小学生でおねしょをした息子。親も本人もショックを受けて…受診は必要? 【専門医が回答】

学習雑誌『小学一年生』(小学館発行)では、日常の子育てや発達・健康上の心配など、読者のママ・パパのお悩みを募集しています。今回は、小学生になっておねしょをしてしまったお子さんのお悩みです。そんな時の対応を日本小児科医会「子どもの心相談医」川上一恵先生にアドバイスしてもらいました。

小学生なのにおねしょをしてしまいました! 受診したほうがいい?

長男は入学前、月1~2回程度おねしょをしていました。そのうち治るよね、と深刻には捉えないようにしていました。ところが先日、またおねしょをしてしまったのです。小学生になったのだから、もうしないだろうと思っていたので、私だけでなく、本人もショックを受けています。この先もまたおねしょをするかもしれないと思うと不安です。病院で相談したほうがよいでしょうか。その場合、小児科なのか泌尿器科なのかも教えてください。 (しば犬さん)

A:1年生のおねしょはめずらしくありません。安心して眠れるように配慮しましょう。

おねしょが毎日続くようでしたら、かかりつけの小児科医に治療を相談してもよいでしょう。そして、本格的に治療したいということになれば、「治したい」という本人の意志が必要となります。

ただ実際は、息子さんのように、たまにする程度なら、生活習慣を見直すことで、いつのまにか治ってしまうことがほとんどなのです。ですから、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。

とはいえ、小学生になってからはしていなかったのに、久しぶりにおねしょをしてしまったということは、やはり何かしらの原因はあったのだと思います。

例えば、夕食時にお水をたくさん飲んでしまったとか、疲れ果ててトイレに行かないまま寝てしまったといった、ありがちなことでも、おねしょのきっかけにつながります。ですから、夕食時は余分な水分補給や、キウイフルーツ、バナナなど利尿作用のある果物を控えるなど、親御さんが配慮する必要があります。 

また、親御さんとしては、学校であったことが気になって、「今日は何をして遊んだの?」「どんなことを勉強したの?」などと、子どもにいろいろ聞いてしまうこともあるでしょう。

子どもが話したいのであれば別ですが、親御さんから無理に聞き出そうとすると、子どもは気持ちが落ち着かなくなって、疲れてしまうことがあります。ですから、子どもに聞きたいことは半分以下におさえ、わが子の様子をしっかりと見てもらえるといいのかなと思います。

「今日は体育があったし、疲れているな」と思えば、早めに休めるように明日の準備を手伝うなど、子どもが安心して眠りにつけるようにしてあげましょう。

おねしょをしてしまった子に対して、「またやっちゃったの」とか、「恥ずかしい」といったネガティブな言動はNGです。あらかじめ、防水シーツなどで対策をしておけば、「布団はぬれていないから、大丈夫だよ」と、子どもが安心できる声かけができますね。

あるいは、「疲れているかな。今日はゆっくり休もうね」など、労う言葉でもいいと思います。明るく普段通りに振る舞いましょう。

また、夏休みにキャンプや旅行など、宿泊の予定があっても、1~2泊程度なら、子どもは楽しい緊張感のほうが勝って、意外とおねしょをしないものです。

まだ1年生ですから、親御さんがフォローしつつ、おおらかな気持ちで見守ってあげてくださいね。

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私がお答えしました

川上一恵先生 かずえキッズクリニック院長・ 医学博士

診療の傍ら、地域の小学校、幼稚園、保育園の校医、園医も務める。日本小児科学会認定専門医。日本小児科医会「子どもの心相談医」。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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