【コロナ禍の中学受験】今年度はどうなる?教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが保護者のリアルなお悩みに答えます!

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大反響!おおたとしまささんによる『二月の勝者』オンラインセミナー

12月5日に行われた、HugKumによる教育ジャーナリスト・おおたとしまささんによるオンライン講演会、『二月の勝者』に学ぶ受験生の親のあり方〜コロナの影響は?これからの中学受験〜』。今、中学受験生の親としてもつべき心構えを、おおたさんの著書「二月の勝者 中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉」と週刊スピリッツの連載中の人気中学受験漫画『二月の勝者-絶対合格の教室-』の内容をふまえながら、わかりやすく解説していただきました。

(左)教育ジャーナリスト・おおたとしまささん (右)司会の小川りかこさん

セミナーの内容はこちら

【コロナ禍の中学受験】親はどうすべき?人気漫画『二月の勝者』を題材に教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが語る
去る12月5日、HugKumでは教育ジャーナリスト・おおたとしまささんによるオンライン講演会、『二月の勝者』に学ぶ受験生の親のあり方〜コロナ...

オンラインセミナーではご紹介できなかった質問にお答えします!

セミナーではたくさんの方から質問が届きましたが、残念ながら時間内では限られた質問にしかお答えすることができませんでした。そこで今回、おおたさんのご好意で、いただいた質問の中からいくつか追加で質問にお答えいただきました。

お悩み1「受験当日に実力を出し切るために、親ができることは?」

小6の親です。おおたさんの著書をほぼ全て拝読し、多くの実践をする事で子どもの成績も伸び、親としても成長させて頂き感謝しております。ありがとうございます。質問です。関西は試験日まで1ヶ月となり、試験当日のメンタルや、実力を出し切ることの重要性を日々実感しております。当日実力を出し切る為に、親が出来る事としてオススメな事はありますでしょうか?声がけや準備の部分などどんなことでも構いません。よろしくお願いいたします。

<おおたさんのお答え>

順調な仕上がりのようで、なによりです。拙著もたくさんお読みいただいているようで、ありがとうございます。入試当日は親も気張ってかっこいいことのひとつでも言いたくなると思うのですが、あえていつも通りにするのがいいと思います。緊張しているようなら、「みんな緊張しているから条件は同じ。緊張していることが自覚できているってことは十分冷静だってこと。それだけで有利」と声がけしておくと、緊張したときにパニックにならなくてすむと思います。

お悩み2「学校見学は目標となるトップ校or現実的なところ、どちらを見るべき?」

小4の息子の方は成績はどん底。親の希望的観測としてはまだ伸びしろがあると思うと、どの偏差値帯の学校から本人と見に行った方がいいのか(学校説明動画を一緒に見るか)悩みます。手が届かないトップ校を見せて非現実的な目標を持たせるのもどうかと思ってしまいます。またサッカー少年なのですが、サッカー好きにおススメの学校があれば教えてください。

<おおたさんのお答え>

高い目標を掲げたほうががんばれるタイプか、自分のペースでやっていくのが得意なタイプかによって、考え方を変える必要があるかと思います。サッカーという軸があるのであれば、サッカーの強い学校を偏差値に関係なく親子で一緒に洗い出してみてもいいかもしれませんね。具体的におすすめの学校はありません。それぞれの学校の良さをご自身で感じてみてください。

お悩み3「マイペースでのんびりしている子が中学受験を乗り切るためには?」

マイペースでのんびりしている女子です。負けず嫌いの子はテストやクラス替えをモチベーションにしてがんばれるかと思いますが、クラスが落ちようが、逆にあがろうが、たいして気にしないため、頑張らせたくても親が空回りしてしまいます。このようなタイプの子が中学受験を乗り切るための親の心構えをご教示ください。

<おおたさんのお答え>

頑張らせたいのは親御さんの「欲」ですよね。「もうちょっと頑張ればもっと成績が伸びるのに」ともどかしい思いがおありでしょうが、マイペースを保てることは、長い人生ではかなり強力な武器になるはずです。娘さんのせっかくのその特長を中学受験でつぶさないように気をつけてください。娘さんをコントロールしようとするのはあまりおすすめしませんが、あえて言うなら、「あなたは欲がないからね。それがいいところでもあるんだけど、たまには欲を出してもいいんだよ」というくらい、ぼそっと伝えてもいいかもしれないです。そうすると、もしかして悔しいと思った瞬間に、少し欲を出してみようと思うかもしれません。

お悩み4「教育方針などがまわりに影響されない方法ってある?」

おおたさんの中学受験に対する考え方を軸にしたいのに、塾にいかせているとあおられたり、我が家の軸がブレそうになります。まわりに影響されない方法ってありますか?

