大学病院小児歯科の先生に聞きました。虫歯を作らせない子供の歯みがき!

虫歯予防で大切なのは、規則正しい食生活と毎日の歯みがき。お風呂に入って頭や体を洗うのと同じように、歯みがきも幼児期から習慣づけることが大切です。日本大学 松戸歯学部 付属病院の小児歯科医長、岡本京先生に、子どものひとりみがきと、仕上げみがきのポイントについてお話を伺いました。

子どものひとりみがきのポイント

乳歯が生えそろった3~5歳は、歯みがき習慣を確立させる大事な時期です。お子さんが歯をみがく練習をはじめましょう。また成長とともに、自分でみがける部位を少しずつ増やし、ステップアップしていきましょう。

■歯ブラシの選び方

対象年齢を目安に、お子さんのお口に合ったサイズの歯ブラシを選びましょう。好きな色やキャラクターがついた歯ブラシを使用することで、楽しく歯みがきができるきっかけになるかもしれません。また、歯ブラシを噛んだり、圧が強く毛先がすぐに広がってしまうこともあります。こまめに、新しい歯ブラシと交換しましょう。

■磨く順番と回数を決める

お子さんの年齢や理解力にもよりますが、みがく順番や動かす回数を決めることをおすすめします。歯みがきはするけれど、ずっと同じ場所ばかり磨いている、歯ブラシを口に入れたまま手が止まっていることはありませか? まずは、イラストのような順番で磨いてみましょう。

仕上げみがきのポイント

歯みがきを上手にすることは、大人でもむずかしいことです。お子さんが歯みがきしたあとに、保護者(おうちの方)が仕上げみがきを毎日することが大切です。お子さんを膝の上に寝かせ、唇やほっぺを指で引っ張りながら、歯ブラシの毛先を歯に当ててみがきましょう。

■歯ブラシの選び方

仕上げみがきでは、お子さんが使用した歯ブラシではなく、別の歯ブラシを用意しましょう。歯ブラシは、ヘッドが小さく、柄が長い歯ブラシを選びます。また、デンタルフロスやタフトブラシなどの補助用具も取り入れることをおすすめします。

■重点的にみがく場所

汚れがたまりやすい「奥歯の溝」「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」や、お子さんが自分でみがくことが難しい「歯の内側」を意識しましょう。また6歳頃になると、乳歯の一番奥から6歳臼歯がはえてきますが、汚れがたまりやすく、多くのお子さんが虫歯にしてしまいますので、とくに丁寧にみがきましょう。

■動かし方・力加減

毛先を歯の面に対し真っ直ぐに当て、1~2歯分の幅で往復させ動かします。力を入れすぎるとお子さんが痛がってしまい歯ぐきを傷つけるだけではなく、汚れも落ちにくいです。毛先が広がらない程度の軽い力でみがきましょう。

小さい頃からの正しい歯磨き習慣と健康な歯は、親から子供にあげられる、生涯に渡ってもっとも大切なプレゼントの1つではないでしょうか。
ぜひ、みなさんもチャレンジしてくださいね!

 

協力/日本大学 松戸歯学部 付属病院

 

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今回の記事は小学館発行の幼児誌・幼稚園6月号の「おしえて! はいしゃさんって どんなところ?」を大人向けにリライトしたものです。「幼稚園」では、毎月面白くてためになるルポ記事を紹介しています。今後もお楽しみに~!

 

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