「話しかけても反応が薄い」「やばいを連発」反抗期の小学生への対処法をモンテッソーリ流に解説!

「モンテッソーリ教師あきえの子育てROOM」では、毎回ママやパパのお悩みに寄りそった記事をお届けしています。
前回に引き続き「小学生」のお悩みの中から今回は「子どもの反抗期」について。誰もが発達の過程で迎えるといわれる「反抗期」を親はどう捉え子どもと向き合うとよいのか、あきえ先生に伺います。

6~12歳の児童期はどういう時期? 反抗期のピークはいつ?

子どもは「自立・自律」に向かって日々、さまざまなことを吸収しながら成長していきます。その成長する期間は、24年間と言われています。

発達のエネルギーがMAXになるのは3歳と15歳

モンテッソーリ教育では、その24年間を上の表のように捉えます。6年間の発達を4回繰り返すのですが、赤の時期は発達のエネルギーが強く、青の時期は比較的穏やか

2回ある赤の時期のちょうど真ん中にある3歳と15歳は、それぞれ俗に「イヤイヤ期」「第二次反抗期」と言われる時期にあたり、エネルギーがMAXになる時期です。

この表を見ると「小学生は反抗期ではないのでは?」と思うかもしれませんが、反抗期には個人差があり、強く反抗をする子がいたり、全く反抗をしない子もいます。そのため、児童期に「これって反抗期なのかな?」と思うような言動を目の当たりにする親御さんは多くいらっしゃると思います。

無視をしたり反応が薄かったりするのは理由がある

パーソナルな空間と時間が必要になる児童期

「またゲームやるの?」など、何気なく注意したつもりが、「前にやったのは、何時何分地球が何回まわった時?」「昨日はお母さんも●●をやっていたけどね」などと、子どもから今までにはない揚げ足をとるような返答がきてびっくりすることも。児童期になってさまざまなことの理解力が増し、語彙力もついてくるため、言い返すようになるのも児童期の特徴です。

そして、幼児期は「ママ、見て!」と、なんでも見てほしかった子も、児童期になると、「一人になることができる場所」「一人で落ち着く時間」などのパーソナルな空間や時間が必要になってきます。

リアクションが薄いのは、話を聞く準備ができていないから

また、子どもを呼んでも無視をする、リアクションが悪いという声もよく聞きます。

理解力が高まる児童期の子どもには、幼児期のように細かく説明することが減ってきます。そして、大人もつい子どもが何をしているかを確認せずに話しかけるシーンも増えがち。大人が話しかけた時、子どもは自分一人の場所で一人の時間を楽しんでいる最中なのかもしれません。

そんな時は、無視しようとしたわけではなく、話を聞く準備ができていないだけ。話しかける前に子どもの様子を見てから話しかけるようにしましょう

どんなことにも「やばい」でリアクション、対処法は?

良いことへも悪いことへも、なんでも「やばい」という言葉でリアクションする姿が見られるということはないでしょうか?

「やばい」は友達間の共通言語でもある

幼稚園や保育園に通っている場合も同じですが、小学生になるとよりお友達とのかかわりが密になることで今までは使っていなかったけど、「やばい」という言葉を使うようになったということがあるかもしれません。

小学生になると、学校のお友達の間ではそれが共通言語になっていて、当たり前のように使われていること。だから自分も使いたいと感じるのは、成長の上で自然な姿です。

「やばい」以外の言葉で表現させてみよう

「やばい」と言ってはいけないわけではないですが、今まさに表現力を育んでいる時期でもあるため、ぜひ次のようなかかわりも参考にしてみてください。

「今の『やばい』を『やばい』以外の言うとどういう感じ?」などと聞いてみることで、お子さんが別の表現を考えることができます。そうやって考えて言語化することで、子ども自身が発する言葉の意味を理解するきっかけになるのでおすすめです。

「うるさい」「めんどくさい」という発言へのOK例・NG例

「うるさいな」「めんどうくさいんだよ」など、ちょっと気になる発言を子どもにされたら、どのように答えますか?

NG例(過剰反応)

  • 「なんでそんな口のきき方をするの!」
    「いい加減にしなさい」

OK例(冷静な対処)

  • 「そう? でもお母さんは伝えたかったから伝えたのよ」
    「ごめんね。●●くんがやってないように思ったから言ったんだよ」

子どもの言っていることに過剰反応すると、さらに興奮して逆効果になることもあるので、冷静に対処するのがおすすめです。

また、反抗的な態度を初めにぶつけているのは親の方ということもあるので、お互いがそのような態度にならないように注意したいですね。

絶対に口にしてはいけない言葉にははっきりと注意する

しかし、「死ね」「ぶっ殺す」などと言う絶対に口にしてはいけない言葉を言われた時は、きちんと注意することが必要です。その時は「家族でも、もちろん友達にもそういう言葉は絶対に言ってはいけません」と、はっきりと伝えるようにしましょう。

反抗期に悩んだら、子どもの言葉や態度の理由を考えてみよう

子どもの態度が悪い、使って欲しくない言葉を使う=反抗期というわけではありません。反抗的になる理由は、私たち大人の言動だったり、成長過程にある子どもの気持ちに要因がある場合も。そのため、すぐに反抗期というジャッジをせずに、なぜそのようになったのかを考えてみるといいですね。

また、「クラスで流行っているから」「友達がみんな言ってるから」などの理由で、何気なく子どもが使っている言葉。その言葉の意味を楽しく学ぶことができる「ことばえらびえほん ふわふわとちくちく」という本があります。この本をリビングなど、子どもがすぐに読める場所に置いておき、家族の会話のネタにするのもおすすめです。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

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