キャベツと豚肉を甘味噌で炒めるのがホイコーローです。お家のキッチンで作るポイントをまとめたので、レシピと共にご覧ください。中華料理専門店で使う調味料や、特別な工程がなくてもおいしく仕上がります。また、ほんの少しアレンジするなら、どんな方法があるかみていきましょう。
基本的なレシピ
もともとホイコーロー(回鍋肉)とは四川料理で、キャベツではなく、葉ニンニクと豚肉を炒めたものです。「肉」は豚肉、「回鍋」は戻るの意味。つまり、肉を鍋に戻し入れることから「回鍋肉」の名前になりました。
作り方のポイント
基本的なホイコーローは、ご家庭で作ると単なる「キャベツと豚肉の炒め物」になってしまいがち。そうならないポイントを挙げます。
バラ肉を弱火でじっくりと炒めると、肉の持つ余分な油が出てきます。この油で豚肉を揚げるように焼くことで、香ばしい焼き色がつきおいしく仕上がります。
また、中華用調味料の甜麺醤(てんめんじゃん)や、味噌を使う場合は焦げやすいので注意して炒めてください。豚肉に調味料がしっかりとまとわりつくことを意識します。
一方で、野菜を入れたら強火にし、余分な水分を飛ばしながら仕上げると本格的です。
ホイコーローの子供向けレシピ(甜麺醤なし)
実際にホイコーローを作る工程をご覧ください。甜麺醤は使わず、お家にある味噌を使えば、お子さんにも食べやすい味に。
また、かたまり肉を使うとより旨味が出ますが、これにこだわらなくても、豚バラのスライス肉や、豚ロースでも作るのもおいしいです。
・材料
(3~4人分)
キャベツ 1/2個
豚バラ(かたまり肉) 300g
油 大さじ1強
【合わせ調味料】
味噌 大さじ1
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
・作り方
【1】豚肉に塩(分量外)を全体にすりこみ、 ビニール袋、またはラップでピッチリと包みます。このまま冷蔵庫で30分くらい馴染ませます。
【2】キャベツの芯を取り、 大きめのザク切りにします。
【3】 フライパンを温めて油でキャベツを炒めてください。全体に火がとおり、かさが減ってきたらいったん取り出しておきます。
【4】冷蔵庫から取り出したかたまり肉を、4~5㎜厚さの薄切りにします。
かたまり肉をカットする時は、写真のように繊維を分断する方向に包丁を入れます。これで柔らかく仕上がります。
【5】フライパンに油を少々を足し、肉を中火でこんがり炒めます。出てきた脂で揚げるように焼くのがコツ。
【6】合わせ調味料を加えて強火にし、キャベツを戻します。味をからめながら手早く炒め合わせてください。くれぐれも焦げないように、ご注意を。
手軽なレトルト回鍋肉
さらに簡単に作りたい場合は、レトルトの調味料を使うと素早く仕上がり、おいしいですよ。忙しい日々のお助け食材として、賢く使いたいですね。
エスビー食品 李錦記 回鍋肉の素 70g ×6箱
特製中華味噌で作られた合わせ調味料です。用意するのは、豚バラ肉、キャベツ、ピーマン、ネギなど。
本格派の作り方
ご家庭でお馴染みのホイコーローですが、本場のレシピを覗いて見ると、ワンランクアップへのヒントが見つかります。取り入れられそうな点は、試してみると新しい味に出会えるかもしれません。
本格的な回鍋肉レシピ
本場四川の調味料を使って仕上げる本格的なレシピです。どんなところに違いがあるのか、ご覧ください。
・材料
(4人分)
豚バラ肉(塊) 200g
キャベツ 200g
ピーマン 2個
赤ピーマン 1個
ネギ 1本
ニンニク 2片
油 大さじ3を2回
【合わせ調味料】
豆板醤 小さじ2
酒醸 大さじ1
甜麺醤 大さじ1
紹興酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ3
・作り方
【1】豚バラ肉は熱湯の入った鍋に入れ、沸騰したら火を弱めて30分間茹でます。引き上げたら水に落として冷まし、水気をふき取ります。2〜3mmの厚さで薄切りにカットします。
【2】キャベツは固い芯を切り取り、5〜6cmの大きさにカットします。
【3】ピーマン、赤ピーマンは縦半分に切り、 種と筋を取ってから三角形に切ります。ニンニクは芽を外して薄切りに。ネギは斜めに1cmの長さに切ります。
【4】鍋に油を入れ、ピーマン、赤ピーマン、キャベツを炒めてしんなりしたら取り出します。
【5】鍋に油を入れ、豚肉の表面に焦げ目がつきカリッとなるまで炒めます。 ニンニクと豆板醤を入れて香りと色がでるまで炒めます。
【6】酒醸を加えて炒め、甜麵醬、ネギ、【4】の野菜、紹興酒、醬油を入れ、全体に調味料がからみつくように炒め合わせます。
ホイコーローにバリエーションを
家庭向けレシピと、本格派レシピを比べてみると、茹でる工程がある他、調味料も本格的です。冷蔵庫にあれば少量加えることで、一味違う仕上がりになるので試してみてください。
その他にアレンジしやすい素材をまとめました。
味噌の種類
お味噌汁を作る味噌を使う場合は、砂糖を加えて甘みを足します。馴染みやすい味に仕上がり、間違いありません。
本格中華料理の場合は甜麺醤を使いますが、これは小麦粉を発酵させて作った甘い味噌なので、意外にもお子さんでも食べやすい味です。少量加えるだけで、発酵の奥深さが味わえます。
ただし、甘い味噌は焦げやすい点に注意が必要です。最後の仕上げに回しかけ、サッと炒めて仕上げるような使い方が向いています。
コチュジャンで代用
豆板醤とよく似た使い方ができるのが、韓国のコチュジャンです。
米、麹、唐辛子を発酵させているので、強い辛みがあります。回鍋肉には甘味噌の甜麺醤に、辛味噌の豆板醤を混ぜて使う場合がありますが、代用としてコチュジャンを使ってもいいでしょう。ただし、かなり辛みは強くなるので、お子さんには不向きです。
牛肉の使用
ホイコーローには脂肪を含むバラ肉が向いていますが、牛肉で作るのがお好きな方も多いです。その場合は、薄切り肉や焼き肉用を使ってください。
中華料理のホイコーロー
ホイコーローの本格的なものはスパイスの香りと、爽やかな辛みがあるメニューです。お家で作る際にも少し中華料理を意識して作ることで、味に違いが出ますよ。お好みでアレンジができると、飽きずに食べることができるので、ぜひ参考にしてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)