読書が苦手でも 「まんがや図鑑を読めばいい」! 国語が得意になる驚きのヒントを、国語のプロ家庭教師が伝授

国語の読解って難しい。うちの子の成績が伸びないのは、読書が苦手なせい……?と思っている方は多いかもしれません。でも、読書好きが必ずしも「読解が得意」とは限りません。長い文章が苦手でも、「学習まんがや図鑑や子ども新聞で!」と、国語のプロ家庭教師、金子香代子先生が力強く応援してくれます。苦手意識を横に置いておいて、さっそく取り組みましょう。

国語はセンスで解くもの、センスがないから「苦手」と思っていませんか?

――国語の長文読解は正解がわからないから苦手、という子は多いと思います。親も算数より教えにくいかもしれません。それはなぜでしょうか。

金子先生 国語はセンスで解くものだと思っている人が多いからではないでしょうか。日本語は毎日使うものだからわかるはず、みたいな感じで、論理化しないで「感覚」で解いている、と言いますか。

問題文としての長文はお子さんでもだいたい読めます。でも、設問については「これが正解だ」としっかり思えなくて、「こうかな……?」くらいのあいまいさで解いている子も多いでしょう。

親御さんが教えるにしても、自信があまりなくて、答えを見ながら説明していることが多いかもしれません。「答えに書いてあるよね、これだね。間違えた?よく読んだらわかるよね」と。「よく読みなさい」しか言えなかったり。でも、子どもは子どもなりによく読んだつもりで、それで間違えてしまったのだから、「よく読む」とはどういうことなのかもわからなくなってしまいます。身近な人に教えてもらおうとしてもわからない。国語って、あいまいな中で学習しがちな科目なんですよね。

――たしかにそうですね。教えてもらっても「そうか!」とストンと腹に落ちるというより、ふんわりとわかる、という感じのことも多い気がします。

金子先生 でも、長文読解は本来、「ここにこう書いてあるからこれが正解」と、論理的にすすめていくべきものです。根拠をもって解いていくんです。なんとなーく読んでなんとなーく解いて、なんとなーく解説を読んで終わりでは、成績は上がりません。文章の構造理解を土台とし、論理の展開を連続して行うことにより、文章を理解できるようになるのです。

構造が見えてくると、文章全体が、霧が晴れたようにはっきりと見えてきます。そして、一度その体験をすると、最初から構造を理解しようと思いながら読めるようになります。そうしたら、だんだん楽しくなってくる。成績も上がってくるんです。ぜひみなさんにもそのような体験をしていただきたいですね。

読書好きな子は語彙力がある。でも「主観」で読んでしまいがち

――読書が好きな子は、国語が得意とよく言います。読書が好きじゃないと、成績はよくならないでしょうか。

金子先生 読書好きな子は語彙力があるのはたしかですし、ストーリーや人物の感情を捉えるのは好きです。それだけで読解力が上がる要素を持っています。でも、読書は、主観で読み進めて、読後は「個人的な感想」でいいわけですが、国語の読解は客観的に読み解く必要があります。そこが読書とは違います。

読書好きなお子さんの中には、主観で読み進めることが習慣になりすぎてしまうケースもあり、文章題を客観的に読み解くことが不得意で悩んでいる子もいます。

「うちの子は本を読まないから、国語の文章題は不得意」っていう保護者の方はいますし、お子さんもそう思っているかもしれませんが、そんなことないですよ。読書が好きでもそうでなくても、「読解力をつけるポイントを押さえる」ことが大切です。

「子ども新聞」「学習まんが」「図鑑」で語彙を増やそう!

――しかし、日頃から文章に触れる時間が多ければ、語彙が増え、読むスピードが速くなるなど、国語力もアップしやすいのでは?読書があまり好きでない子は、どうやって国語力を上げればいいでしょうか。

金子先生 読書が好きな子は、物語を読むのが好きな子が多いのではないでしょうか。一方、読書が苦手という子は、長い物語が苦手、絵もなく文字だけが苦手、という子が多いかもしれません。それなら「子ども新聞」「学習まんが」「図鑑」などを利用することをおすすめします。短い文章やイラストつきなら読みやすいのではないでしょうか。

これらは、文章が短いので「読解力」を磨くというより、まずは語彙力を増やすことに効果的です。言葉を知っていればいるほど言い換え問題や記述のときに役立ちます。

――なるほど、英単語がわからないと英作文が読めないのと同様、語彙力がないと長い文章も読めない。読解力の基礎をつけるために、「子ども新聞」「学習まんが」「図鑑」で語彙を増やしていくのですね。

