《シングルマザーの挑戦》大ヒット「おやさいクレヨン」は廃棄野菜を使い、口に入れてしまっても安全! 「おはなのクレヨン」「おこめのクレヨン」も使ってみました

2014年に発売された「おやさいクレヨン」をご存じですか? アップサイクルという言葉も浸透していなかった当時、廃棄野菜を使ったクレヨンとして注目を集め、これまで国内外を併せて17万セット販売。新製品の導入は難しいとされる文房具業界では、驚きの大ヒット商品となりました。
今回は開発者の木村尚子さんにインタビュー! 開発秘話をお届けします。さらに、「おはなのクレヨン」「おこめのクレヨン」との比較もやってみたのでレポートします!

「おやさいクレヨン」って普通のクレヨンとどう違うの?

廃棄野菜を使った「おやさいクレヨン」。

「おやさいクレヨン」は、米ぬかをアップサイクルした米油とライスワックスをベースに、規格外品や端材など市場に流れない野菜や果物を微粉末加工して配合した、優しい色合いが特長のクレヨンです。

野菜の色を補う顔料は、食品着色と同等成分のものを採用し、万が一、口に入ってしまっても安全な素材だけでできているので、小さなお子さんが使っても安心です。(*安全な素材ですが、食べ物ではないので、飲み込まないようにご注意ください。)

子育て中のママだったからこその閃きが、クレヨンの開発に

「おやさいクレヨン」の開発者であり、mizuiro株式会社の社長である木村尚子さん。

自然な色合いが魅力で環境にもやさしい「おやさいクレヨン」ですが、どのように誕生したのでしょうか。開発者であり、mizuiro株式会社の社長である木村尚子さんにお話を聞くことができました。

青森出身で、グラフィックデザイナーとして、働いていた木村さん。お子さんが小学校に上がると、残業が多くなる仕事のため、いわゆる「小一の壁」にぶつかることになります。離婚を経験し、シングルマザーとして子育てとの両立が難しくなり、フリーランスとして独立することに。

デザイナーとして、軌道にのってきた頃に、青森で開催された藍染展で藍染に出合います。そこで藍色に魅了され、自然の色を使った文房具を作りたいというインスピレーションを得ました。

子どもたちに彩りを届けたいという想いがクレヨンに

はじめはインクを作りたいと考えたそうなのですが、インクの製造は難しいということと、子育て中で「子ども向けの文房具といえばクレヨン!」という閃きもあり、自然と方向性が決まっていったそうです。また、青森の冬は雪に覆われ、色のない世界に子どもたちに彩りを届けたいという想いもクレヨン作りのモチベーションにもなりました。

「フリーランスとしてようやく落ち着いてきていた生活でしたが、起業家という二足の草鞋を履くことになり、大変な毎日になりました」(木村さん)

会社の成長とともに、お子さんも成長していくことで手がかからなくなり、何とか両立ができたそうです。

青い色が作れない?! クレヨンの弱点も個性に

開発は、なんと家庭のキッチンから始まったそう。クレヨンの作り方を、動画などを見ながら試行錯誤。野菜をみじん切りにして、ホットプレートで焼いて粉末状にするなど、地道な研究が続きました。

また、色の材料となる野菜を探しているときに農家の廃棄野菜を目の当たりにして、捨てられる野菜を使うことを思いつきます。そして、粉末状にして混ぜるという方法で、老舗クレヨン工房の協力を得て“おやさいクレヨン”は完成しました。

青色の野菜はないので「おやさいクレヨン」シリーズには青色はありません。それも個性として捉え、独自の色彩のラインナップが生まれたのも自然食からできた「おやさいクレヨン」の魅力でしょう。

大反響となった「おやさいクレヨン」

2014年のギフトショーでの初のお披露目では大反響となりました。現在では、多くの企業から声がかかり、自社商品以外にもコラボ製品なども開発。

クレヨンだけではなく、捨てられてしまう果物や野菜、花を古紙と配合しアップサイクル紙へと循環させる「環紙(washi)」の製品化にも力を入れています。大阪・関西万博で採用されたCO2と金属から作るメタコル紙などもあります。

これから、ますますの活躍が期待される「mizuiro」ですが、聞いたことはあるけれど、使ったことはないという方も多いと思います。実際に文房具シリーズを使ってみたので、使い心地もレポしますね。

親子で楽しめる「mizuiro」の文房具シリーズ

「mizuiro」の製品。

「おやさいクレヨン」以外にも、「おはなのクレヨン」や、より鮮やかな顔料を使った「おこめのクレヨン」、粘土や塗り絵など親子で安心して楽しめる文房具がラインナップ。これから新年度に向けて、入学祝いやこどもの日のギフトにもぴったりです。

