早々に担当して「逃げ切ったほうが楽」って本当?
わが子が小学校入学を控えているパパ・ママの中には、PTAの役割が回ってくるのではないかと、ハラハラしている人もいると思います。
もちろんPTAは、損得勘定で考える対象ではないとの考え方もあります。損得勘定で仮に考えたとしても、大変な面(損)を補って余りあるくらい、得する面のほうが大きいとの意見もあり、筆者もそう考えます。
ただ、共働きなどで物理的に参加が難しいという家庭では、できるだけ軽い負担の役目を早々に担当して、そのまま「逃げ切りたい」と本音では考えがちではないでしょうか。
では、その軽い負担の役目とは一体何なのでしょう。また、子どもが低学年のうちに早々に担当して「逃げ切ったほうが楽」という考え方は本当なのでしょうか。
HugKumでは独自に、小学生のお子さんを持つパパ・ママ765人に対してインターネット調査でPTAの役割負担について聞きました。
3年生までに引き受ける人が全体の7割
そもそも、アンケート調査協力者の765人のうち、PTA経験がある(現在、PTAの役員である)と答えた人は全体のほぼ半分くらい(48%)でした。
その「ある」と答えた皆さんは、お子さんが何年生の時に役割を引き受けたのでしょう。調査結果を見ると、以下のようになっています。
きれいに、低学年から並んでいますよね。わが子が3年生までに引き受ける人が全体の7割に達すると分かります。
早く終わらせたほうが楽
上のような結果の背景には、やはり「子どもが低学年の時に役員を引き受けたほうが負担は少ない」という発想があるのでしょうか。
半数近く(47%)の人が、「役員を引き受けるのに、負担の少ない学年がある」と耳にしている(経験して感じている)と回答しています。
中でも、1年生・2年生の低学年で早々に担当してしまったほうがいいと聞いて(考えて)いる人が圧倒的に多いと調査結果で分かっています。要するに、伝聞のとおりに皆さん行動しているのですね。
わが子が低学年のうちに役割を引き受けるメリットについて、体験者の声を拾ってみると、
- 活動が少ない [ 愛知県・女性 ]
- 何も分からないというスタンスでいられる [ 大阪府・女性 ]
- 委員長にならなくて済む [ 神奈川県・女性 ]
- 学校行事で親のする事が少ない [ 大分県・男性 ]
- 学年によって割り振られるイベントが異なり、一年生は割と楽なイベントだった [ 埼玉県・女性 ]
- 一年生は、楽な役員に配分される [ 奈良県・女性 ]
- 低学年のうちにすると、毎年ある抽選のヒヤヒヤから早く解放される [ 大阪府・女性 ]
- まだ何も分からない中で役をする方が皆さんに教えてもらえる [ 京都府・女性 ]
- 一年生の時やれば、卒業まで免除される [ 山口県・女性 ]
- 早いうちに役をしておけば、重要な役になりにくい。以降、役をする機会が減る [ 石川県・男性 ]
などのコメントが寄せられていました。
逆に、わが子が6年生時のPTAに関しては「卒業関連の行事で忙しくなる」「責任の重たい役をやらされる」などのネガティブなコメントが多く集まっていました。
「子どもが低学年の時に役員を引き受けたほうが負担は少ない」という風説には一定の信ぴょう性があるみたいですね。
ベルマーク委員はいまだに存在している
では、PTAの役割を早々に引き受けるとして、一体どの役に立候補すればいいのでしょう。子どもが低学年のうちに、しかも、負担の少ない役割を担当する形であれば、参加できる人も増えるかもしれません。
PTA経験者の先輩パパ・ママが考える「負担の少ないPTAの役割」は次のとおりです。(単位:票/765人が3つまで選択)
第1位がベルマーク委員(360票)、第2位以降に、美化・整備(286票)、校外・地区委員(189票)、学級委員(186票)、書記(129票)と続き、次いで、バザーやお祭りなど個々の行事実行(121票)、学年委員(100票)、会計・会計監査(80票)、副会長(68票)、広報(67票)が選ばれていました。
アナログな作業の割に結果が小さすぎて不要論も存在するみたいですが、先輩パパ・ママが選ぶ、最も負担の少ないと思われる係はベルマーク委員。あの懐かしいベルマーク集めはいまだに学校で続いているのですね。
ちなみに筆者は、わが子の学校でPTAの広報を連続して担当しています。メディア系の仕事をしている筆者の場合、広報誌づくりなど勝手知ったる作業なので気楽に感じます。上述の調査でトップ5に入るような役割でなくても、自分の得意分野、あるいは本業を生かせる分野がないか探して、早々に立候補してみる手もありかもしれませんね。
以上、PTAの役割をいつ引き受けるべきか、引き受けるなら何を引き受けるべきかについてでした。この春、お子さんが小学校に進学する皆さんは参考にしてみてくださいね。
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構成・文/坂本正敬
【アンケートの調査概要】
調査対象・人数:小学生のお子さんをもつパパママ 765人
調査期間・方法:2023年1月27日~2月9日 インターネットによる調査
【参考】
※ 「ベルマーク」は勘弁!母たちの切実な叫び – 東洋経済