星の数ほどあるダイエットの“入門編”ともいえるのが、食事制限ダイエットです。ところが「ダイエット成功!!」と喜んだのもつかの間、見事にリバウンドして、元の木阿弥。そんな経験をしたHugKumママ・パパも多いのでは? かくいう私もそのひとり、普段はサッカーや野球場が主戦場のスポーツライターだというのに、万年ダイエッター。つまり、ダイエットしてはリバウンドを繰り返しています……。
そんな私が、今日もダイエット情報をネットで探していたところ、出会ったのがSNSで9万超のフォロワーを誇るフィットネストレーナー・Sunny(サニー)さん。アイコンはどうみてもキラキラ女子、画像はメリハリのついた健康的な美ボディ! なのに、つい1年前までは「ダイエット→リバウンド」の無限ループを繰り返す“お腹ぽっこり女子”だった!? そんなSunnyさんがどうやってリバウンドもせず、スタイルを維持しているのか。聞いてみると、その秘訣は、私たちの考え方を根本から引っ繰り返すものでした。
短期痩せとリバウンドは表裏一体
「①ダイエット→②ダイエットに失敗→③リバウンド→④自己嫌悪→①に戻る……私、この悪循環を1億周くらい巡ったんですよ」
のっけから、そんな告白をしてくれたSunnyさん。この1億周を経て、彼女は自分の体のこと、心のこと、なぜダイエットに失敗するのかを見直したそうです。そこで得た気付きは、「ダイエットという行為自体が失敗するようにできている」こと。えーっ!? それってショックじゃないですか?
ダイエットは失敗するようにできている
「ダイエットとは、食べる量を極端に減らすとか、何かを我慢したり制限したりして“一時的に”体重を減らす行為。でもそうやって目標体重に到達すると、そこで得られた達成感や、それまで我慢していたものに対する反動で、どうしてもリバウンドが来てしまう。短期痩せとリバウンドは、面白いほどセットになっているんですよ」
こうした短期痩せのことを、Sunnyさんは「イベントダイエット」と呼びます。一般的なイベントとは私たちが指定された場所に行き、そこで特別な時間を楽しむもの。その時間が過ぎれば、イベントは終わりです。会場で爆発的に高揚した気持ちはほどなく消え去り、また日常へと戻っていく。ダイエットも、同じです。
巷にあふれる「◯◯抜くだけダイエット」「◯◯期間で痩せるダイエット」の宣伝文句。ダイエットにはいつも、ラクに、短期間で瞬発的に痩せるというニュアンスが伴います。顕著な例が、「夏までにビキニの似合う美ボディに!」という春恒例のダイエット祭り(!?)ですね。
サラダチキンだけ食べてチョコレートを食べない生活、本当にできますか?
「でも、考えてみてください。せっかく夏までに痩せても、夏が終わるとなんだか気が抜けて、また来年の夏痩せればいいやって気持ちになっていませんか? 一生、糖質、炭水化物抜きの生活をして、サラダチキンだけ食べてチョコレートを食べないなんて、本当にできますか? そんな人生、私は嫌です。みんなも嫌だと思う。だからみんな、ダイエットに失敗して、リバウンドを繰り返すんです。ダイエットの短期決戦って、つまりそういうことなんですよ」
さようならダイエット、こんにちはボディメイク
う~ん……「ダイエット」って、まさしく「言うは易し、行うは難し」の典型例だったんですね。ではSunnyさんはどうやって、この「ダイエット→リバウンド」の無限ループから脱出し、理想の体形を手に入れたのでしょうか。
「私はダイエット生活そのものに終止符を打ちました。そして、ダイエットの概念を捨てました。新しく取り入れたのが、“ボディメイク”です。ボディメイクとは自分の体と心を見つめ、自分に合った方法で、自分が思う美しさに近づくこと。食事、運動など日ごろの習慣を調整しながら、長期的に取り組むものです。“イベントダイエット”では実践している間のほんのひと時しか、その体形を維持することができません。でもボディメイクなら、長い人生、ずーっと理想の体を維持できるんですよ」
ボディメイクとは、必要なものを必要なタイミングで“取り入れる”方法
ボディメイク……なんだかダイエット以上に気合を入れて取り組まなければならない、体育会系の用語に聞こえます。
「私のすすめるボディメイクは、何かを“断つ”のではなく、必要なものを必要なタイミングで“取り入れる”方法。だから私は今、食べる量を制限してストレスになるような我慢もせず、シンプルな食事法、頑張らないけど効率のいいトレーニングで、自分の望む最も心地のいい体形をキープしています」
実はSunnyさんも、自分に合ったトレーニングに出合うまでは、運動が苦手で嫌いだと思っていたそうです。だけど、筋トレはルールも強制もなく、自分に合わせてメニューを作ればいい。疲れたなと思ったら、休息をとることも、ボディメイクの一部だ、と。
長所と短所は紙一重、コンプレックスは武器になる
「まずは自分の体を知ること。生まれ持った骨格や体質など、“変えられない部分”と、筋肉量や脂肪量、食生活など“変えられる部分”を把握したうえで、自分だけのボディメイクをしてみましょう。例えば骨格のくっきりした方は、太ると全身がぽっちゃりしてしまいます。そういう人は、肩の筋肉をつけるトレーニングをし、背中のヴィーナスラインを強調するといい。骨格が強調され、どこから見ても美しいアウトラインが作れます。長所と短所は紙一重、コンプレックスは武器になるんです」
Sunnyさん自身がダイエットを終わらせられた成功哲学や方法の詳しい情報は、自著『ダイエットの終焉。自尊心底辺だった私の人生を変えたボディメイク』(小学館)にまとめられています。
お話を聞いているだけで、今度こそダイエットにさようならを言えそうな気がしてきた、ライターMでした!
人生も自尊心も底辺だった運動嫌いな女子がデブ思考を断ち切り、ダイエットを終わらせ、トレーナーになった!1年前、彼女は激太りした体型とダイエットしてはリバウンドを繰り返す自分の弱さに落ち込み、引きこもっていました。人生激変のきっかけは、ボディメイクでした。変わりたいと望むすべてのかつての著者たちへ。
その思いとこの本があれば、きっと変われます。
(取材・文/前田恵+生活編集室 *写真は『ダイエットの終焉。』より)