映画『金の国 水の国』公開記念イベントが開催
「このマンガがすごい!」で、2017年に1位(オンナ編)を獲得した岩本ナオの同名コミックを、アニメーション映画化した『金の国 水の国』が1月27日(金)より公開されます。それに先駆け、本作の公開直前イベントが、1月18日(水)に開催され、W主演を務めた賀来賢人、浜辺美波が登壇。
本作は、敵対し合う2つの国を舞台に、偽りの夫婦を演じることになった一組の男女の物語を壮大なスケールで描いた感動作です。そこで、主人公2人の純粋な想いが、国の未来を変えていくというストーリーにちなみ、これからの国の未来を担う学生たちを招いて、学生限定の上映イベントを実施しました。
当日は、ゲストの情報が伝えられぬまま、作品を鑑賞し終えたばかりの学生たちの前に、W主演を務めた賀来さんと浜辺さんがサプライズ登場。会場に集まった100名の学生たちが大興奮するなかで、熱いトークが繰り広げられました!
賀来賢人と浜辺美波が語るアフレコの制作秘話とは?
普段は俳優であるおふたりは、やはり慣れないアフレコの現場では、共演した声優陣の方たちから学ぶことも多かったとか。
本作が3度目の声優経験となった賀来さんですが、収録中な何度もやり直すなど苦労を重ねたそうですが「完成した映画を観た時、自分の声ではあるけど、初めてキャラクターとして客観視できたという実感がありました。声優としてちょっとは成長できたんじゃないかなという思いはあります」とアフレコでの手応えを口にしました。
特に、金の国の左大臣・サラディーン役の神谷浩史との掛け合いが大きな経験になったそうで「神谷さんは声優界のスーパースターでいらっしゃるので、技術的なこととか声の抑揚とかすごいんですよ!監督の指示にすぐ反応していろんなパターンで返したり、声の魔術師みたいな感じだったので、聴いていて自分も上手くなった気になって乗ってきちゃって(笑)。プロの職人技を見たと言いますか、ショッキングでした!」と神谷さんの演技を絶賛しました。
浜辺さんは、最初は1人きりのアフレコ収録で不安を覚えていたそうですが、「賀来さんや(サラディーン役の)神谷浩史さん、(金の国の国王ラスタバン3世役の)銀河万丈さんが来てくださって、監督たちにも助けていただいて、一度折れた心がみなさんのおかげで戻って、強くなった気がします」と、共演者やスタッフたちに支えられたことで、サーラ役を演じきれたことを明かした。
さらに、お気に入りのキャラクターに犬のルクマンと猫のオドンチメグを挙げながら、2匹の声を担当した声優の麦穂あんなのテクニックに感心しきりでした。
浜辺さんは「犬と猫なので、2人の声優さんがいらっしゃるかと思っていたのに、同じ1人の声優さんがやられていると聞いてびっくりして!動物のお声をあてるのがすごく上手な声優さんで、愛らしいお声も表現されていました。アフレコでは会えなかったので、いつかお会いしてみたいです」と興奮気味に語りました。
悩める学生たちに賀来賢人や浜辺美波がエールを贈る!
イベントでは、会場に集まった学生たちから、今がんばっていることや叶えたい夢を前もって募集し、賀来と浜辺から直接応援メッセージが贈られるというコーナーも実施されました。
アニメ業界を目指して勉強中ながら、多くの課題を前に心打ちのめされそうになることがあると言う学生は、浜辺にずっと勇気をもらってきたといい、本人を目の前にし感極まって涙を流すという一幕もありました。
賀来さんが「やりたいことが明確で夢に突き進んでいること自体が素晴らしいこと、絶対に大丈夫ですよ。言霊もありますから、自分は大丈夫と言い続ければ大丈夫なんです!」と、まるで劇中のナランバヤルのように安心感たっぷりの力強いメッセージを贈りました。
浜辺さんも「出来ると思ったら出来るし、すごいと思ったらすごい!思い込みの力を借りて成功に導いてほしいなと思います。こういうご縁ですし、夢を引き続き応援したいです!」と優しい笑顔で学生を激励しました。
また、将来何をしたいかわからずに悩んでいるという大学生からの悩みに対して、賀来さんは「僕も大学に行っていたけど、やりたいことを見つけるために行って、見つからなかったんですよ」と大きく共感します。
さらに、賀来さんは、大学を続けるか俳優業に集中するかでかつて悩んだと自身の体験を語ったうえで「その時はわくわくするものを優先しました。わくわくするかもしれないというものを見る、知る、体感してみる。そういうことから始めてもいいんじゃないですか?人生ってそのときがすべてじゃないから、長いスパンで考えた時に、焦るよりも自分の決断に納得できるような時間のかけ方や決め方が出来たらいいと思います」とエールを贈りました。
また、10歳から芸能活動をスタートさせたという浜辺さんは、「やりたいことが他にあったかと言われたらわからないけど」と前置きしつつ、「振り返ってみた時に、10歳からこの仕事をしてきたことの積み重ねで私は出来ているんだなと思っていて。今はこれだ!というものがなくても、好きかもしれないというものに出会える可能性はたくさんあると思うので、穏やかな気持ちで心の間口を広くして過ごしていってほしいなと思います」とエールを送りました。
まさに、本作さながらに、賀来と浜辺による“最高純度のやさしさ”に溢れたアドバイスをもらった学生たち。会場からは2人に対して惜しみない拍手が送られました!
今回のイベントで、学生たちに元気と勇気をもらったという浜辺さんは、最後に「映画『金の国 水の国』は、ちょっとざらついた心とか失敗してボコボコになった心を水のように流してくれて、金のようにキラッとした心を取り戻してくれる映画だと思っています。ぜひ娯楽や心の気晴らしにお友達を誘っていただけると、私自身もうれしいです。みなさまの夢をこれからも応援しておりますので、私もこの機会を思い出として持って帰りたいと思います!」とコメント。
また、就職活動などで大変な学生もいるなかで、今回のイベントで時間を共有できたことがうれしかったという賀来さんは「この映画を観てよかったということを少しでも周りに広めていただいて、皆さんにもまた映画館に来ていただいて…そうしたらもしかしたら、全国の映画館で私たちがまたお悩み相談をやるかもしれませんので(笑)、またどこかでお会いできることを楽しみにしています!」と笑顔でイベントを締めくくりました。
『金の国 水の国』の概要
岩本ナオの同名漫画をアニメーション映画化した本作。舞台は、水以外は何でも手に入る商業国家である“金の国”と、豊かな水と緑に恵まれた“水の国”です。長年、国交が断絶し敵対していた2国でしたが、両国の思惑に巻き込まれ、“金の国”の王女サーラ(声:浜辺美波)と“水の国”の建築士ナランバヤル(声:賀来賢人)は、偽りの夫婦を演じることになります。お互いの想いを胸に秘めながらも、真実を言い出せない不器用な2人がついた優しい嘘が、国の未来を大きく変えていきます!
監督:渡邉こと乃 原作:岩本ナオ「金の国 水の国」(小学館フラワーコミックスαスペシャル刊)
声の出演:賀来賢人、浜辺美波、戸田恵子、神谷浩史、茶風林、てらそままさき、銀河万丈、木村昴、丸山壮史、沢城みゆき…ほか
公式HP:kinnokuni-mizunokuni-movie.jp
©岩本ナオ/小学館 ©2023「金の国 水の国」製作委員会
取材・文/山崎伸子