<おおたさんのお答え>

みんなそうです。ブレブレな自分を笑い飛ばしながら、親も焦らず成長していってください。

お悩み5「“難しい問題ほど楽しい”という気持ちが強く、単純問題はケアレスミスばかり」

小5男子。2年から塾の特進に入っておりましたが、6年期を直前にクラスの最下位となり、この冬からクラスをひとつ下げます。それ自体は本人に無理のない選択なのでいいのですが、おおたさんがおっしゃられた「難しい問題ほど楽しい」という気持ちが強く、復習的テストの点数は悪く(ケアレスミス含め)、模試的なテストでは十分な成績をとってきます。いわく「やる気がでるから」とのこと。このままだと、下がったクラスでも同じような結果になり、最終的に「楽しくない勉強」を続ける世界にいかないかと不安です。今後をどう見据えて行動したらよいのか、何かアドバイスを頂けたら幸いです。

<おおたさんのお答え>

簡単な問題を速く正確に解いて点を稼ぐより、難題に取り組む方が好きだというのは、記述式問題が多い学校と相性がいいでしょうね。どんなに優秀な子でも成績の浮き沈みはあります。模試的なテストで成績がとれているなら正しい勉強ができている証拠ですし、クラスがちょっと落ちたからと一喜一憂する必要はないように思います。ケアレスミスもなかなかなくならないでしょうけれど、そこを気にするあまり難問が解けなくなってしまったら、息子さんの長所が台無しです。そういうタイプの子どもなのだと思って、見守っていればいいと思います。

お悩み6「計算の速度が遅い娘。親としてできることは?」

小学5年生の娘は計算は相応にできるのですが、その速度がやや遅いです。このため、計算が多いテストだと最後の問題に到達しないことがあります。このため、塾のテストでは平均以上の点数を取るわりに、算数への苦手意識が強いです。算数への苦手意識を払拭し、計算を速くするため、親としてできることにつきいてアドバイスをお願いします。

<おおたさんのお答え>

私の関心は、どうやったら子どもの長所を伸ばし、中学受験を親子にとってのいい経験にできるかということにあり、受験テクニック的なことはわかりませんし、興味がありません。ですから計算を速くする方法はわかりません。ただし、最後の問題に到達しないことが苦手意識の原因になっているならば、話は簡単です。「テストの問題は、得点差を出すためにわざと多めに問題を用意してあるものだから、ぜんぶの問題に手を付ける必要はない。あなたはゆっくりだけど確実に計算できるのが長所なんだから、それを活かして、確実にできる問題を解ければそれでいい」と言って、自分のスタイルに自信をもたせてあげましょう。

お悩み7「字が汚くて点数を落とすことが何年経っても直らない」

6年生です。字が汚くて得点を落とす時も多々ありますが直りません。誰が言っても何年経っても直らないのはどうすれば良いのでしょうか。

<おおたさんのお答え>

直らないものは直りませんよね。私も、字も、絵も、歌も下手で、直りません。字の書き方を無理矢理強制したら、別のところで調子を崩してしまうことだってあり得ます。本人としては一生懸命やっていることを否定されてやる気になるなんて人は希ですから、むしろ「汚い字で損することもあるでしょうけど、あなたがそれでいいならしょうがない。これがあなただもんね。そのスタイルで堂々とやりなさい」とでも言ってあげたらどうでしょうか。もしかしたら、そう言われることで逆に「ちょっと字を丁寧に書いてみようかな」と思ってくれるかもしれるかもしれません。やっぱり全然変わらないかもしれませんしれませんが。わが子であっても、他人を変えることはできませんし、誰だって不完全なところがあるからこそ愛おしいと思えるものであるはずです。中学受験生としての完璧な姿を求めるのではなく、わが子の長所を自覚させてあげられる中学受験を心がけるようにしてみてください。

 

目指すは「必笑」!最後に親子で笑い合えるよう、全力でサポートしよう

オンラインセミナー視聴いただいた方からは、質問だけでなくセミナー修了後には多くの感想が寄せられました。中学受験は親も子どもも悩んだり迷ったり、不安に押しつぶされそうになるもの。がんばる我が子に親ができることは、そばに寄り添い、温かくサポートしていくことだというおおたさんのメッセージが心に響いたという方が多かったよう。

視聴された方からのメッセージ(一部抜粋)

「最後の方は涙ぐみながら聞いておりました。損得や周りに流されず、自分の子どもをしっかり見て寄り添い、「必笑!!」を目指していきたいと心から思っております。本当にありがとうございました。」
 「ありがとうございました。これから受験なので女優になりきりサポートしていきます。」
「夫婦で拝聴しました。ぐっとくる言葉の数々でした。参加できて良かったです。ありがとうございました!」

「必勝」を目指すのではなく「必笑」を!結果に関わらず、受験を乗り越えた先には一回り成長した子どもと、一緒に笑い合える未来が待っています。皆さんも親子で「二月の笑者」を目指しましょう!

セミナーの様子はこちらからご覧いただけます!

記事監修

教育ジャーナリスト
おおたとしまささん

1973年東京生まれ。育児・教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。リクルートを脱サラ独立後、育児・教育をテーマに取材・執筆・講演・メディア出演などを行う。中高の教員免許を持ち、小学校教員の経験もある。著書は『ルポ塾歴社会』、『名門校とは何か?』、『ルポ教育虐待』、『ルポ父親たちの葛藤』、『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』、『21世紀の「男の子」の親たちへ』『21世紀の「女の子」の親たちへ』など計60冊以上。おおたとしまさオフィシャルサイト

 

 

 

画/高瀬志帆 著/おおたとしまさ

ビックコミックスピリッツで大ヒット連載中の中学受験漫画『二月の勝者-絶対合格の教室-』と気鋭の教育ジャーナリストのコラボレーション。「中学受験における親の役割は、子どもの偏差値を上げることではなく、人生を教えること」と著者は言います。決して楽ではない中学受験という機会を通して親が子に伝えるべき100のメッセージに、『二月の勝者』の名場面がそれぞれ対応しており、言葉と画の両面からわが子を想う親の心を鷲づかみにします。

 

 

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文・構成/HugKum編集部

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