現役書店員が教える【読書感想文のおすすめ本】小学1~6年生向け、書きやすい本の選び方は?

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夏休みの宿題「読書感想文」って、本選びの段階から親子で悩んでしまいませんか?どんな本なら書きやすいのか、現役書店員さんにオススメの本を学年別に教えてもらってきました。選び方の参考にしてみてください。

丸善丸の内本店の児童書担当 現役書店員さんに取材

今回取材したのは、東京駅、丸の内oazoにある丸善丸の内本店の児童書を担当している兼森理恵さん。

兼森さんは、20年以上児童書を専門に担当されており、朝日新聞など数々のメディアでも書評を書いており、まさに児童書界隈の最新情報を発信し続ける書店員さんです。

読書感想文の本の選び方は?

兼森さんいわく「とにかく、少しでも興味の持てる本を選ぶこと」とのこと。

ステキな読書感想文を書くには?

「気になった本を読んでみて『自分は、この本のどこが好きなんだろう? なんで好きなんだろう?』と考えていくと、とってもすてきな読書感想文書けると思いますよ」と教えてくれました。

また、年齢にあった読書感想文にぴったりの本も教えてもらいました。さまざまな方向から子どもたちの興味をひきつけてくれるとのこと。早速、紹介します!

小学1・2年生向け読書感想文おすすめ本

まずは、小学校低学年向けの本。兼森さんいわく、絵本でもOKとのことです!

『なみのいちにち』(阿部結・作/絵 ほるぷ出版)

【兼森さんのオススメポイント】

海の波が、人々と過ごす一日をえがいた絵本。今、こうした時代だからこそ子どもたちに感じてほしい自然の姿・のびやかさが伝わります。自然を感じることで得る自由な喜びを、子どもたちに伝えます。

『ぼーるとぼくとくも』(加藤休ミ・作/絵 風濤社)

【兼森さんのオススメポイント】

空に浮かぶ雲を見ているうちに、男の子がどんどん空想を広げていく姿を描いた絵本。空を見上げて想像しよう、下を向かずに上を向こう、と、絵から豊かな想像力が得られる絵本です。

『きりんのまいにち』(二宮由紀子・作 大野八生・絵 光村図書出版)

【兼森さんのオススメポイント】

きりんと、きりんの周りの仲間たちの、ふしぎで面白いお話。属性が違う動物や人間たちがそれぞれいて、みんないいバランスの距離感で相手に接している姿に、共生って本当はこういうこと、ということが伝わります。みんな普通に存在して、みんなが相手に「どうぞ」と尊重しあっている関係の心地よさを、子どもたちが感じられる物語です。

『ホホジロザメ』(沼口 麻子・文 関俊一・絵 福音館書店)

【兼森さんのオススメポイント】

ホホジロザメの生態を緻密な絵で紹介する科学絵本。ホホジロザメの生活のスリルとサスペンスをリアルに感じさせます。サメは、水族館でよく見かける魚ですが、本当の生態のダイナミックさから、自然科学への興味を惹きつける絵本です。

小学3・4年向け読書感想文おすすめ本

小学校3,4年生向けには、自分の周りに関心を向けて考えられる、少し読み応えのある本を。

『おもちゃ屋のネコ』(リンダ・ニューベリー・作 田中薫子・訳 くらはしれい・絵 徳間書店)

【兼森さんのオススメポイント】

ハティの大おじさんが営むおもちゃ屋さんにネコがやってきます。そこから起こる不思議で心温まる出来事を描いた物語です。読み進めていくと「どんなものにも、おかれるべき場所がある」というメッセージが伝わってきます。自分の居場所とは? を子ども達が考えるきっかけになるお話です。

『ワニのガルド』(おーなり由子・作/絵 偕成社)

【兼森さんのオススメポイント】

女の子の前にワニのお化けが現れます。ワニはさびしい人にしか見えない存在ですが、クラスで一番イケてる女の子にもなぜかワニの姿は見えていて、そこから起こるユーモラスなお話です。
物語の中で、お友達との関係について考えられます。ワニという困難(?)を、友達と一緒に乗り越えていくことで、「あなたはひとりぼっちじゃないよ」と心強さを感じさせるお話です。

小学校5・6年生向け読書感想文おすすめ本

小学校5,6年生向けには、成長や人生を考えられるような、どっしりとした物語を。

『ソロ沼のものがたり』(舘野鴻・作 岩波書店)

【兼森さんオススメポイント】

「生き切ること」というテーマが描かれた、虫の視点から描かれたファンタジーです。
虫にとってはどんなに嫌なことがあっても、天寿を全うするまで生き切ることが生きることの本質です。生き切って死ぬことは当たり前のこと、いかに生きるかを考えさせられる物語です。

『恋愛問題は止まらない』(吉野万里子・作 小学館)

【兼森さんオススメポイント】

恋愛の中での人間模様、成長を描いた短編集です。恋愛に限らず、人と接することは避けて通れません。相手は自分とは違うのだから、自分の見ている相手の姿は、その人の本質とは限りません。人に対する感情に振り回されることは一生のことだから、それを面白いって思った方が、人生が楽しくなる、と子どもたちを元気づけます。

『博物館の少女』(富安陽子・作 偕成社)

【兼森さんオススメポイント】

大阪から、文明開化時代の東京にやってきた少女が主人公のミステリー。少女のはっきりと意志をもって生きていく姿が最高にかっこよく、生き様を応援したくなります。少女の姿から、「自分もこうあれたら」と、人生を力強く生き抜くにはどうすればよいか、考えることができます。

「BOOK FUN LETTER with 小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙 」を開催

今回取材で伺った丸善丸の内児童書売り場は、「本との出会いの場所として、本と人とをつなぎたい」をコンセプトに、オススメ本がたくさんありました。

また、現在夏休み企画として、丸善ジュンク堂書店のオススメする本の企画「BOOK FUN LETTER」と「小学生が選ぶ“こどもの本”総選挙」のコラボ企画も開催中とのこと。兼森さんは「この企画内でおススメしている本も読書感想文にぴったりですよ」と教えてくれました。

「BOOK FUN LETTER with 小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙 」の詳細はこちら>>

 

また、店内にて「EHONS×福音館書店『こんとあき』33周年フェア記念 林明子『こんとあき』 エスキース展」も開催中です。パパママ世代の子ども時代から大人気の絵本『こんとあき』の、珍しいエスキース(下絵)が見られますよ!

オリジナルグッズのコーナー『EHONS』も面白い♪

2Fには『EHONS』という、絵本のストーリーやキャラクターをモチーフにしたオリジナルグッズのコーナーもあります。大人気のヨシタケシンスケさんの絵本グッズや、せなけいこさんの「めがねうさぎ」グッズ、林明子さんの絵本グッズなどなど、ここでしか手に入らないものがたくさんあります!

 

『EHONS』の詳細はこちら>>

取材した日は平日でしたが、たくさんのパパママが、本やグッズを楽しんでいました。課題図書の本選びなど、本との出会いを楽しみに一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

丸善丸の内本店
〒100-8203
東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ1階~4階

取材・文/徳永真紀

夏休み☆自由研究ハック

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