金子先生 学習まんがなら、好きなものをお子さんに選んでもらって手に入れ、勉強の休憩時間などに読むようにするといいです。1回じゃなくて、何回も何回も読むといい。すると、今まで難しかったと思うような言葉が、どんなふうに使われるのか、まんがのシチュエーションの中で自然に理解できるようになります。1回では覚えないんですよ。でもシチュエーションの中で使われていて、その意味がわかると、辞書で見るより定着していきます。シチュエーションと一緒に頭の中で結びついていきますからね。適切な使い方もできるようになります。

受験前のお子さんの場合でも、ご家庭で手の届く所に、「子ども新聞」「学習まんが」「図鑑」が手の届くところに置いておくといいですね。そういう時期なら読むことを強制せず、自然に手を伸ばす環境を作っておく、ということ。いざ受験となったときの準備ができます。

「親子の会話」で国語を勉強しなくていい。会話は楽しいのが一番!

――よく、親子での日常的な会話の中で、国語力を伸ばすことができる、と言われますが、どんな会話をすればいいでしょうか。

金子先生 うーん、どうでしょうね。「親子の会話の中でできるだけ難しい言葉を使うといい」という話は聞いたことがありますが、日常生活の中でのお子さんとの会話で、日々注意しながらそんなことができるでしょうか。難しいんじゃないかなと思うんです。

また、会話の中で「これってどう思う?」と質問して考えさせていくのがいい、という意見もありますが、しょっちゅうやっていたら、お子さんも会話がつらくならないでしょうか?そしてそれで読解力が上がるかといったら、そうでもないような気がします。

生活の中での疑問って、自然に生まれてくるものじゃないですか。子どもがそういう疑問をつぶやいたら、一緒に考える、というのはあると思いますが、あえて疑問を投げかけて答えさせるというのは、表現する意欲をそぐような気がしてしまって。無理にしなくていいと、私は思います。

家族の会話はむしろ、たわいもないことを気軽に話せることがいいのかな、とも思いますし。

――では、子どもの読解力を上げるために、親がなにかできることはありますか?

金子先生 手前味噌ではありますが(笑)、私が開催している、親子で参加できる読解力のオンラインセミナーにいっしょに参加していただくのが効果的だと思っています。これまで、「読解力のためになにを勉強させたらいいのかわからない」「どうサポートしたらいいのかわからない」と言っていた方も、子どもが読解文に取り組むときにどう声をかけたらいいのかが、よくわかるようになります。親が適切なアドバイスができると、子どもも勉強をしやすくなりますね。

――その内容、少し教えていただけませんか?

後編で、物語文、説明文に分けてお伝えしますね。

――国語の読解文が「わかる!」と自信がつけば、国語が好きになるし、国語の成績も上がっていくはず。後編では具体的に読解の仕方を伺います。受験生でなくても必読、本当に金子先生の教え方だとよくわかりますよ! 

後編はこちら

国語のプロ家庭教師が伝授!なんとなく、ではなく「正解がハッキリわかる」これが中学受験・国語読解問題の解き方
前編はこちら 国語の読解問題ができれば「中学受験」の大きなアドバンテージ! ――中学受験での国語の読解問題はできるよう...

お話を聞いたのは

金子香代子さん 国語プロ家庭教師

(株)アートオブエデュケーション国語カウンセラープロ家庭教師。元大手進学塾にて国語を担当。子どもに響く「声かけ」メソッドは、多くの親子に好評を得ている。著書に「中学受験 金子式『声かけ』メソッド最速の国語読解力」(大和書房)「となりにカテキョ つきっきり国語」シリーズ(実務教育出版)

「きょうこ先生の中学受験情報局」をフォローすると、金子香代子先生の国語の読解文対策のオンラインセミナーの情報が届きます。

 

監修/安浪京子 著者/青山麻美、金子香代子 実務教育出版 各1980円(税込み)

中学受験業界でおなじみ、「きょうこ先生」こと安浪京子先生率いる「中学受験プロ家庭教師」陣によるマンツーマンレッスンをリアルに再現した、今までにない中学受験問題集シリーズ!物語文・説明文の解き方を、それぞれわかりやすく徹底的に教えます。

◉本書の3大特長◉
①1万以上の家庭に寄りそってきた、中学受験プロ家庭教師陣が執筆!
②家庭教師にマンツーマンで教えてもらえるライブ感を再現!
③子どもの「なぜ」を「対話」で解決。基礎と苦手を楽しくクリア!

この記事を書いたのは

三輪泉 ライター

インタビューを中心に教育、子育て、医療、介護、食などのテーマで WEB・雑誌・書籍などの記事を執筆。お話を伺う方にたくさんの学びをいただいています。社会福祉士、法定成年後見人、中学校・高等学校教諭一種免許状、生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)

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