はただの燃料ではなく、国と国をつなぐとても大切な資源です。中東情勢が大変な今、石油がどこから来ているのかを知ることは、私たちの暮らしがいかに世界中の人たちの働きとつながっているかを考えるきっかけになります。

これから先、太陽の光や風の力、水素を使った新しいエネルギーがどんどん増えていくかもしれませんが、それでもまだしばらくは、遠い中東の国々から届く石油が私たちの毎日を支えてくれる大切なパートナーであり続けるでしょう。

身の回りにあるペットボトルや服、文房具なども、その多くが中東から届いた石油をもとに作られています。ニュースで中東の名前を聞いたとき、「遠い国の話」と思うのではなく、自分たちの生活を支えてくれている人たちがそこにいるんだ、ということを想像してみてください。

この記事を書いたのは

国際政治先生 国際政治学者

国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

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