原作ファンを裏切らないアニメキャラの魅力
10月5日よりスタートしたTVアニメ「柚木さんちの四兄弟。」(毎週木曜日TOKYO MX/BS11/AT‐Xほかで放送)。第1話ですでに四兄弟のキャラクターの立ち位置がしっかりと描かれていてつかみOK。彼らの生き生きとしたやりとりにほっこりしたり、時に切なくなったりしながら、濃厚な30分を堪能させてもらいました。きっと原作ファンも大満足のクオリティーに仕上がったのでは?
小学館「ベツコミ」にて連載中の同名原作コミックは、笑いと涙のストーリーに加え、四兄弟をはじめとする個性あふれるキャラクターたちの愛おしさが支持され、“読めばハマる漫画”として話題を呼びました。2021年には「小学館漫画賞」で第66回(2020年度)少女向け部門を受賞。すでに15巻が発刊されたコミックは、2023年に入ってからも重版されています。
TVアニメを手掛けたのは、「夏目友人帳」「宝石商リチャード氏の謎鑑定」など、丁寧な作品作りに定評のあるアニメーション制作スタジオ・朱夏。四兄弟によるテンポのいい掛け合いはもちろん、画が物語るエモーショナルなシーンに心を鷲づかみされました。
四兄弟の思いやりがそれぞれの目線から描かれる
数年前に両親を亡くした柚木家四兄弟。一家の大黒柱である23歳の長男・隼(はやと)、クールで”釈迦”と呼ばれる一面がある一方、湊が大好きですべてを「かわいい」と許容するブラコン気味な13歳の次男・尊(みこと)、元気で兄弟思いだが空回りをしがちで不器用な12歳の三男・湊(みなと)、しっかりもので”仙人”と呼ばれるほど達観している小学 1 年生の四男・岳(がくと)という家族構成です。
第1話では、ある朝、いつも家事に追われている隼を助けようと、湊が気を利かせたつもりで朝ごはんの準備をしたものの、いろいろなものを焦がしてしまい、結局、隼に叱られてしまうことに。その後、岳が花火大会に行きたがっていることを知った湊は、自分が頼りになるところを見せるチャンスだと思い、岳を連れ出すも、これまたいろんな面で詰めが甘く、大失態を犯してしまいます。
本作では、隼が弟たちの通う学校で高等部の教師をしているという設定なので、家での団らんシーンだけではなく、学校でのやりとりも描かれるという設定がミソ。時折、学校で出会ってやりとりをする場面からも、四兄弟の関係性が垣間見えます。それぞれの年齢によって、物事の捉え方や考え方も異なりますが、そのやりとりを見ていると、彼らが互いに支え合っている様子がうかがえます。
親のサポートがない中で、それぞれが家事だけではなく、いろんな役割分担をして生活している様子を見て、子育て中のママやパパは、きっと感情を揺さぶられたのではないかと。
また、第1回では、花火大会のシーンがハイライトになっていました。いろいろあって、図らずもそこに集った四兄弟。少しだけ行き違っていた想いがそこでようやくつながって、一件落着です。同シーンでは原作の世界観がとても立体的に、かつ美しく再現されていて、TVアニメならではの醍醐味を感じました。
第2話「湊と尊」で明かされる兄弟の過去とは?
本日、第2話が放送されますが、今回は次男の尊と、三男の湊とのエピソードが軸になっています。11か月差で生まれたことで、同級生となった2人。身長はもちろん、隼からも頼りにされ、とても大人びている尊に、湊がコンプレックスを抱いていることは、第1話で描かれました。
その一方で、尊は湊のことを常に気にかけてかわいがっています。同級生の二階堂からも「なんで湊にそんな優しいの?」「兄弟ってそういうもんなの?」と言われたことで、尊は湊と自分の幼少期を思い出します。果たして尊が湊を溺愛するようになったきっかけとは?
ぜひ次回も、四兄弟が織りなすアンサンブルをめいっぱいお楽しみください!
文/山崎伸子
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柚木さんちは隼(はやと)、尊(みこと)、湊(みなと)、岳(がくと)の4人兄弟。長男の隼を中心に毎日を楽しく、忙しく力一杯暮らしています。そんな生活の中、家庭で、学校で、ご近所で巻き起こる涙と笑いと感動のドラマお届けします!
◆9/26に原作コミックス「柚木さんちの四兄弟。」の最新15巻が発売!
◆10/5にノベライズ(ジュニア文庫)が、2巻同時発売されました!
Ⓒ藤沢志月・小学館/「柚木さんちの四兄弟。」製作委員会