バタフライピーの青色もある「おはなのクレヨン」

去年リニューアルしたばかりの「おはなのクレヨン」

「おはなのクレヨン」は、市場では規格外となってしまうカーネション・ローズ・マリーゴールド・クローバーなどを粉砕加工し、蜜蜂由来の蜜蝋ワックスに配合、成型され作られた、花本来の華やかな色合いが特長のクレヨンです。

カーネションは華やかなピンク、ローズは鮮やかな赤、マリーゴールドは元気な黄色、クローバーはナチュラルな黄緑色です。「おやさいクレヨン」にはない、バタフライピーを使った青色もあります。

本物のお花でできたクレヨンでお花の絵を描くのは、大人もウキウキする体験! お絵描きがより楽しくなります。

「おやさいクレヨン」と同様に、お花の色を補う顔料は、欧州玩具安全規格のEN71 Part3に適合しているものを採用。万が一、口に入ってしまっても安全な素材だけでできています。

米油から作られた「おこめのクレヨン」

鮮やかな発色の「おこめのクレヨン」。

「おこめのクレヨン」は、米油から作られた植物性クレヨンです。一般のクレヨンに近い、鮮やかな発色と滑らかな描きごごちが特長の色彩豊かな16色セットです。

玄米を精米するときに米ぬかが発生します。この米ぬかをアップサイクルした米油とライスワックスを主原料にしており、こちらも口に入ってしまっても安全な素材だけでできています。

色は「しろ、はいいろ、みずいろ、あお、むらさき、みどり、きみどり、きいろ、うすだいだい、だいだいいろ、あか、ももいろ、おうどいろ、ちゃいろ、こげちゃ、くろ」の16色セットとなります。

使い心地は? クレヨンの色比べ

「おやさいクレヨン」も「おはなのクレヨン」も色の薄さを懸念される方もいるかと思いますが、やさしい色合いという印象で、薄いとは感じませんでした。色鉛筆のように重ね塗りも美しく、お洒落に仕上がります。

また、どのシリーズのクレヨンがよいか迷ってしまいますが、似たような色でも色味が絶妙に違うので全セット集めてしまいたくなる素敵なカラーバリエーションです。

同系色を比較

「mizuiro」の違うシリーズの似た色を比べてみました。

同じきみどり色系統の「おやさいクレヨン」の“きゃべつ”、「おはなのクレヨン」の“クローバー”、「おこめのクレヨン」の“きみどり”を比べてみました。

“きゃべつ”はやさしく明るい色で、“クローバー”はナチュラルで落ち着いたうぐいす色に近く、“きみどり”は一番鮮やかな印象。どの色も異なる色合いで楽しむことができます。

できた作品もナチュラルで可愛い「おやさいねんど」

自然な色合いの「おやさいねんど」。

クレヨン以外にも規格外の野菜や果物を微粉末加工して配合した、軽くて柔らかいねんどもあります。いろいろな色を組み合わせて使える10色セットで、野菜本来の色に合わせた優しい色合いが特長です。

乾燥させると硬化するので、工作や作品作りに向いています。お野菜や果物の形を作ってみても可愛いですよ。

色のラインナップは、「ほうれんそう、ねぎ、きゃべつ、たまねぎ、パプリカ、にんじん、りんご、トマト、むらさきいも、たけすみ」の10色となっています。

特大サイズ! 親子で食育も学べる「ぬりえ新聞」

机の上から飛び出てしまう大きな「食育にもつながる みつけてぬりえ新聞」。

机から溢れてしまうほどのパノラマサイズの大きなぬりえの「食育にもつながる みつけてぬりえ新聞」です。広げると、筆者の子どもたちは大喜びでぬりえに取り掛かりました。

上の娘は真面目で、本物と同じ色を塗りたいタイプ。なので“おやさいクレヨン”がそのまま野菜の名前で絵と同じ野菜の色を探すのが楽しいようです。

下の子は自由に好きな色をピックアップ。知らないお野菜もあるので、時々お姉ちゃんにどれが何の野菜でどんな色かを聞くなど、姉弟で楽しそうに遊んでいました。

「食育」のきっかけになる情報が詰まった「食育にもつながる みつけてぬりえ新聞」。

また、ぬりえの中には野菜や果物のキャラクターが30種類以上隠れていて、探して楽しむことができます。さらに、ぬりえと反対側のページには、野菜や果物の旬や特徴、季節の行事、おいしい食べ方のひみつなど、食べ物のことを考える「食育」のきっかけになる情報がたくさん詰まっています。

購入は全国の百貨店やネットで

廃棄された野菜や果物、米や花を使った「mizuiro」の環境にやさしい文房具はいかがだったでしょうか? 全国の百貨店やロフトなどでも購入、もしくは、ネットでも購入できますので、気になる方はウェブサイトをチェックしてみてくださいね。

>>>「mizuiro」についてはこちらから

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取材・Rina Ota

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