3歳児健診で「経過観察」と言われ保育園相談。軽く受け止められてしまったようで…
3歳児健診で「自分の名前をフルネームで言えない」「親の名前が言えない」など指摘を受けて、経過観察になりました。保育園の先生に、そのことを伝えると「あー、確かにこちらが言っていることが、たまにわかっていませんよね! お母さん一緒に頑張りましょう」と軽く言われ、ますます落ち込んでいます。3歳って、そんなにいろいろわかるものでしょうか? 私のかかわり方に問題があったのでしょうか?(3歳の女の子のママ)
「ママ」「お母さん」が名前だと思っている3歳児はたくさんいます
これまでもお母さんたちから、同じような相談を受けてきましたが、私は親を不安がらせるような保育士や保健師などの専門家が多いことにがっかりしています。
乳幼児健診で「経過観察」と言われると、心配するお母さんはとても多いです。
しかし、私の経験では、3歳ぐらいなら親に名前があることを知らない子はたくさんいます。いつも呼んでいる「ママ」「お母さん」が名前だと思っているのです。
名前なんて気にせずに、相手と心を通わすことができるのが3歳児です
乳幼児健診で「親の名前が言えない」など指摘されたからといって、ずっとわかない訳ではありません。
「りんごの木」にいる5歳の子に「お母さんの名前言える?」と聞いたら、5歳でも「わからない」という子がいます。本能と感性が私達よりすぐれている乳幼児は言葉を使わなくてもコミュニケーションができます。名前を知らない「あのこ」でも、
相手と純粋に心を通わせることができるのが3歳児のすばらしさです。人間は言葉は持たずに生まれてきましたけれど、心を持って生まれてきました。比較や評価は子どもの足しにはなりません。
うちの子はうちの子のペースで育っていると信じてください。今に立ち止まっている子はいません。我が子の育ちを親が喜べるのが、なにより子どもの自己肯定感に繋がります。
教えてくれたのは
保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
イラスト/海谷泰水