【発達凸凹の子ども達へ・まり先生の解決記】こだわりがすごいけど・・・。「まあいっか」を練習をしてみよう!【マンガ あやまらなくていいんだよ】

発達凸凹の子どもたちにとっての「人生っていいもんだな」「学校って楽しいかも」を追求してきた、特別支援学校・支援学級(公認心理師)のまり先生が、学校でのあるあるトラブルを、ユーモラスに解決するエピソードをご紹介!

発達凸凹の子たちの想い

トラブルメーカーに見える子の行動の真意や、やればできるのに怠けているように見える子の想い、大人には理解できそうにない強いこだわりの理由などを知ると、子育て中のイライラが、爆発する前にボヤ騒ぎくらいで済む場合があるんです。

クスッと笑える漫画を得意とするイラストレーター エイイチとコラボして、子育てに愛と笑いと「まぁいっか」を注ぎ込む『大喜利的エデュケーションマンガ』第2弾!

あやまらなければダメ?

図工の授業中のこと。今は球体に夢中で、なんでも丸いものをつくりたくなるけど…

 

一本気(こだわり)があるってのは職人肌だよね

こだわりは、わがままじゃなく『安心材料』なことが多い。ひとまず、丸いものをつくって見てると安心するのかもしれないし、決まった洋服の色や袖の長さだと1日を落ち着いて過ごせるのかもしれない。

その『安心材料』というベースがあって、初めて「他の活動もやってみようかな」ってなるんだ。

なんでかな?

イレギュラーが苦手で、自分が想定できる状況にいることで、安心感を得る子もいるんだよね。

 

決まった道を通らないと気持ち悪い、決まった場所に片付けないと気持ち悪い、決まった順番でやらないと気が済まない。
でも、それができると安心する。

こうしてみるといいかもよ

ときどき、「まあいっか」を練習をしてみる。安心できる人と一緒に「まあいっか」をやってみて、そのまま楽しいことをやってたら、案外「大丈夫」なことも。

どうしても無理!は、無理強いしないけど、できそうなときに、「 まあいっか」でポジティブな経験を重ねて行くと、「それもあり」に繋がるよ。

公認心理師・松尾まりか先生が解説

こだわりには、こだわらない

私が若い頃、支援校の先輩先生によく言われていたのは、「こだわりには、こだわらない」でした。

子どもたちがこだわることに、周りの大人がやめさせようとこだわると、もっとこだわりが強くなる、という意味です。
だから、ヒラヒラしてる紐が好き! 長袖長ズボンしか着ない! 道順はコレ! リモコンは机の角に並べる! トイレは膀胱の容量ギリギリまで行かない! 白い物しか食べたくない! など、いろいろなこだわりポイントと遭遇してきましたが、どれも「ふ~ん、そうなんだね~」と受け流しながら、時々、楽しい雰囲気の中でマイナーチェンジをしてみます。

一旦こだわりを受け入れた方が、子どもは信頼してくれて、「まぁ、この人とならいっか…」と受け入れやすくなるから。

マイナーチェンジを子どもが受け入れなかったら「あ、だめなのね」で終わり、受け入れてくれたときには、スタンディングオベーションで喜びます!

次回も受け入れるとは限りませんが、その信頼できる人との「まぁいっか」の積み重ねが、折り合いをつけられる力になっていくんです。

理解するより発見する

発達凸凹の子のこだわりは、他人にとって理解しがたいことがあります。理解しよう!と躍起になっても、それは無理ゲー。

そんなときは、「理解する」より「発見する」に考え方を変えてみて。

理解しなくても、「へ~、そうなんだ」の「発見」にすると、こだわりの強い子と関わっていくことが少し楽になります。だって、友達でも夫婦でもそんな簡単に理解し合えないでしょ?
ほら、月見そばの卵の食べ方ひとつとっても、どのタイミングで割るか、それぞれのこだわりがあって、なかなか分かり合えないもの。(私はつゆを濁したくない派)

理解したい気持ちがありますが、こちらもしんどくなりますので、「へ~、なるほどね、そうきたか」「今回は、だめなのね」くらいの発見がちょうどいいです。

こちらのマンガもおすすめ

【発達凸凹の子ども達へ・まり先生の解決記】教室にいられないけど・・・。自分を整える方法を見つけて共有しよう!【マンガ あやまらなくていいんだよ】
発達凸凹の子たちの想い トラブルメーカーに見える子の行動の真意や、やればできるのに怠けているように見える子の想い、大人には理解できそうにな...

原作

松尾まりか|特別支援学校教員資格・公認心理師
日本と海外の特別支援学校で14年間勤務した後、特別支援学級で勤務。児童発達センターの指導員、乳幼児の発達相談員と、教育界と福祉界を渡り歩きつつ、発達が気になる子と関わる教員、支援員、高校の寮のハウスマスター向けに、すぐに実践できる研修も行う。モットーは、子どもたちの 『人生っていいもんだな、おもしろいな 』を増やしたい。小学校・幼稚園・特別支援学校教員資格・公認心理師。

企画構成イラスト

エイイチ|イラストレーター
テレビや書籍にて漫画、挿絵、芸能人の似顔絵を描いているほか、学校の教材アニメーションを制作したりするなど、多様なコンテンツを手がける。著書に「見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々」(小学館)「スキンヘッドパパの育児日記」(日経BP)など。東京都生活文化スポーツ局「パパズ・スタイル」にて子育て漫画を連載中。

 

編集部おすすめ

関連記事