【自由研究におすすめ】ペットボトルに竜巻を作ろう!気象予報士が教える天気の実験

夏休みの自由研究やおうち時間に、家の中で手軽に楽しめる天気の実験はいかがでしょうか。今回は「ペットボトルの中に竜巻を作る実験」を、気象予報士の酒井千佳がご紹介します。ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてください!

ペットボトルの中に竜巻をつくる実験

積乱雲から地上へと細長く伸びる激しい渦巻、竜巻。
今回は水を入れたペットボトルの中に竜巻の渦を作ってみましょう。

準備するもの

・500mlのペットボトル 2本(炭酸飲料のもの。キャップは炭酸飲料以外のものがおすすめ。)
・ペットボトル用の接着剤
・ビニールテープ
・きり
・はさみ

2つのペットボトルのキャップの上側を合わせて、隙間ができないように接着剤でくっつけます。

水が漏れてこないように、くっつけたペットボトルのキャップの周りにビニールテープを巻いてしっかり止めます。

くっつけたペットボトルのキャップの真ん中に、きりで穴を開けます。きりをライターなどの火で少しあぶって熱してから当てると、すぐに穴が開きます。
ケガややけどをしないように気を付けてくださいね。※危ないので、親御さんがそばで見守り、火を使うときやきり・はさみを使うときはサポートしてください。

きりであけた穴にはさみを入れて穴を少しずつ大きくしていきます。はさみも熱してから使うと開けやすく、力はいりません。

直径が8mmぐらいになるまで広げます。

7、8分目まで水を入れたペットボトルにキャップをつけて、その上に空のペットボトルもつなぎます。
今回は分かりやすいように水に色をつけていますが、普通の水で大丈夫です。

ペットボトルをさかさまにして、キャップの部分を片手でしっかり持ちながら上のペットボトルを持ち、円を描くようにすばやく揺らします。

そのままペットボトルを立てると、上のペットボトルの水の真ん中に竜巻状の渦ができて水が下に落ちていきます。

一度渦ができるとそのまま置いておいても、水が落ちるまでずっと観察できます。

この実験のポイント

ポイントは、回転の力を加えたことです。ペットボトルをひっくり返しただけでは、水は流れ落ちていきません。これは下のペットボトルに入っている空気が上の水を圧迫しているからです。
ペットボトルに回転する力を加えたことで、上のペットボトルの水が回転して外にひっぱられ、水の真ん中に空気の通り道ができました。下のペットボトルの空気が回りながら上に移動すると、上のペットボトルから水が落ちてくるのです。

竜巻のしくみ

本物の竜巻も、ペットボトルの中で発生した渦と同じように、空気が上昇する力と横に回転する力で発生します。
積乱雲の下で発生する空気の渦がはじめはゆっくり回転していますが、回転の中心に近づくにつれ速くなり、上昇気流に巻き込まれて激しい渦の竜巻になります。

竜巻はいつ発生する?

竜巻はあまりなじみがないかもしれませんが、日本では1年に約20件(2007~2023年、海上竜巻を除く)発生しています。日本では季節や時間を問わず発生する竜巻ですが、起こりやすいのは夏から秋にかけてです。また夜間よりも昼間に多く確認されていて、ピークは11~18時の間になっています。

竜巻はかなり狭い範囲で起こる現象です。地形や積乱雲の中の空気の流れなど、たくさんの要因が複雑に絡み合って発生するので、現在のところは予想することはできません。

竜巻は必ず発達した積乱雲のもとで起こります。雷の音が聞こえたり、急に空が暗くなったり、冷たい風邪が吹いてきたり、ひょうが降ってきたりするのは、積乱雲が近くにあるサイン。
そのような時はすぐに頑丈な建物のなかに入り、窓から離れた場所にいるようにしましょう。

気象予報士|酒井千佳
フリーキャスター、気象予報士、保育士。
京都大学 工学部建築学科卒業。
北陸放送アナウンサー、テレビ大阪アナウンサーを経て2012年よりフリーキャスターに。
NHK「おはよう日本」、フジテレビ「Live news it」、読売テレビ「ミヤネ屋」などで気象キャスターを務める。
現在は株式会社トウキト代表として陶芸の普及に努めているほか、2歳からの空の教室「そらり」を主宰、子どもの防災教育に携わっている。

こちらの記事もおすすめ

【自由研究におすすめ】画用紙の上に虹をつくってみよう!気象予報士が教える天気の実験
画用紙に虹をつくる実験 雨の降ったあと、太陽を背にすると空に虹が見えることがあります。ここでは部屋の中でも見ることのできる虹を画用紙のなか...

夏休み☆自由研究ハック

編集部おすすめ

関連記事