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働くママの夕方はとにかく過酷!
働くママの皆さん!毎日の夕飯作り、どうされていますか? 3児の母であるHugKum編集部員の筆者は育休復帰してからというもの常に、この”夕飯問題”に悩まされ続けていました。
お迎えはまるで鉄人レース
筆者の生活はというと…定時で仕事を終えたら小走りで駅へ。電車を乗り継ぎ、自宅の最寄り駅に着いたらそのままスーパーへ駆け込む。髪を振り乱しながら電動自転車を漕いでお迎えラリー(保活戦争の負け組でお迎えが学童含めて3か所なのです涙)。やっとの思いで帰宅後も、息つくヒマもないまま「お腹すいたー!」と騒ぐ子どもたちをたしなめ、鬼の形相で夕飯の準備に取り掛かる。
働くママは仕事が終わった夕方からがもう一勝負。まるでトライアスロンをしているかのような過酷さですよね。
「作り置き」「レンチン」気づけばレシピ本迷子に…
こんな余裕のない毎日を少しでも楽に、快適にすべく、あらゆる時短家事本、作り置きレシピやレンジでチンだけの本など読み漁っていたのです。試してみても、子どもたちに不評だったり、どれもなんだかしっくりくるものがなく、気がつけば本棚が溢れるほどのレシピ本迷子に陥っていました。
気になる本を発見!『いつものごはんはきほんの10品あればいい』
もうレシピ本は買うまいと思っていた筆者の目に飛び込んできたのは、おいしそうな玉子焼きの写真と、キャッチーなタイトル『いつものごはんはきほんの10品あればいい』。
気になって、パラパラとめくっていたところ、カバーの裏に書かれていた著者の文章に釘付け!
18時半より少し前に帰宅するのが私の毎日。
夕飯の準備に費やす時間は、
帰宅後30分と決めている。
平日は時間がかかる料理には手を出さない。
そのぶん、30分で作れる料理の幅を
自分なりに広げればいい。」
なんと、筆者のタイムスケジュールと全く一緒ではないですか!”帰宅後30分”という調理時間もリアリティがあってぐっと来ました。
この本の著者は、Twitterでフォロワー11万人超えの人気アカウント「きょうの140字ごはん」の管理人の寿木けいさん。二人の子どもを持つ働くママです。寿木さんが10年間、Twitterで発信し続けたシンプルで簡単でおいしいレシピをまとめた本とあれば、この本は役に立つに違いない!と、さっそく自宅に連れて帰ることに♡
ただのレシピ本じゃない!働くママへのヒントがいっぱい
「これ知りたかった!」を教えてくれるエッセイが充実
この本を働くママにオススメしたい大きな理由が、エッセイがたくさん載っている点。料理以前の献立の立て方やスーパーでの効率的な買い物の仕方など、ママたちの「知りたかった!」にジャストフィットする内容なのです。
特に筆者は、”買っておくと便利な10の食材”というページはスマホカメラでパシャとして持ち歩いています。
筆者がお迎え前に駅近のスーパーに寄れる時間はせいぜい15分。時間はないのに、日中の疲れもあってか完全に思考停止! 野菜コーナーや精肉コーナーをウロウロしても何も浮かばない!!献立を考えるのを脳が拒否w。皆さんもそんな時ありますよね? そうこうしているうちにタイムリミットが迫ってきて、仕方なく惣菜コーナーでコロッケや餃子などを購入、というのがあるあるパターン。とりあえず買うべきものがリストアップされていたら、深く考えずに買い物も短時間で済み、お惣菜に頼らなくても夕飯作りに取りかかれそう。
応用力無限大!な簡単シンプルレシピ
本のレシピは潔いほどにシンプル。細かな分量も載っていません。でも不思議とそれが作りたくなる秘密なのかも。きっちり何gと書かれていると、その通りにしなければという思考に縛られて、料理自体がめんどくさくなりがち。料理の超初心者には向いていないかもしれませんが、ある程度は作れる人なら、分量も自分の好みに合わせて味見をしながら調整したり、材料もこれがないからあれで代用しようと、自由度があった方が、料理の腕も上がるし、自分なりの正解を導き出せるようになりますよね。
思わず作りたくなるネーミングセンスの良さ
数あるレシピの中から、選び抜かれた10品は”名もなき20秒卵”、”ほったらかし野菜炒め”、”切るだけサラダ”、”飲みたい酢の物”・・・。どれもこれも一度目にしたら忘れられないインパクトのあるネーミング。これ作ってみたいと料理心にスイッチが入ります。
料理の腕がUPする、ちょっとしたコツも随所に
卵料理って簡単なようで実は難しい料理だと思いませんか? 筆者はいつもオムレツを作ろうと思っても、フライバンに卵がくっついてしまって、不本意ながら途中で炒り卵へと方向転換。写真付きでしっかりコツを解説してくれているので、見よう見まねで調理したら、上達したような気がします!
