ブルネイってどんな国?
ボルネオ島の北部にあるブルネイは、三重県ほどの面積に約44万人が暮らす小さな国です。イギリス領だった時代がありますが、1984年に完全独立。石油や天然ガスなどの豊富な資源によって、とても裕福な国です。そんなブルネイについて、どんな国なのか見ていきましょう。
ブルネイ基本情報

まずはブルネイの場所、首都、面積、人口、民族などの基本情報から見てみましょう。
国名
ブルネイ・ダルサラーム国
首都
バンダル・スリ・ブガワン
場所

ブルネイがあるのは、東南アジアのボルネオ島です。グリーンランド島、ニューギニア島に次いで世界で3番目に大きな島で、ブルネイはその島北部を占めています。
ボルネオ島の南側はインドネシアで、ブルネイの東西はマレーシアによって囲まれています。
日本との時差
1時間
日本のほうがブルネイより1時間進んでいます。
面積
5765㎢
三重県の面積が5777㎢ですから、ブルネイの面積は三重県とほぼ同じです。
エリア
ブルネイには4つの地区と39の郡があり、首都のバンダル・スリ・ブガワンがあるのはブルネイ・ムアラ地区です。

人口
44万人
東京都葛飾区の人口が約44万人ですから、ブルネイの人口はほぼ同じです。
言語・公用語
マレー語(公用語)
英語が広く使われ、華人の間では中国語もある程度使われています。
通貨
ブルネイ・ドル
1 ブルネイ・ドル=115.14円(2025年8月11日現在)

宗教
イスラム教(国教、82.1%)、仏教(6.3%)、キリスト教(6.7%)、その他および無宗教(4.9%)
歴史
ブルネイの過去の歴史を述べている文献は少ないですが、14世紀末にアラク・ベタタール王がイスラム教に改宗して初代スルタン・モハマッドとなったことがわかっています。
その後、1888年にイギリスと保護協定を結び、1906年にはイギリスの保護領となりました。しかし現地では反対運動がおこり、1962年には「アザハリの反乱」と呼ばれる事態まで発展しました。1984年にはイギリスから完全独立を果たし、ASEANに加盟して国際社会でも存在感を高めています。

国旗
ブルネイはマレー語で「ココナッツ」を意味し、「ダルサラーム」はアラビア語の「ダル(土地、村落)」と「サラーム(平和、平和な土地)」を意味します。
ブルネイの国旗は背景に黄色と黒が使われ、中央にイスラムのシンボルが描かれたデザイン。黄色はマレー人にとって幸福の色とされています。

天気・気候
ブルネイは赤道に近く、熱帯雨林気候に属しています。年間の平均気温は26~27℃程度で、季節は雨季と乾季にわかれます。
ブルネイの治安・住みやすさ
ブルネイの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安は良好
ブルネイの治安は良好です。国民の大部分が敬虔なイスラム教徒であり、国がとても豊かで経済基盤もしっかりしていることから、凶悪犯罪の発生率が低く、比較的治安が良い国です。外務省「海外安全ホームページ」でも、特別な危険情報は発令されていません。
ただし車上荒らしや空き巣、窃盗などの事件が多く、ショッピングモールやホテル、レストランなどではスリ、ひったくり、置き引きもありますので、十分に注意する必要があります。多額の現金や貴重品は持ち歩かない、目立つ服装で外出しない、見知らぬ人を安易に信用しないといった心がけが必要です。

Photo by DeltaSquad833, CC 表示-継承 4.0, Wikimedia Commons
住みやすさも良好
ブルネイは日本から近くて時差も1時間、さらに治安面もいいことから、英語を学ぶための留学先としても知られています。日本人も比較的暮らしやすい国のひとつといえるでしょう。
ただしブルネイは国教がイスラム教であることから、人前では飲酒しない、露出度の高い服装は着ないといった、現地の文化にあわせた暮らしが必要でしょう。
ブルネイの見どころ・観光
ここからは、ブルネイの見どころや観光スポットをご紹介します。
日本のパスポートを持っていれば、14日以内の観光目的での滞在ならブルネイにビザ無しで入国できます。ちなみにブルネイの国教であるイスラム教では、毎週金曜日は安息日で合同礼拝が行われます。国民の祝日と定められており、政府機関や学校は休みとなります。
スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(オールドモスク)
ブルネイではずせない観光スポットが通称「オールドモスク」で、ラグーンのすぐ横に建てられています。夜にはライトアップされ、周囲の公園とともに美しい夜景を臨めます。

ジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク(ニューモスク)
「オールドモスク」とあわせて二大モスクといわれるのが、通称「ニューモスク」。5000人も収容できる大きさで、ドーム部分には純金があしらわれており豪華さも大きさもトップクラスです。

カンポン・アイール
ブルネイの観光スポットで定番なのが、「カンポン・アイール」と名付けられた水上集落。ブルネイ川に浮かぶ集落で、住居のほかに学校、病院、スーパーなども揃っています。水上タクシーに乗って観光しましょう。

ブルネイの特徴・有名なもの
石油・天然ガスによる高い所得水準
ブルネイは石油や天然ガスなどの資源を豊富に産出する国で、それらを日本を含めた世界各国に輸出しています。
安定した経済状況にあり、1人あたりのGDPはASEAN内でシンガポールに次いで2番目に高く、国民も高い所得水準を維持しています。教育費も医療費も無料で、所得税もありません。ブルネイは、アジアの中でもとても裕福な国のひとつなのです。

天然資源が豊富で社会福祉も充実しているブルネイ
ブルネイの国王は世界トップクラスの富豪
ブルネイの現在の国王は、ハサナル・ボルキアです。裕福な国の王だけあって、とてもお金持ちです。国王の個人資産は約200億ドルともいわれ、世界でもトップクラスの富豪です。
ブルネイにあるアジア最大の遊園地「ジュルドンパーク」は、国王が48歳の誕生日の記念に国民への贈り物として私財を投じて建設しました。

世界の7つ星ホテルがある
世界に2つしかないといわれる、7つ星の超ラグジュアリーホテル。ひとつはドバイにある「Burj Al Arab(ブルジュ・アル・アラブ)」で、もうひとつがブルネイの「The Empire Brunei(ザ・エンパイア・ホテル)」です。国王の宮殿のような豪華さで、5つ星を超える最高級のステイを体験できるといわれています。
東南アジアの裕福な国、ブルネイ
ブルネイという名前は聞いたことはあっても、どんな国か知らない人も多いのではないでしょうか? 日本から近い場所にあり、石油や天然ガスを産出することからとても裕福な国として知られています。国王は富豪で、国民は教育費も医療費もすべて無料。国民所得が高く、治安もいい国です。
日本からもアクセスしやすい場所にあり、英語留学先としてブルネイを選ぶ人もいます。そんなブルネイに、この記事をきっかけに目を向けてみてくださいね。
こちらの記事もおすすめ
文・構成/HugKum編集部

