中学受験塾・花まるグループ進学塾部門「スクールFC」代表松島先生に聞きました
今回お話を伺ったのは、スクールFC代表の松島伸浩先生。これまでのべ10,000件以上の受験相談や教育相談を通して、中学受験をする親子をサポートしてきた実績があり、保護者からも絶大な支持を得ています。前編では、中学受験をするかしないか、またそれを子どもにどう伝えるべきか、ママやパパから多く聞かれる疑問に答えてもらいました。
Q1.「中学受験をする・しない」決めるのは子ども?親?
中学受験をするご家庭で、受験をする・しないを決めているのは親と子、どちらなんでしょう?
小学3年生くらいで入塾を検討される方が多いですが、そのくらいの年齢の子どもが自ら『受験をしたいから塾に行く』と決断することは少なく、ほとんどは親御さんが決めています。しかし、実際に通うのは子どもということもあるので、何も説明せずに勝手に塾を決めてしまうのではなく「こういうことを勉強できる塾があるんだけど行ってみる?」「算数が好きなら、塾に行ってもっと勉強してみない?」などと、少しずつ塾の話題を振りながら、子どもに意思確認をするようにしましょう。
もし、興味を持たなかったり、いまいちわかっていなかったりするようであれば、体験授業や全国共通テストを受けるのもきっかけになります。その段階ではっきりと「中学受験をする・しない」が決まっていなくてもOK。まずは子どもに合う塾を見つけて通う中で、少しずつ中学受験の話題に触れていくのでもよいと思います。
Q2. 中学受験をしてほしいと子どもに伝えるよい方法は?
中学受験をしてほしいと子どもに伝えるとき、どんな伝え方がよいのでしょうか?
親主導で中学受験を進める時は特に、「中学受験をすると、どんないいことがあるのか」というメリットを子どもに説明してあげたいですよね。子どもがイメージしやすいように伝えるのは難しいですが、例えば以下のような言い方があります。
・高校受験をしなくてもいいので、6年間クラブ活動や好きなことにじっくりと取り組めるよ。
・私立の先生は転勤が少ないので、大好きな先生ができたら、中学や高校でも学校に行くのが楽しくなるよね。
・受験した学校が同じということは、好きなものが同じとか、話が合う友達がたくさんできるかもしれないよね。
上記は一部ですし、一概には言えない部分もありますが、中学受験をするメリットとして挙げられるかと思います。しかし同じように、地元の公立校に通うことや高校受験をすることのメリットもあるので、我が子にとってどうすることが一番いいのかを検討しましょう。
Q3. 中学受験に向いている子、向いていない子はどんな子?
中学受験に興味を持ちながらも「我が子は向いていないかもしれない」と考える保護者の方も多いかと思います……
中学受験は、「向く・向かない」ではなく「やるか・やらないか」。あとは親御さんが「やる」と決めたなら、その理由や目的を明確にしておきましょう。それらと照らし合わせながら、我が子に向く受験の形を見つけていくのが親の役割だと思います。そうは言っても、中学受験をする中で時に、最初に目指したいと思っていた学校を変更する、塾が合わないから転塾するなど方向転換を余儀なくされることもあると思います。その時も「なぜ中学受験をするのか」その理由や目的に立ち返って柔軟に対応していくことが大切です。
子どもの成績が振るわなかったり、モチベーションを持てなかったりして悩む時期もあると思います。気づかないうちに、親御さんの視野が狭くなっていくこともあります。そんな時は、塾の先生に相談して、子どもにとっての「現時点での最善はなにか。それが難しいようなら、次善の方法として何が考えられるか」について話し合うことが大切。視野を広く持っている塾の先生の意見を取り入れているご家庭は、受験がうまくいっている印象があります。