視聴率20.0%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)という幸先のいいスタートを切った吉沢亮主演の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の第2回が、2月21日に放送されました。中盤でいよいよ子役の小林優仁からバトンタッチし、ふんどし姿というサービスショットまで披露した吉沢さんに、ママたちも胸が躍ったのでは?
今回の大河では、日本資本主義の父と言われた渋沢栄一の生涯が描かれますが、2024年度前半に刷新予定の新1万円紙幣となる人物という点は、親子で大河ドラマを見るうえでのフックになるのでは。また、少年時代の栄一役を演じた小林優仁については「この子は誰?」とそのイケメンぶりに話題騒然となりました。
それもそのはず、本作でドラマデビューを果たした小林くんは、まさに手垢のついてない子役ですが、松竹歌舞伎アカデミー子ども歌舞伎スクールの三期生で、6歳にして歌舞伎の初舞台を踏んだという小さな実力派。オーディションを勝ち抜いただけのことはある演技力や存在感は、たった2回の出演でも目に焼き付いています。
「青天を衝け」の脚本は、連続テレビ小説「風のハルカ」や「あさが来た」などの大森美香が担当。第1回の冒頭で、栄一と徳川慶喜(草なぎ剛)が対面するという名シーンをいきなり見せたうえで、時間を巻き戻していくという展開は、まさにつかみOKとなりました。
イケメンなのに役では攻め続ける吉沢亮の魅力
吉沢亮といえば、2019年に連続テレビ小説「なつぞら」で広瀬すず演じるヒロイン・なつの幼馴染で、初恋の人となる天陽役を演じ、お茶の間でも大ブレイク。また、同年公開の映画『キングダム』では、秦王・嬴政と漂の一人二役の演技が高い評価を受け、第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など多数の賞を受賞しました。
とはいえ、彼の素晴らしい点は、自分の美貌にあぐらをかくことはなく、イケメンキャラとは対極にある役柄にもひるむことなく挑んでいくところかと。
翌2020年に公開された映画でも、バラエティーに富んだ役柄を演じました。広瀬すずと再共演した『一度死んでみた』では存在感のない地味男役を、杉咲花と共演した『青くて痛くて脆い』では、狂気に走る痛い大学生役を、北村匠海や小松菜奈と共演した『さくら』では、事故によって人生を狂わされる青年役を演じましたが、いずれの役でもとことん攻めていました。
あれだけ容姿端麗なのに、ここまで役柄の守備範囲が広い点は、役者として大きな武器になりますね。かつ飾らない人柄も相まって、いまや最強の人気俳優となりました。今後もどんな渋沢栄一像を演じてくれるのか、大いに期待が高まります。
草なぎ剛、玉木宏、ディーン・フジオカなど、キャスティングの妙にうなる
第1回目の登場から熱い視線が注がれているのが、徳川慶喜役の草なぎ剛です。渋沢栄一の人生を語るうえで重要なキーマンとなる役どころですが、カリスマ性が漂う慶喜像を見事に作り上げていました。
草なぎさんといえば、2020年に公開されたトランスジェンダーを題材にした主演映画『ミッドナイトスワン』が絶賛されたことも記憶に新しいところです。昨年めでたく結婚され、俳優としての幅も人間力もさらに広げていきそうな予感。
また、個人的にキャスティングの妙だとうなったのは、“東の渋沢、西の五代”と言われた、栄一と同時代の実業家・五代友厚こと五代才助役を演じるディーン・フジオカです。彼は「あさが来た」で同役を演じて、大ブレイクしましたが、再び大河で同じ役を演じるというのは異例中の異例。まだ登場していませんが、そのキャラクターがどう描かれるのか、今からワクワクします。
そして、「あさが来た」で波瑠が演じるヒロインあさの夫・新次郎役を演じた玉木宏も、洋式砲術家の高島秋帆役として1話から登場しました。謎めいたオーラを放っていた高島も、今後、どう栄一と絡んでいくのか非常に気になります。ということで、来週も乞うご期待!
文/山崎伸子