縁から真ん中、縁から真ん中
まずはとにかくフライパンをよく熱するのがポイントのよう。筆者はこのフライパンの熱し方が足りなかったようです。熱々に熱したフライパンに卵を入れたら「ジュッー!」と心地いい音がして、卵液はあっという間に縁から固まり出します。その固まった縁をスパチュラを使って折りたたむように混ぜるのがコツ。縁から真ん中、縁から真ん中を数回繰り返し、好みのレア加減に仕上げます。
肉をお風呂に入れる(霜降り)
また、「牛皿のような」というレシピは、使う材料は牛肉、玉ねぎ、水、砂糖、醤油のみ。肉のうまみで野菜を食べるので出汁も使わずに作れるとってもシンプルな料理です。このとき、肉だけはいいものを選ぶのがポイントのよう!さっそく作ってみました。
まずは鍋に水を入れて火にかけます。レシピには「この間に玉ねぎを切っておく」といった段取りのコツも明記されているのがうれしいところ。沸騰したら火を止め、牛肉を加えて菜箸でかき混ぜ、表面がうっすらピンク色に変わったらざるにあける。この肉をお風呂に入れるような作業を(霜降り)と呼ぶそう。寿木さんも本に書いているように、「このひと手間でおいしさが全然違うし、柔らかく仕上がる」んです。
本当にこのひと手間で、びっくりするくらいお肉が柔らかく、上品な味に仕上がりました。肉じゃがには見向きもしない子どもたちが、この「牛皿のような」はおいしい!とモリモリ食べてくれました。今では我が家の定番レシピに。
時間の使い方の参考にもなる!
寿木さんが著書の中でおすすめしているのが”朝10分”の仕込み時間。野菜を切ったり、肉を漬けたり、朝の10分間を使って、ちょこっとやっておくと夕方30分の調理時間が格段に効率よく使えます。
朝10分を娘のお手伝いタイムに
実は筆者、夕食作りの最中に、4歳の娘が「お手伝いしたーい!」とキッチンにやってくるのがプチストレスでした笑。時間との勝負だし、末っ子もぐずり出すし、火を使っているキッチンを娘にちょこまかと動かれると危ないということもあり、「あとでね~」「ちょっと向こう行ってて~」と邪険に扱ってしまうことも。そこで、”朝10分”を娘の「お手伝いタイム」にすることに。朝なら2歳の末っ子もご機嫌に遊んでいてくれるし、火を使う作業も少ないので、落ち着いて見守ってあげられます笑。
野菜が苦手な娘も、自分で洗ったり、切ったりしたものなら割と喜んで食べてくれるので、この朝10分の娘とのコミュニケーションタイムは食育にもいいなと実感しています。
家族に簡単でおいしいものを食べさせたいすべてのママへ
「お惣菜だっていいじゃない!」「ママの笑顔が一番のご馳走よ」最近では、ママに寄り添ってくれる優しい言葉を目にすることも多くなりました。確かにこう言っていただけると本当にありがたいし、心が軽くなります。疲れているときはもちろん、お総菜や外食、デリバリーにぜひとも頼りたい!
でも決して、ご飯を作りたくないわけじゃないんです。できることなら、子どもたちに健康的でおいしい料理を作ってあげたい! 使える時間は限られているから凝ったものや手間のかかるものは無理なだけ。
簡単でおいしいものをイライラせずに(笑)楽しんで作れることが重要! そのためのノウハウがギュギュギューッと詰まったこの本は、ママの心強い味方であり、最高の参考書です。夕食作りに悩むママたち、ぜひお手にとってみてください。きっと目からウロコの気づきがあるはずです。
スーパーマーケットや宅配で普通に買える食材、どこの家にでもある、おなじみの調味料を使って作るシンプルなレシピの数々は、どれも毎日でも食べ飽きない家ごはんばかり。
著者と同じような働く母親はもちろん、これから初めての自炊を始める若い世代や、年齢を重ねて、そろそろ仕事を引退するリタイア世代にも、とても役立つ1冊です。
文・構成/HugKum編集部