海は青? いいえ、こんな色もあるんです。子どもの固定概念を壊して地球の不思議に触れられるクレヨンとは?

「地球は青かった」。宇宙飛行士のガガーリンが残した言葉として有名ですが、果たして地球は青いのでしょうか?

宇宙から見える海はどんな色?

これは何の色でしょう?

地図を見てもイラストを見ても、海は青で表現されることが多く、「海は青」と大人でも疑うことなく思っているのではないでしょうか?

ですが、衛星画像を介してみた海の色にはこんな色もあります。

海のクレヨンの中に入っている1色です。

上の色はウクライナにある最大でも3mほどの深さしかない海の色を再現したクレヨンの色です。

夏の水温上昇と塩分の高さによって藻が大量に繁殖。そこからβカロテンというにんじんやホウレンソウに含まれる成分が作られて、このような色に見えるのです。

「海は何色?」そんな会話から始まったクレヨン作り

人工衛星による幅広い事業を展開するスカパーJSATという会社があります。社内で立ち上げられたSATELLITE CRAYON PROJECTのプロジェクトリーダー清野さんが息子さんと何気ない会話をしていたときのことです。

「海の色って何色?」
「青に決まってんじゃん!」

清野さんが息子さんの言葉を聞いて「子どものうちから、そんな固定概念が芽生えていることに驚いた」ことがプロジェクトを始めるきっかけだったそうです。

衛星写真を見てみるといろいろな海がある

海のクレヨンのパッケージより

このクレヨンは、スカパーJSATが持つ世界中の衛星写真から色を抽出して作られています。箱を開けて衛星写真を見てみると「海なのに青くない」「山なのに緑ではない」がたくさんあることがわかりました。前述のウクライナの海は上のパッケージ画像の右下にあたる写真です。

もう一つ、「その海が青くない理由」「山が緑ではない理由」がすべてにあったということもわかったのです。

名前はないが理由はある色

SATELLITE CRAYON PROJECTのクレヨン

SATELLITE CRAYON PROJECTでは第1弾として「海のクレヨン」、第2弾として「山のクレヨン」が作られました。そして、2025年3月に第3弾となる「湖のクレヨン」が発売されました。

左上:海のクレヨン/右上:山のクレヨン/下:湖のクレヨン

それぞれに12色のクレヨンが入っており、その巻紙と箱には通し番号(山のクレヨンのみ○月という表記)が入っています。そしてもう一つ、とても長い数字が記載されています。

山のクレヨンとパッケージ

長い数字はそのクレヨンの色が採取された地球の緯度と経度です。そして巻紙のどこにをみてもクレヨンには名前が書かれていません。このクレヨンには色の名前はありません。

でも、理由がある

でも、クレヨンにした色は、自然が作り出した色です。

毎年決まった季節に微生物が発生させる色。
何億年という大地の活動によって生み出された色。
川底で発酵した落葉や枝から、まるでお茶のように染み出す色。

それぞれにきちんとした理由があります。

クレヨンから地球を感じる

まずは色に触れてみよう

湖のクレヨンで遊んでみました。

今回ご紹介するものに「あか」「あお」といったクレヨンの色の名前がないので、お子さんは最初は戸惑うかもしれません。多少の偏りはあるものの、とてもきれいな色が揃っているクレヨンです。まずは普通のクレヨンと同じように遊んでみてください。

湖のクレヨンで描いてみました。

万が一、小さなお子さんが口に入れても大丈夫なように、みつろうを始めとした天然由来の素材を厳選して作られているというクレヨンです。かつて同じように安全性の高いクレヨンを使ったときに、とても硬く、色もほとんどつかず描きづらかったことを思い出したのですが、このシリーズのクレヨンは力を入れなくてもきれいに色が付き、のびのびと描ける。そしてカスがあまり出ない使いやすいものでした。

安全性と使いやすさを両立したクレヨンですね。

次に少しだけ考えてみましょう

「海のクレヨン」なのになんでこんな色なんだろう?


「山のクレヨン」なのにどうして?


「湖のクレヨン」なのに……?

小学生くらいのお子さんならば、色の不思議に気付くかもしれません。不思議だなと思ったらぜひ調べてみてください。パッケージには秘密へつながる鍵があります。

解説を読んでみよう

クレヨンの箱にはQRコードがあります。

箱には秘密につながる鍵、つまり印刷されたQRコードがあります。それを読み込むと解説のページへアクセスすることができます。クレヨン1本1本の色が採取された場所の衛星写真とともに、その海・山・湖がその色になった理由がとても簡単な言葉で書かれています。お子さんと一緒に読んでみましょう。そこで自然の面白さに気づけるかもしれません。

「化学変化が起きていることが理由の色」から化学への興味に。「山の噴火口の色」から地学へ。「気候の関係で生まれる色」から、地理への興味に結びつくかもしれません。

そこまで難しくなくても、「海にもいろいろな色があるんだ」「世界にはたくさんの個性的な山があるね」「湖の色って面白いね」と知ることができるはずです。

机の上で地球を感じられるクレヨン

初めは紙に色を塗ることを楽しんでみてください。そして、もしお子さんの口から「なんで?」という言葉が出てきたら、ぜひ地球を感じることを楽しんでみてください。

「海のクレヨン」「山のクレヨン」「湖のクレヨン」/スカパーJSAT
各2,420円(税込)

商品の詳細はこちら

文・構成:ふじいなおみ

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