2人のお子さんを育て、家事のほとんどを引き受けながら上場企業で仕事もバリバリとこなすさぶさん(@sabu_1985)。ワンオペでも心と体をすり減らさずに働き続けるために実践してきたお金・時間・感情のマネジメント術のノウハウが詰まった、書籍『ママのお金と時間の「ゆる習慣」 元証券ウーマンが伝えたい暮らしのコツ70』も好評です。

目次
本来はずぼらな性格。自分が楽になるために仕組み化をスタート
――書籍では、「家庭100点+仕事100点は無理。併せて100点でいいのでは」という完璧主義を手放す考え方を紹介していました。そう考えるに至った出来事はありましたか?
さぶさん 独身のときは働けば働くほど成果が出る働き方をしていて、ハイパフォーマーなセールスマンでした。しかし出産後、時短になることで成果が出なくなったときに自分のなかで折り合いがつかなくなったんです。
そんななか当時の同僚で、その時代には少なかった子育てに積極的に参加する男性に「子育てをしていることも1つの大きな仕事だよね」と言ってもらい、「そうか、仕事を2つしていると思えばいいのか」と思ったんです。
――忙しい毎日のなかでは気合や能力より仕組み化がラクとのことで、著書やInstagramでも「朝ごはんや学童のお弁当は定型化、外食週2回はOK、掃除は週1」などが紹介されていました。今後新しく導入、もしくは検討している仕組みはありますか?
さぶさん 子どもが塾に通い始めたこともあり、ちょうど仕組みの見直しが必要かなと思っているところです。
平日働いているとどうしても平日の習い事が難しいので、土曜日に習い事や塾、通院などを集約して、日曜日は家族の時間を持てるようにしようと考えています。
――仕組みを導入する際は、どんな基準で決めてらっしゃいますか。
さぶさん 仕組み化というと私がきっちりしている性格のように聞こえると思いますが、本当はめちゃくちゃずぼらなんです。子ども時代は勉強机にコップが5つも6つも並んでいるくらい、片づけができない続かない性格で……。
それでも仕組み化してみたらすごく楽ができたんですね。やってみて1番楽ができたもの、あとは子どもに3回ウケたものを仕組みにしています。「これ美味しいね」と言ってくれたものを2週間に1回の献立メニューに組み込むとか、実際によかったことを習慣づけています。
「子どもの準備は手伝わない」大人になって困るより、早めに失敗するほうが本人のため
――仕組みのひとつに「子どもの準備は手伝わない」とありました。身支度や宿題、提出物のチェックは小学生になったら本人の責任という考え方ですが、最初のほうは心配や失敗もありましたか?

さぶさん 確かに忘れ物があるなど失敗してしまうこともあって、学校の先生や保育園の先生に迷惑をかけたり、恥ずかしい気持ちはもちろんあります。
特に下の子はものすごくつまずいてしまい、学校の教育相談で先生から「提出物がこれもあれも出ていません。なぜですか?」と言われてしまって。だから、教育相談などは頻度高く行くようにし、「先生から聞いているからちょろまかせないよ」と釘を刺すことはやっています。
そういったことがありながらも、子どもたちが大人になってそれらができないよりは、早めに失敗する方が本人のためという風に考え方を置き換えています。
――これによってお子さんの成長を感じることはありましたか?
さぶさん だんだんと成長して、土日に買ってほしいものがあれば金曜日のうちに言ってくれるようになりました。
――お子さんのなかでもそれが仕組み化されているんですね。
さぶさん そうですね。学校でほかの子が手伝ってもらっている話を聞くと「やればできるのにね」と思うみたいです。自分はできるという自己肯定感が育っているように思いますね。
旦那さんには「察してほしい!」でなく自分の状態を自己開示で解決!
――旦那さまは朝6時に出勤されるそうで「幻の存在」と紹介されていました。家事はすべてさぶさんが担っているように思いますが、分担等で衝突はなかったのでしょうか? あった場合、どう乗り越えましたか?
さぶさん 昔はありましたが、私は洗濯物を畳むのがすごく苦手で、それをやってもらっているのでいいかなと。あとは私が夜に食器洗いができなくて朝にやることがありますが、彼はできないことを絶対に責めないので、それだけでも幸せかなと。そういう風に幸せレベルを下げて考えるようにしてます。

