テレビよりも大きなスクリーンで映像が楽しめるプロジェクター。近年は手頃で扱いやすい製品が登場し、家庭にカジュアルに導入できるようになりました。映画やドラマなどの映像鑑賞はもちろん、ゲームや子どもの寝かしつけなど、使い方は様々。ここでは、プロジェクターの選び方や、子どもと一緒に楽しむ方法を、実例とともにご紹介します。
目次
プロジェクターって何?どういう種類がある?
プロジェクターとは、パソコンやDVDプレイヤーなどのAV機器と接続し、映像を壁やスクリーンに投射する機器です。これから購入するのであれば、まず用途ごとに種類があることを知っておきましょう。プロジェクターの種類は大きく3つ。
映像鑑賞に向いた「家庭用」、明るい場所で使いやすい「ビジネス用」、持ち運びしやすい小型軽量の「モバイルプロジェクター」に分けられます。ご家庭で子どもと楽しむなら、家庭用もしくはモバイルプロジェクターが候補となるでしょう。
どんなところで使える?
かつては、Blu-ray・DVDなどの映像鑑賞用、プレゼンか会議に使うビジネス用途がほとんどで高価だったプロジェクターですが、お値段が手頃な製品、持ち運びしやすい製品が増えたことで、使えるシーンは広がってきました。
家庭での用途をあげるなら、映画やドラマ鑑賞はもちろん、ゲーム、テレビ視聴、パソコンやスマホの画面を映し出すなど、接続する機器やコンテンツもさまざまです。知育教材や寝かしつけに使っている家庭も多いようです。ここで実例をご紹介しましょう。
プロジェクターを愛用中のファミリーに使い心地を調査!
実際にプロジェクターをお持ちの2家族に使い方を聞きました。
「星空の映像は寝かしつけに最適です」
津田マリリンさん(お子さんは8歳の女の子)がプロジェクター(VANKYO LEISURE 430W)を楽しみ始めたのは約1年前。購入したのはご主人ですが、映像を天井に映してみたところ、お子さんが喜んだことから、寝かしつけにも使うようになったといいます。
「屋上で上映会。ポップコーンと飲み物を片手に映画館気分が楽しめます」
西崎明子さん(お子さんは8歳の男の子)は、日が落ちてから屋上にプロジェクターを持ち込んで、映画などを上映しています。
そのほか、子ども部屋のロフトベッド下のソファーに家族で並んで座って部屋の壁に投影したり、キャンプで雨が降っている時はログハウスの中で楽しむこともあるそうです。使用しているプロジェクターは、西崎さんが仕事用に購入した「EPSON EB-W05」。ビジネス用の製品ですが、子どもとワイワイ楽しむのには問題なし。自宅の屋上が映画館になるなんて、将来良い思い出になりそうですね。
プロジェクターの選び方のポイント
購入するときにチェックするべきポイントをご紹介します。
値段
プロジェクターの価格は、1万円前後から10万円を超えるものまで、かなり幅が広いです。値段が高いほど明るく解像度が高く、美しく映像を映し出せる性能が高い傾向があります。
明るさ
明るさはルーメンという単位で表記されています。部屋を暗くして映像を見るなら、1000〜2000ルーメンあれば十分、2500〜5000ルーメン以上の製品であれば、日中の明るい部屋でもクッキリと映像を映し出すことができます。
解像度
映像をどこまできめ細やかに映し出せるかは、解像度で決まります。映像鑑賞の用途では、フルHD(1920×1200)や4K(3840×2160)対応が人気ですが、子どもとカジュアルに楽しむ用途なら、それほどこだわる必要もないでしょう。
スマホで使えるか
それよりも、スマホで使えることのほうが今どきは重要かもしれません。一般的にプロジェクターは、HDMIなどのケーブルでプレイヤーなどの機器と接続しますが、Wi-FiやBluetoothのワイヤレス接続に対応しスマホやタブレットから簡単に映像を映し出せる製品が増えてきているのです。さらに、プロジェクター自体にAndroidの機能が内蔵され、単体で動画配信サービスのコンテンツを映し出せる機種も出てきました。
野外で使うなら…
電源のない部屋、キャンプなどのアウトドアで使いたいなら、バッテリー内蔵で持ち運びしやすいモバイルプロジェクターも選択肢として検討してください。
おすすめのプロジェクター
家族で使用するのにおすすめのプロジェクターを厳選してご紹介します。
【家庭用プロジェクター】
POYANK WiFiプロジェクター 6000LM
お手頃価格ながらWi-Fi機能を内蔵し、スマホやタブレットから映像を映し出せるのがポイント。6000ルーメンと高輝度なので、明るいリビングなどでも使えます。
BenQ ホームプロジェクター TK800M
4K対応で映像鑑賞に最適。内蔵の5Wスピーカーも臨場感あるサウンドを実現。低遅延なので、スポーツ観戦やゲームなどにも不満が生じることもないでしょう。輝度は3000ルーメン。
popIn Aladdin 2
LEDシーリングライトと一体になったプロジェクター。天井に取り付けるので、置き場所や配線を気にすることがないのが◎。スピーカーも内蔵し、スマホとワイヤレスで接続することもできます。
【モバイルプロジェクター】
Anker Nebula Capsule II
バッテリーやスピーカーを内蔵したモバイルプロジェクター。Android TVを搭載し、Wi-FiもしくはBluetoothに接続すれば本体のみでAmazon Prime VideoやNetflix、YouTube Kidsなどのコンテンツを投影できます。画面サイズは最大100インチ。
Anker Nebula Astro
子どもと一緒に楽しめることをコンセプトに開発された超小型モバイルプロジェクター。Android 内蔵で様々なコンテンツを本体のみで映し出せます。子どもが使用できるアプリや使用時間を制限する「ペアレンタルコントロール機能」も搭載。
プロジェクターで親子時間をより楽しく
以上、子どもと楽しむためのプロジェクターの選び方でした。子どもと楽しむのが目的なら、まずはお試しでお手頃な価格の製品から始めるのもおすすめです。なぜなら、プロジェクターはテレビのように誰もが日常的に使う製品ではないからです。逆に言えば、非日常的な楽しみや、使う人ならではのこだわりが発揮できるのがプロジェクターの醍醐味。実際に使って、「ゲームを明るく大画面で楽しみたい」「もっと映画をキレイな映像で観たい」といった具体的な欲求が出てきてからグレードアップを検討すれば、失敗がないでしょう。
小口 覺
1969年兵庫県生まれ。明治大学法学部卒業。『DIME』などの雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆などを手がけるライター・コラムニスト。自慢できる家電「ドヤ家電」(日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定)を生み出す。近年は意識低い系マーケティングをテーマに企業取材を重ねる。著書に「ちょいバカ戦略: 意識低い系マーケティングのすすめ」(新潮社刊)など。
文・構成/小口 覺