食通が好む味⁉「やげん軟骨」を自宅で味わう。焼く・煮る・揚げる…バリエーション・レシピを公開!

プリッとした歯ごたえと、甘みのある旨味が味わえる鶏の軟骨、「やげん軟骨」の特徴を理解して、深い味わいを楽しみましょう。シンプルな串焼きの他、煮物に利用する方法を詳しく説明します。鶏の唐揚げ好きのご家族に、ぜひおすすめです。

「とがった軟骨」とも呼ばれるやげん軟骨は、焼いても揚げても旨味が出て、おいしい料理に仕上がります。また、カルシウムが豊富なので、育ち盛りのお子さんにはピッタリ。コリコリとした食感で、アゴの発育も促します。コラーゲンも多いことから、女性にも嬉しい食材なんですよ。

難しい下処理は、特にありません。食卓に取り入れる方法をみていきましょう。

やげん軟骨とは

Y字の船形をしたやげん軟骨。どんな食材なのでしょうか?

胸骨の先端部位

鶏の軟骨といえば、膝軟骨の「ゲンコツ」がありますが、「やげん軟骨」はこれと違い、鶏の胸部にある軟骨です。コリコリとした食感と、濃厚な旨味がたっぷり味わえる部位ですが、1羽につき30gしかとれない希少なもの。流通も少ないため、見かけることは稀です。

薬研。薬材などを磨り潰して粉末にするために使う

ちなみに、「やげん」とは「薬研」と書き、漢方薬などの材料をすり潰すための道具のこと。形が似ていることが、由来とされています。また、河童のくちばしにも似ていることから、「かっぱ軟骨」と呼ばれることも。

国産 鶏肉 やげん軟骨 約500g

スーパーではなかなか見かけない、やげん軟骨の購入は、通販が便利です。冷凍で届くものなら、常備食品としても便利。お好みの調理法で調理して、味わってください。

やげん軟骨には骨だけの場合と、身がついているものがあり、これは販売するお店によって異なります。唐揚げが大好きなお子さん向けには、身を取り除いていないものがよいでしょう。骨だけのものは、旨味があるのでおつまみに仕上げて。

子どもも喜ぶ! 人気のやげん軟骨、調理法3種

やげん軟骨は、焼き鳥や唐揚げにすると、香ばしくてジューシーなおいしさを味わうことができます。

やげん軟骨の焼き方

バーベキューで炭焼きにすると、手軽に素材の旨味を堪能できますが、もちろん、お家のキッチンでの調理も簡単。魚焼きグリルやオーブンなどをお使いください。

身つきのやげん軟骨なら、肉のジューシーさとコリコリ感が一緒に味わえますよ。こんがりと焼いて大根おろしや薬味と合わせれば、居酒屋メニューが完成。

・魚焼きグリルでの焼き方

魚焼きグリルでの調理は、火加減を中火でじっくりと焼いてください。軟骨に、少し焼き目がつくくらいが、おいしい焼き加減です。

串に刺して焼く場合は、あらかじめアルミホイルを巻いてから焼けば、串が焦げ落ちません。

お家で焼き鳥屋さんの味が、楽しめます。
お家で焼き鳥屋さんの味が、楽しめます。

味付けは、塩を振りかけるだけが定番。

・オーブンでの焼き方

200℃に温めたオーブンで、15分から20分、加熱してください。オーブントースターでも。

フライパンでの炒め方

フライパンでの加熱は、炒め料理に仕上げるとおいしいですよ。味付けは、ガーリックしょうゆや、塩にお好みの香辛料をプラスしても◎。

今回はレモンで酸味を加え、さっぱりと仕上げます。工程をみながらご確認ください。

・材料

やげん軟骨 150g
白ワイン 小さじ2
塩こしょう 少々
レモン汁 小さじ2
オリーブオイル 大さじ1

・作り方

【1】フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、やげん軟骨の身を下にして焼きます。

 

フライパンの場合は、油をひいて、炒め焼きにします。
フライパンの場合は、油をひいて、炒め焼きに。

【2】焼色がついたら返し、白ワインを加えてフタをしてください。2分ほど蒸し焼きにした後、軽く焦げめがつくまでしっかりと焼くのがポイント。

【3】火を止め、塩こしょうで味を整えて。レモン汁を回しかけて仕上げます。

揚げ方

唐揚げに使われるのは膝軟骨が多いですが、やげん軟骨で作ると食べごたえがあります。いつもの唐揚げレシピで作っても、食感まったく違うので、試してください。

・材料

やげん軟骨 180g

【下味】
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
にんにく 1片
しょうが 1片
塩こしょう 少々

【衣】
薄力粉 大さじ3
片栗粉 大さじ1

・作り方

【1】やげん軟骨に【下味】の材料を加えて揉み込み、馴染ませます。

【2】余分な汁気をキッチンペーパーで取った後、【衣】の材料を振ってください。

【3】鍋に油を用意し、170℃で揚げます。引き上げて油を切ります。

揚げない、やげん軟骨レシピ

やげん軟骨は、おでんの具や煮込み料理などに使ってもおいしく味わうことができる素材です。基本的な茹で方を確認して、さまざまな料理に活用しましょう。

やげん軟骨を茹でてみる

ごくシンプルな、水から茹でる方法は、スープや煮物を作る際のご参考に。

【1】鍋に水を入れ、やげん軟骨を加えて火にかけます。しょうがの皮、ネギの青い部分などを一緒に入れると、くさみ消しに。

【2】アクが出てきたら取り除きながら10分程度煮ます。水が少なくなれば、加えてください。

【3】軟骨が柔らかくなったら出来上がりです。スープにも旨味が出ているので、スープごと使うのがおすすめ。

やげん軟骨の甘辛煮

ご飯にもよく合う、甘辛煮の作り方です。軟骨が柔らかくなって、味がよく染みますよ。お弁当用に常備したい味。

・材料

やげん軟骨 250g

【A】
砂糖 30g
しょうゆ 大さじ2
酢 大さじ1.5
酒 大さじ2
みりん 大さじ2

油 適量

しょうが 1片
白いりごま 適量

・作り方

【1】フライパンに薄く油をひき、温めてからやげん軟骨を入れます。

【2】軽く焼色がついたら、【A】の材料とスライスしたしょうがを加えて。

お水は入れず、お酒の旨味で柔らかく煮てください。
お水は入れず、お酒の旨味で柔らかく煮てください。

【3】落し蓋をして、10分程度煮ると、汁気がなくなってきます。

ここからは、焦げないように注意。
ここからは、焦げないように注意。

【4】タレが全体に絡むように煮詰めてください。器に盛り付け、最後に白いりごまを振りかけます。

鶏料理のレパートリーに加えて

旨味があって、コリコリした食感が味わい深い、やげん軟骨について詳しくみてきました。

鶏の強い旨味と独特の食感は、お子さんにとっても絶品の味わいかもしれません。大人にはお酒のおつまみとして人気がある部位です。キッチンでの調理も簡単なので、ぜひ作ってみてくださいね。新しい鶏料理のレパートリーにどうぞ。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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