――「もっとやってほしい!」とはならなかったですか?
さぶさん もっとやってほしいというよりは、子どもが小さいとき、旦那だけ残業ができていることがすごく悔しかったんです。さっき言ったとおり、労働時間があればあるほど成果が出せる仕事なので、一番はそれでした。
ーーそれはどう解消したのでしょうか。
さぶさん そのときは会社を辞めたいとも言っていましたが、夫が「働いている奥さんがいい」と。
であれば、私が働く居場所を確保するために週に1回は残業をさせてほしい、職場での私の心理的安全を保つために月に2回は飲み会に参加したいと伝えました。旦那が希望するお母さん像、共働きの妻像を保つためにそういう話をしっかりして、旦那もそれを理解し、自分の職場に週に1回は早帰りをさせてほしいと交渉してくれました。
――なるほど、夫婦で話し合ってベストのやり方に修正したんですね。
さぶさん やはり自己開示しないとその人の状態はわからないですよね。私も職場ではメンバーがいる立場ですが、家庭の状況は人それぞれなので、開示してくれると任す仕事や配慮の仕方も変わってきます。皆さんも恐れずに開示してほしいなと思っています。
――仕事場もそうですし、家庭でも困っていることを伝えたほうがいいですね。旦那さんには察してほしいと思いがちですが、言われないとわからないことも多そうです。
さぶさん そうですね。うちの場合は性格的に察するのは難しいと思います。
あとは「私ばっかり……」と考えるよりは、「私を褒めて」という風に転換したことで、うまくいくようになりました。すごく細かいことまでも「偉いね」と言ってもらえると気持ちがどんどん落ち着いたんです。
――そう促していたんですか?
さぶさん はい。「あなたの仕事の仕方は6時~21時まで家にいない。そんななか一人で家を回している私って偉くない?」みたいな(笑)。それぐらいは褒めてほしいと話をしたら「今日も可愛いね」「家事をやってくれてありがとう」って毎日言ってくれます。

――それだけでも気持ちが落ち着いたんですね。
さぶさん 女性の先輩が言っていたんですが、「1年に1回バラの花束をもらうより、毎日1本ずつバラを渡してくれるような男性がいいわ」って。そんな感じで、ちっちゃな感謝を毎日もらう方が私も好きだなと思ってお願いしている形です。

「一億総活躍社会」で、家事の分担やできないことをはっきり言えるように
――こんな風に夫婦で話し合いを持ちながら、暮らしを回していこうと試行錯誤されたのは、1人目が生まれてすぐですか? それとも2人になってからの方が大変になったイメージでしょうか。
さぶさん 2人目が生まれてからですね。旦那に頼らないと完璧にやり切るのは難しくなりました。家事ができないことを認めないと回らなくなったんです。
――自分が完璧にはできないことを伝えるのは、最初は勇気がいりましたか?
さぶさん そうだと思います。お互いに専業主婦の子どもだったということもあって、離乳食をちゃんと作らなきゃいけないとか、ご飯はこうしなきゃいけないとか、旦那が描くお母さん像とずれちゃうのが最初はすごく怖かったですね。

――でも話してみたらそうではなくて、働いてほしいと思ってたんですね。
さぶさん 向こうのお母さんから、旦那を介して「あれやったの?」「これってどうなの?」と言われることもすごく多くて。でも、私の中では当時の安倍総理が「一億総活躍社会」と言ったことが大きかったです。
女の人も働かないと成り立たないと首相が言ったことで、夫婦でたくさん話し合って、自分たちの親世代の親たちと世代は全然違うよね、と。それからは義父に「そんなに子育てに参加しているのか。俺のときは1回もなかったよ」と言われようと、「時代が違うから」と旦那から言ってもらうようになって。
このあたりから家事の分担やできないことをはっきり言えるようになり、うまくいったように思います。
ーーありがとうございました。次回はさぶさんのお子さんへの「金融教育」について伺います。「株を買う際は子どもに相談」…!?
さぶさんの新刊
さぶさんは、元証券会社勤務で現在は別職種ながら上場企業で管理職を務める二児の母。証券会社時代の知見や、フルタイムワーママとしての葛藤などを発信して、現在20万人超の女性たちの支持を集めるインフルエンサーとしても活躍しています。
本書は、家事に育児に仕事にと奮闘する中で、ワンオペでも心と体をすり減らさずに働き続けるために実践してきたお金・時間・感情のマネジメント術をまとめた一冊です。
お話を聞いたのは
2児を育てるフルタイムワーキングマザー。
某国立大学経済学部を卒業後、大手証券会社に就職。IT企業を経て、結婚を機に、ゆかりのない土地へ転居。周囲を頼れない環境の中で子育てをしながら、現在は人材・採用領域の上場企業にて法人営業分野のマネージャーを務める。
親の事業の借金返済などを背景に、お金のことで悩む時期を経験。その後、証券会社時代の知見と自身の試行錯誤をもとに、家族を幸せにするために無理なく続けられる家計管理や資産形成の考え方を発信している。
Instagramでは、忙しい子育て世代にも取り入れやすいお金の考え方が支持され、フォロワー数は21万人を超える。
著書に『元証券ウーマンの一生使えるお金の話 貯金ゼロから「貯め体質」』『元証券ウーマンの資産運用の話 お金が増える「ゆる投資」デビュー』(ともにKADOKAWA)がある。
取材・文/長南真理恵
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